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桃太郎と赤鬼  作者: 布眠夢懋
桃太郎と三体の仲間たち
4/7

あの衝撃的な出来事は連日新聞に取り上げられました。通常なら政治家たちがもみ消していたはずの情報が何の努力もなしに入ってきた新聞各社は大喜び。政治家たちは大慌て。警察が動き出し、大臣4人と議員20人が捕まりました。この時点で衝撃的ですよね。しかし、悪夢はここから始まりました。


ーこつん こつん


「なんだよ。朝から・・・」と、ある議員が窓を見ると大きな鳥が窓辺にいます。


「あっちいけ。ほら」と議員が鳥を追い払おうと窓をたたいたとき、窓のふちに何かが置いてあるのに気が付き、窓を開けて、それを確認しました。


封筒・・・手紙のようです。封筒から手紙を出して中を確認しました。


【どうも、笹沼議員。私は現在、刑務所で休養中の桃野太郎と申します。刑務所とはいえ、私の考えに賛同してくれる方々のご厚意で刑務所内とは思えないようなお部屋に移動させていただき、とても快適に過ごしています。あまりに良い環境なので、誰かをお誘いしたいと思っていたところ、下記の情報を手に入れたので、あなたをこちらに招待させていただきます】


「な!!」


急いで下にある情報を確認した議員の顔がみるみる青くなっていきます。

「そんな・・・」と、震える手にある封筒からもう一枚紙が地に落ちます。


【ちなみに、この手紙は新聞社にもとどいております。折角の茶会を台無しにせぬよう】


「あ・・」と、議員は静かに崩れ落ちた。


このようなことが連日町で起こった。

この手紙は【悪魔の茶会の招待状】と呼ばれ、政治家たちは窓をたたく音にノイローゼ気味になり始めた。

中には新聞社に圧力をかけたものもいる。しかし、現在新聞は民衆たちの大人気の娯楽になっており、連日書いても書いても売り切れるほどの大盛況でしたので、圧力に屈する新聞社は少なかったのです。


数日後・・・


「なんだ!この体たらくは!大臣が四人、疑惑で辞職・・・・それに各省のトップが脅迫されているこの状況はなんなんだ!!」


机をたたき、そのままうつむいているのは総理大臣です。

彼が最も悪いことをしてきているのですが、どうしたことか、彼だけにあの手紙が届かないのです。


「総理・・・・ついに、官房長官も・・・」


「くそモモ野郎・・・。なんでこんなに情報が・・・・出所はわからないのか?」


「はい。全く。・・・・我々としては一刻も早い事態収拾を望んでいます。すでに議会も、内閣も機能しているとは言い難いですから」


「それはわれらに辞職せよと?」


ぎろりと怖い顔で官僚たちをにらむ総理大臣。


「確かに、逮捕はされてしまいますが・・・現在、証拠は挙がっているわけで、国民達のデモを抑えきることはできないでしょう。現実的に考えて次の選挙まで粘ったところで・・・・」


「くっそったれ」


「残念ですが、ご決断ください」


かくして、国を長年になってきた二大政党はトップが崩れたことで分裂や解散を繰り返し、内閣不在の状態を迎えた桃野共和国。

もう、この国をまとめられる人物はいないのでしょうか?


ここで、国民は思い出しました。あの、男の存在を。彼に任せるしかない。一縷の望みを彼に託したい。

多くの国民が彼の釈放を求めてデモを始めました。

だれも止められないのです。だって主権者は国民ですから。国民の意思が彼を呼んでいるのですから。


かくして、彼は、もともとの逮捕の罪状が曖昧だったこともあり、すぐに釈放されました。

逮捕されるときは変人扱いでしたが、現在は国を支えてくれるかもしれない傑物として見られていることがおかしくて、外にの民衆たちの前で吹き出してしまいました。


「よぉ、桃太郎。まさか、お前の作戦が当たるとはなぁ」と孫悟空。彼は極小の分身で国中のあらゆる情報を盗み出していました。


「ほんとよね。全く、人間たちが可哀そうよ。これで、国を豊かにしたいとか、ほんとよね?」と咲が少々ひきつった笑みを浮かべる。


咲は鳥に頼んで情報を国中に拡散させていた。


「もちろんさ。国会も解散したんだろ?選挙前に適当な人材をあつめないと」


「僕のほうでめぼしは付けておきましたよ。それと、軍隊のレベルも確かめておきました」と、月夜。


彼はどうしても手に入らなかった情報を黒霧で偽造する仕事もしていました。


そう、桃太郎はあらかじめ三人に指示を出していたのです。もっとも詳細は話しておりませんでしたが。


「さーて、こっからは俺の思う通りに動くだろうな」とわらう桃太郎。



桃野民主主義国に新たな政党が誕生しました。その名も「甘党」。「甘い未来をこの手の中に!」をスローガンに、圧倒的な人気で国会のほとんどの議席を獲得し、桃野太郎総理大臣が誕生しました。

そして・・・・・。


「な、なにこれ??」


国民たちは政府から配られた国家再建案に驚きの声をあげました。

まず、前提として書かれていたのは想定していた数倍も国が破たん寸前だったこと。そして、周囲の国に大量の借金があり、裏金はそこに流れていたこと。もう、普通の手段で再建は不可能であることだった。


こんな状況だったとは・・・・・と国民は驚きました。しかし、地方の町の国民たちは驚きはしませんでした。なぜなら、町の少し外にはそれを物語る荒廃した町や村がたくさんあったからです。


彼らの総理大臣は前代未聞の解決方法を提案していました。しかし、それはすべてを解決しうる手段だったのです。


そこに書かれていたのは


「時は来た。鬼ヶ島を取り戻せ!」


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