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桃太郎と赤鬼  作者: 布眠夢懋
桃太郎と三体の仲間たち
6/7

鬼ヶ島の戦い・・・

【 その男は海風にさらされながらも岩の上に整然と立っていた。

その男も海風にさらされながら船の上に立っていた。

その男は雲の上で笑っていた。

その女は飛んだ。飛んだ 飛んだ 飛んだ

飛来する四つの凶弾は平和な島を破壊した。

やめてといわれても関係ない。助けて?そんなことするわけないだろう。これは平和への行進。この国を更新するために必要な歩み。臨終せよ。我が愛すべき国民たちよ。臨終せよ。さすればこの国は嘗ての栄光を取り戻すだろう。

行くぞわが友 その名は孫悟空。すべての害を跳ね返す肉体の持ち主。天界を騒がせた対罪人よ。 

行くぞわが友。その名は月夜。復讐を糧に寂しく生きてきた阿呆。馬鹿だなぁ。俺が楽しい未来を見せてやろう。黒霧じゃない、現実の幸福ハピネス

行くぞわが友。その名は咲。大河を守る変わり者。魔物のくせにな。だから好きだよ。お前の雷は国を走る槍となろう。お前がこの国の守護神になるんだ。

 伝説の猿たちの攻撃は苛烈。兵士たちの戦いは高次元。魔力供給は膨大。俺たちに敵はいない。ははははっははは。臨終せよ。俺たちはすべてを手に入れる。】


「島が見えたぞぉおおおおおお」

「桃太郎様にほうこ・・・・・なにぃいいいいいい???」


桃太郎たちは島が見えた瞬間に空を飛びました。岩に降り立つ四人の戦士。島ではたくさんのオーガが待ち構え、四人に金棒を向けます。


「何しに来た?協定で我らの島に手をださないといったはずだが?」

「返してもらう。すべてを」

「なに?」

「抵抗するな。無駄だ」

「・・・わかった。人間がそのつもりなら」


島の火山から火の球が飛んで船を襲います。


「それくらい予期してたよ」

「な?」


 桃太郎が指を上に向けると海の底から大樹が生え、その上に孫悟空の分身が大量に並んでいます。孫悟空たちは黒霧をまとい、その黒霧は盾の形になりました。彼らは火の玉を受け止め、勢いを完全に殺します。そして、火の玉を分身ごと雷が消し去りました。


「妖気がたまっていたからな。疑似的に噴火を起こす術だろう?」

「生憎、すぐに気づいたんでな。つぶさせてもらったぜ」


 黒船の船員たちが島に降りてきます。


「お前ら、本当に協定を破るつもりかぁああああああ」

「そうだといっている」

「やれええええええ」

「「「「おおおおおおおおお」」」」

「先制攻撃はあちらからだな。よし、俺たちも行くぞ!!」


 桃太郎たちと、彼らの戦いが始まりました。桃太郎は腰の小袋からモモの種を取り出すと、鬼たちに投げつけました。桃の木がどんどん生えていき、彼らの知っている島ではなくなっていきます。


妖精ドルイドか?」

「ご名答」


桃の実が落ち、それぞれがトゥレントとして、鬼たちに襲い掛かります。鬼たちは軽く倒しますが、すきを見せた鬼たちを桃の木が絡めとり、四肢をはぎ取っていきます。


 孫悟空は第一部隊とともに島を駆け巡ります。桃の木が生えたところはもはや彼らのホームといっても過言ではありません。人間の兵士も、仙術で体を強化させ、うまく戦っていますが、無数の孫悟空と猿たちがいれば、自分たちはいらないのでは?と思ってしまうほどに圧倒的な物量で鬼が倒れていきます。


「くそ!一回引くぞ!!」

「だが。集落のほうにこいつらを寄せ付けるわけには!」


突然爆音が島の奥から聞こえました。


「なんだ?」

「私の落雷と月夜の爆弾よ。きれいに掃除しておいたわ。それと、月夜の部隊が宝をもって無事に本国に向けて出港したわ」

「な!!!ということは」

「ええ。綺麗に死んでもらったわ」

「くそやろぉおおおおおおおおおおお」


雷に打たれ、また鬼が一人消えました。

突然地面が揺れるほどの雄たけびとともに赤い鬼が走ってきました。


「やめろおおおおおおおお」

「やれ」

「わかったわ」


月夜や、桃太郎の桃の木が縛った鬼たちを咲がまとめて消しました。


「みんな・・・・・」

「あの鬼、でかいな。用心しろ」

「ああ。まぁ、そんなに強くはないだろう」

「本気で行くぞ。あいつは恐らくヒュドラよりも強い」


桃太郎は腰の種をすべて捲きました。大量の桃の木が生え、大量の孫悟空と完全武装した月夜と雷を充電チャージした咲が手を泣いている鬼に向けます。


「死になさい。【雷槍】」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


鬼が吠えました。その瞬間、体から炎が噴き出し、雷を相殺しました。


「ゆるさねえええええええ」

「行くぞ!!油断するな」


桃太郎がすべての木を統合させ、大きな腕を作り、鬼を殴ります。しかし、炎で燃やされ、木々は一瞬にして炭化しました。


「桃太郎。お前は相性が悪い、俺がやる!!」


孫悟空が鬼を殴ります。そう、孫悟空は炎に燃やされてもなんともない肉体を持っているのです。しかし、

「ふぐっ」


九の字になって桃太郎が吹き飛んでいきます。

月夜が大量の武器を作り、鬼にぶつけます。しかし、鬼が腰に下げていた刀を一振りすると武器とともに月夜も吹き飛びました。


「仕方ない。兵士たちすべての魔力を使うわ」


兵士から大量の魔力が送られます。


大雷砲エレクトリックブラスター


鬼が渦巻く炎を刀にまとわせ、雷を切り付けます。雷はきれいに切れて、その先にあった船をも真っ二つにしてしまいました。その余波も凄まじく、咲や他の兵士たちも気を失ってしまいました。


「さあ、俺とお前だけだ、くそ野郎」


鬼が桃太郎に向かって走りました。その瞬間です。桃太郎の体が白く光りました。


迷宮核ダンジョンコアの抵抗がどうも凄くて、やっと力を奪えましたよ」

「は?」


桃太郎の背中から大量の木の腕が生え、鬼を殴り飛ばしました。


「なに?お前、まさか迷宮《ダンジョンを??》」

「だから、そうだといっているでしょう」


桃太郎の体から生えた気が桃太郎を覆っていきます。


「これはさすがに俺の力の供給を切ったら消えてしまうようだな。まぁ、戦闘には差し支えないだろう」

「なんだその姿は??」

「かっこいいでしょう。お前を殺すためですよ」


桃太郎が体からはやしたのは世界樹です。彼の母は迷宮の管理者ダンジョンマスターでした。迷宮核を自分のものとしたことで、彼はその力を受け継いだのです。


「さあ、楽しませてください」

「化け物が!!」


桃太郎に向かっていく赤鬼レッドオーガ。桃太郎の木の鎧から伸びた枝がその動きを阻もうと鞭のようにしなり、向かっていきます。刀は容易にそれを切り刻みます。しかし、殺気のように燃えたりはしません。簡単に伸ばせるので炭化されなければ問題ないのです。しかし、桃太郎の近くまで赤鬼が迫ります。


「もらった」


赤鬼の刀が桃太郎に迫ったとき、桃太郎の後ろから突然大樹が生え、腕の形になって、赤鬼を殴り飛ばします。


「苦労しましたよ。世界樹ってなかなか種作れないんですね。一日一つくらいしか作れなそうです。こんなに力を消費するとはね。でも強さは保証ありですか」


 世界樹の枝に桃太郎が乗って上空に行きます。


「やっぱり物量だな。死んでもらいますよ」

「ぐふっ。はは・・・あいつに見られたら笑われちまう。最後まで鬼の誇りを守り続けてやらんとなああああああああああああ」


赤鬼に最後の炎がともりした。

それは腕に集中していきます。


「ではさようなら」


桃太郎の乗った世界樹から無数の枝が伸び、赤鬼に向かっていきます。しかし、赤い炎が枝を飲み込んでいきます。


世界樹と炎の戦いは丸一日続きました。最後、炎が消え、世界樹を地面に戻すと赤鬼が地面に横たわっていました。


「一ついいですか?なんでこんな無駄な抵抗をしたんですか?どうせ死ぬし、早いか遅いかの違いじゃないんですか?」

「そうじゃねぇ。この時間に意味があったんだぜ」

「は?よくわからないですね。俺の仲間たちもみんな回復しました。むしろ絶体絶命になりましたよ?」

「お前がなぁ」

「なにをさっきから」


突然、地響きとともに島の火山が爆発しました。火の中から飛び出してきたのは大量の鬼たち、それも次々に、島を覆うほどに鬼が飛び出してきます。


「な?・・・・まさかここにも迷宮ダンジョンが?」

「はは。一矢報いられてよかったぜ」


長い間封じられていた迷宮は放置しておくと大量の魔物を生み出します。桃太郎の時は迷宮の封印が解かれてすぐに桃太郎が破壊してしまったので、問題なかったのですが、古来からこれを人々は大侵攻と呼び、恐れてきました。それが起きてしまったのです。


「逃げるぞ、月夜。すぐに船を作って、全員を載せろ!!悟空は俺と時間稼ぎだ」

「お、おう。全部倒しちまえばいいじゃねぇか?」

迷宮核ダンジョンコアを取り込んだから直感的にわかる。大侵攻はこんな小さな島を埋め尽くすくらいじゃ収まらない。おそらく、この島の迷宮からは普通の大侵攻の魔物を凝縮したような強力なやつが大量に出てくる。倒しきることなんてできないし、個々の島に閉じ込めるのが一番効率いいんだよ!!咲はこの島ごと封印する術式を作れ」

「媒体がないわよ!!」

「この島を世界樹で囲う。そいつを使え」


桃太郎は自分の生命エネルギーという寿命に影響するエネルギーを消費して四つの世界樹の種を生み出し、四方の海に投げました。

世界樹は絡み合い、島を覆いつくしていきます。


その間、悟空は大量の分身とともに鬼たちと戦い続けていました。頑丈なはずの悟空の分身を容易に切り裂く鬼たちを見て、悟空も意味を悟りました。


「準備できたわ!!」

「脱出するぞ!!悟空!!」

「おう」

三人は残された小さな隙間から島を出ました。


「封印!!」


咲が島を封印しました。薄い赤のエネルギーの膜が島を覆いました。


「ぐはっ」


咲に抱えられた桃太郎が血を吐きました。


「どうしたの?」

「生命エネルギーをつかったからな。下手をしたら何年も魔力が回復しないかもな」

「大丈夫か?」

「まぁ、目的は達した。あとは近隣の国をいくつか吸収して俺の仕事はひと段落だ。まぁ、人間の軍隊なんて楽勝だろう」

「まぁ、そうだろうな。そこらへんは俺らでやればいいか」

「頼む。まぁ、財政問題が片付いたし、戦争もあるから、この国は一気に最高の時をむかえるぞ」

「そう。無理しないでね」

「ああ。ちょっと、頑張りすぎたな」


桃太郎は黒船に乗り込みました。

これから桃太郎の人生はどうなっていくのでしょうか??

まぁ、それはまた今度ということにしましょう。

それではまたの機会に。




桃太郎と赤鬼 第一章 【桃太郎と三体の仲間たち】(完)


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