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少年クロの、冒険と人外娘。  作者: 狂字乱文
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第3話 蟻娘アンの、日常。

クロの学園初日の日を人外娘の視点から書いていきます。順番は自己紹介した順番です。


 今回は“アン先生視点”です。


「はぁ」

 私は人気の無い廊下でため息をついた。


 なんか初日から疲れたわ。あのサブローってガキのせいで。いきなりあんな自己紹介するし、冗談だとしても笑えないっつーの。しかもその後の校内探検でしつこく話しかけてくるし。てめぇみてぇな小便臭いガキなんて興味ねぇっつーの。何が「先生って、美人ですよね。とっても素敵ですよ。」だよ、産まれた頃から知っとるわボケ。大体お前みたいな糞エロ小便ガキ坊主に言われったってキモいだけだから。あーなんか思い出したらイライラしてきた。



「どうしましたかなアン先生、眉間にシワが寄ってますぞ。生理かな?ブフッ」

「あら、校長先生こんにちは。今忙しくって、それで難しい顔してしまってたんですよ。それでは私急いでるので行きますね。失礼します。」


 最悪だよ丁度イライラしてるときにまたイライラさせる奴がきたよ。本当に地獄に落ちないかなこのゴキブリ糞豚野郎。


「まぁ待ちなさいアン先生。何か悩んでる事があったらなんでも相談に乗るから。私は大体校長室にいるからいつでもきなさい。まぁ私も一応校長って立場があるのでねっ。」パチッ


 おや?今のは幻覚か?糞汚物油がウインクしたように見えたぞ。マズい、物凄くイラついて来た。落ち着け、落ち着くんだ私。ただのゴミだ。ゴミが何言ったって関係無いじゃない。ん?待てよ、ゴミだから何したって平気だよね。周りには誰も居ないし、これはチャンス!


「校長先生、一つ間違ってますわ。私は蟻人なんで生理は来ないんです。」

「ブフォ、そうだったな。失礼、失れ「フン!」グホッ」ドサッ


 ふぅー、ちょっとスッキリした。もう何発か蹴っ飛ばしとこっと。



「何してるの?」

 ドキッ

「えっ!?…ってなんだゴリザベス先生じゃないですか。脅かさないで下さいよ。」

 

 あービックリした。私ったらつい蹴るのに夢中になりすぎて周りが見えてなかったわ。危ない危ない。

 この人はゴリラの獣人で2つ年上の先輩。かなり体格が良くて身長は184cmあるって言ってたわね。よくオカマに間違われるらしいけど歴とした女性で、とっても明るくて良い人なの。教員の中では素で話せる数少ない友人ね。プライベートではゴリ姉って呼んでるわ。


「フフッ、どうせこのオヤジにセクハラでもされたんでしょ?分かるわよ。私もよくさせるのよ。イラっとくるわよね。」


 え!?ゴリ姉には失礼だけど、この糞豚って見境ないのね。発情期の猿かよ。


「えぇそうなのよ、つい…。それにしてもこの豚肉どうしたら良いかな?」

「う~ん、このまま放置でも良いと思うけど一応保険室持ってった方が良いんじゃないかしら。保険室ならあの子がいるから大丈夫だろうし。ほら、私持ってってあげるから。」

「さっすがゴリ姉。頼りになるなぁ。美人だなぁ。」

「…あんた最後の全く思ってないでしょ。もうこの豚持ってかないわよ。」

「フフッ、冗談よゴリ姉。悪かったわ。」

「まったくもう。ちょっと自分が美人だからって調子乗っちゃって。ほら、誰も来ないうちに早く行きましょ。」

 そう言ってゴリ姉は発情糞豚猿の後ろの襟首を掴んで引きずっていく。




 運良く誰にも見つからずに保険室まで来れた。扉を開けて中に入ると保険医の先生が机に向けていた顔を上げこちらを見る。


「あら?アン、それにゴリ姉まで……って何で豚まで連れて来てるの?」


 明らかに嫌そうな顔をしながら聞いてきたのはミル。ミルは私と同期で同い年、ゴリ姉と同じ様に仲の良い友人だ。彼女は牛ベースの獣人で身長は170cmくらいかしら。おっとり系なんだけど凄く妖艶な魅力があるのよね。けっこうムッチリした体つきだし。でもそんな見た目と裏腹にかなり腹黒い。色んな人の弱みを握っているらしく、糞豚もその中の一匹だ。


「あ~ごめん、私のせいなんだ。イラっときてつい殺っちゃった。放置しとくのもあれだから連れてきたの。」

「え!?一応聞くけど死んでないわよね…」

「もう、流石にそこまでしないわよ。気絶してるだけなんだから。」

「そうよ、アンはミルと違ってそこまで黒くないわよ。」

「いや~だってゴリ姉も一緒にいるからさ、ゴリ姉なら一発で逝っちゃいそうじゃない。」

「まぁ…そうね、否定はしないわ。」

「フフッ、それよりミル、この豚肉その辺に置いとけばいいかしら?」

「ええ、その辺に転がしとけば平気よ。目が覚めてここが保険室だって分かったら何も言わず去るでしょうね。アンにもきっと追求してこないわよ。」

「ミル…あんたいったいこの豚に何したの?」

 ゴリ姉の言う通りだ。何したんだ?

「…ちょっとね。大したことじゃないわよ。ただちょっとこの豚がこの街で生き辛くなるだけよ。」

 ミルさん怖すぎ。実際本当に頼りになるのはミルかもしれないな。

「本当にあんたって子は恐ろしいわ。よくそんなことできるわよね。」

 確かに、下手したら自分が危ない。でもゴリ姉の言ったのは、どうやったのか?って意味かな。

「ホント、友達で良かったわよ。敵にまわしたくない人ナンバーワンよ。」

「ウフッ、褒めてくれて嬉しいわ。あっ、それより二人ともお昼は食べた?」

「いいえ、まだよ。アンもそうでしょう?」

「ええ、そうねお腹空いたわね。」

「じゃあ良かった!3人でランチでも食べに行かない?」

「「さんせー!」」




 お昼のランチで今度連休に3人で遺跡に行くことにした。皆最近あまり体を動かせていなかったのでうれしそうだった。私も今から連休が楽しみになった。


 そんな訳で午後からは気分良く過ごせた一日だった。





 アン・クローアリ(21)♀[種族]蟻人

  HP  :D(1103)

  MP  :D(1091)

  力  :D+(116)

  魔力 :E(68)

 物理耐性:D(99)

 魔術耐性:E(80)

  技  :B(167)

  敏捷 :D(111)

  運  :E(83)

 [魔術]土魔法:E

 [武術]剣:A-

 [スキル]働き者 空間把握:D 連続攻撃:B カウンター:D


※スキルについて

 働き者:働いているとき運値が上昇。忙しいほど高くなる。


 空間把握:自分の周囲の空間の形状を把握する。Gランクで周囲1m程。一つランクが上がると1m増える。触角を持つ者に多く現れるスキル。


 連続攻撃:相手に反撃されずに2回以上攻撃行動をとると、相手が攻撃行動を開始するまで徐々に攻撃の威力と俊敏が上がっていく。ランクが上がると能力の上昇率があがる。


 カウンター:相手が自分に対して攻撃行動をとっている間、相手に対しての攻撃の威力と俊敏が上がる。ランクが上がると主に俊敏の上昇値が高くなる。


ちょっと腹黒いアン先生でした。

遺跡にはモンスターがいます。アン先生は歴史が好きなので遺跡探検は割と好きです。

てか、アン先生めちゃめちゃ強いです。四刀流なのでスキルとの相性が良いです。



次回はアリス・ポチョムキンの学園初日です。

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