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昔々あるところに鬼ヶ島という火山島がありました。その島では鬼たちが暮らしていました。鬼の棟梁は赤鬼の勝重です。彼らはゆったり流れる時間を自由気ままに暮らしていました。
ある日、島に人間の女が流れ着きました。勝重は彼を殺そうとしました。鬼ヶ島は人間を入れてはいけないという決まりがあったのです。しかし、勝重が彼女に触れようとすると突然目を開きました。目の色は金色でした。鬼たちは驚きました。彼女は人間なのかわからないので、どうするか始末に困り、結局、島で育てることにしました。
島民のほとんどは反対しましたが、棟梁である勝重が「俺の子として扱う」とまで言ったので引き下がりました。彼はどうして助けようとしたのでしょうか?実はその子の瞳は大鬼という伝説の鬼が進化した前の棟梁が持っていたものだと気が付いたのです。何人かの大人もそれに気が付きました。
それから数年、鬼ヶ島は相変わらず平和な時が流れています。しかし、いじめが起きるようになっていました。その女性は記憶を失っておりましたので、新たに凛という名前が与えられました。出自のわからない人間のということで、いじめられないほうがおかしいでしょう。
しかし、誰もいじめに気が付きませんでした。なぜなら、鬼たちが攻撃しても当たらなかったからです。石を投げても、殴ろうとしても、蹴ろうとしても全く攻撃が当たらないのです。
勝元は彼女と過ごすうちに段々と惹かれるようになっていきました。
数年後、二人の間に子供ができました。名前は勝元とつけられました。勝元は彼女の母親の眼と勝重の火を纏う力を受け継ぎました。彼は勝重に剣術を習いました。しかし、彼の親はあまりに強く、何時までも一撃も入れることができませんでした。彼の試行錯誤の日々が続きました。妖気を炎に変換することが得意でしたが、ほかのものに変換できないだろうかと色々試してみました。その結果、雷を纏うことができるようになりました。彼はこれらを纏うことで勝元に一撃入れられるようになりました。また、彼の母の能力である朧な金の眼を発動することで全方位を見ることができたので、島で一番強くなれたのです。しかし、驕らないように勝重は子供と戦わせなかったので、彼は自分が一番強いことを知りませんでした。
ある日、島に黒い船がやってきました。その黒い船に乗ったやつらのうちに数人、自分と同等の実力をもつ人物がいることに気が付いた勝重は緊急用の攻撃手段である噴火を使いましたが、なんと、いとも簡単に攻撃を捌いてしまったので、勝元は殆どの戦える鬼を黒船のもとに、自分は村に行きました。
勝重が村につくと空から雷と大量の黒い球が落ちてきました。
「な!!」
驚きの声を上げた刹那、大きな地響きとともに村が消えてしまいました。
「は?」
何もなくなった村でたたずむ赤鬼。そこには息子と嫁がいました。赤鬼の眼から大粒の涙が流れました。
赤鬼は黒船のもとに向かいました。そして、妖気を纏い、全力で戦い続けました。しかし、桃太郎という青年があまりに強く、しかし、せめて一矢報いてやると無限に再生する樹木を妖力で燃やし続けました。
豪炎の中、彼は島に残る息子の妖気を感じました。
「まだ・・・生きてるのか?」
赤鬼は彼を生かすために策をめぐらせます。そして、封じられた迷宮を暴走させることにしました。そのためのカギとなる鬼の刀を迷宮が封じられた火山に向けて投げました。誰にも気が付かれず、刀は火山に突き刺さって迷宮の封印を解きました。思惑通り、迷宮が暴走し、人間たちは帰っていきました。
残った少年はボロボロの廃屋の下で倒れていました。
目が覚め、起こった出来事を思い出し、涙がとめどなくあふれてきました。
泣いているとたくさんの鬼たちが集まってきました。
彼を食べようというのでしょうか?いえ、違います。
なんと彼らは彼を鬼の王と認め、首を垂れたのです。
彼は自分が復讐できる可能性を感じました。
彼の父の刀を手にしました。
そして、強くなることを誓いました。




