表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年クロの、冒険と人外娘。  作者: 狂字乱文
6/9

第5話 一つ目鬼娘の、赤い糸。

メインヒロインが誰とか全く考えてないです。

(。・ω・。)



 今回は“ユメ視点”です


「う~~~~~~///」バタバタバタバタ

 私は帰って来て自分の部屋のベッドにダイブする。枕に顔を埋め足をバタバタと動かす。



 嬉しい。


 良かった。この学園に来て。


 胸が暖かくなる。まるで心が踊る様。


 今なら何をしても上手くいくように感じて。


 明日が来るのが待ち遠しくて。


 これから毎日が希望に溢れてて。



 こんな感覚は久しぶり。

 まるでクリスマスプレゼントが来るのが迫ってきた子供の気持ち。 



「ユメーご飯出来とるぞぉ。降りてきんしゃい。」

 おじいちゃんの声が聞こえてきた。


「はぁ…もう。」

 思考を停止させられて、若干不快に思うも顔はほころんでいる。

 おじいちゃんとおばあちゃんが待っている一階のリビングに降りていく。









 学校に入学する。期待と不安が入り交じる。そのことに対して多数の人が期待の方が大きいだろうが、私は不安の方が大きいかった。

 勿論楽しみでもあった。これから出来る友達だったり、もしかしたら恋だってするかもしれない。そんなことを考えているとワクワクしてくる。でも、考えているうちに必ず不安の方が大きくなっていった。




 私は幼い頃からあまり友達はいなかった。いや、考え方によっては多かったのかもしれないけれど。



 私の両親は行商人をしている。それは私が産まれる前からしていて、産まれた後もだった。私は記憶がない頃から世界中を駆け巡っていたのだ。


 お父さんとお母さんと一緒に世界中を旅する。それはとっても楽しかった。果てしなく広がる海、風が地面を波立たせているような広い草原、エメラルドの湖、遠くの岩山に見えたドラゴン……、目を閉じれば広がってくるこの光景は私の宝物。


 でも不満もあった。友達が出来なかったのだ。いや、正確には出来るのだがすぐにその土地を離れてしまう為に出来てもすぐいなくなっていった。時が経って再び訪れたときには大抵相手は私のことを忘れていた。それでも私のことを覚えていて友達でいてくれた子はいたのだが、それも数人だった。でもそれは私自身に友達ができ難かったせいもあった。


 それは何故か?答えは簡単で私が一つ目だからだ。子供っていうのは単純で率直。世間のことなんか知らなくて、小さな世界の中に生きている。だから目が2つじゃない人がいるなんて聞いたこともない子供が私を見ると、怖がったり、気持ち悪がったりと畏怖の対象でしかなかった。


 そんな私を見て両親も不憫に思ったのか、9才になる頃サンディーバっていう街に住む、おじいちゃんとおばあちゃんのところに預けられた。そしてここで私は念願だった学校に入ることになる。おじいちゃんはサイクロプス、おばあちゃんは鬼っていう種族で、二人ともとっても私を可愛がってくれたし、この街の人は私の容姿を変に思うような人は少なかった。


 学校の勉強は旅の中でしていたから全然平気だったし、むしろ余裕なくらいだった。それに何より友達が増えて嬉しかった。それでもやっぱり私を見て気味悪く思う人はいた。最初の方は

気持ち悪いとか言う声が聞こえてきたりしていた。けれどそんな声も学校生活を過ごして友達が出来始めたら減っていった。ここでずっと住んでも良いかもしれない。そんなことを思い始めた頃に事件は起きた。


 その日は学校が休みで、午前中から遊ぶことになり普段はあまり行かない北の森で遊ぶことにした。森の奥の方へは行ってはダメだと厳しく言われていたのであまり遠くにはいかずに遊んでいた。お昼になったので一旦家でご飯を食べることになり森を出る。そして森を出て少ししたら私のハンカチが無いことに気づいた。友達にハンカチを探してくると言って森へ戻ることにした。一緒に探そうか?と言われたが少し見て無かったら戻るから先に帰ってて良いよと伝えた。


 そしてそれは森に入ってハンカチを探し始めてすぐのことだった。


 私がハンカチを探していると人がやって来る音が聞こえ、そっちを向くと三人組の男の子がこっち向かって歩いてきた。「オイお前、ここはおれ達の森だぞ…ってなんだその顔!?」そんなことを言って変な目で私を見てくる。そして私に向かってバカにするような、傷つくことを言ってきた。ここまで酷いことを言われたのは初めてで目に涙が浮かんでくる。もう逃げよう、そう思ったとき一人の男の子が石を投げてきて当たってしまう。そんなときだった、“彼”がやって来たのは。


 私と三人組の間に突然、颯爽と男の子が現れた。その男の子は三人組の方を睨みつけ殴りかかっていった。3対1のそれは突然やって来た男の子には当然不利だったが、それでも果敢に攻めていった。三人組の顔をそれぞれ二発ずつぐらい殴ったところで三人組は逃げていった。


 三人組が逃げた後、男の子はずっと泣いている私を心配して声をかけてくれた。そして私が俯いていた顔を上げ目が合うと男の子は驚いた顔をしてまじまじと私の目を見てきた。こんな反応をされるのは初めてだった。だんだん近づいてくる男の子に近いと言うと、男の子に目のことを言われる。やっぱり私の目って気持ち悪いのか、そう思うとまた悲しくなって涙が出てくる。でもその男の子は全く違うことを思っていた。綺麗だと言ったのだ、私の目を。そしてこんな綺麗な目は見たことないとまで。私はそれを聞いて本当に驚いたと同時に嬉しかった。それは家族に言われるのとは全く違ったものだった。 いつも変に見られていた目を初めて同年代の子から褒められて、存在を認められたような、私のことをちゃんと見てくれた気がして嬉しかった。本当に嬉しくて、嬉しくて、声を上げて泣いてしまった。


 その後お昼になっても帰ってこないおじいちゃんが心配して来てくれた。でもおじいちゃんは私が泣いているのを見ると隣にいる男の子が泣かせたと勘違いしてしまった。おじいちゃんは私が違うと言っても聞かずに、拳骨をくらわそうと腕を振り上げた。そしたらその男の子は叫びながら逃げて行ってしまう。あの男の子に嫌われてしまったかもしれないと思い、おじいちゃんを恨んだ。その日一日口を聞かなかったら泣いて土下座してきたっけ。それであの後またあの森に行ったらあの男の子に会えると思い何度も行ったが遂に会えることはなかった。“今日までは”




 自己紹介をする“彼”を見て目を疑った。彼はあのときの男の子だった。何故そう言いきれるのかは自分でも分からないが確信を持ってそう言えた。もしかしたらこれが運命ってやつなのかもしれない。そして彼を見ていると心臓が高鳴っていくのが感じられた。


 これが恋って呼ぶものなんだ。初めてのこの感情に対して、私はそう思った。






 ユメ・サクラギ(15)♀[種族]鬼人

  HP  :E(784)

  MP  :C(1411)

  力  :D(98)

  魔力 :C(130)

 物理耐性:E(76)

 魔術耐性:C(137)

  技  :E(81)

  敏捷 :E(68)

  運  :C+(147)

 [魔術]火魔法:E 風魔法:F 回復魔法:G

    念力:F

 [武術]杖:G

 [スキル]魔眼:鬼の目



※スキルについて

 魔眼:鬼の目:魔術やスキルによって生み出されたもの見破ることができる。幻術が効かなくなる。

ユメ・サクラギ(15)♀[種族]鬼人

身長163cm バスト:Dカップ 顔:B




次回はルナ・ローズです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ