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少年クロの、冒険と人外娘。  作者: 狂字乱文
3/9

第2話 学生クロと、学園初日と人外娘。ときどき変態。

この世界は日付や曜日、1日24時間といった所はこっちの世界と一緒です。その他にもこっちの世界と一緒の所があったりします。「オイ、ファンタジーじゃねぇじゃねぇか!◯ね!」と思う方もいるかもしれませんが、知ったこっちゃねぇです。ご都合主義ってやつですね。べ、別に考えるのが面倒だった訳じゃないんだからねっ!






 今回は“クロ視点”です。


 第2話、笑って頂けたら幸いです。

   人外娘!(゜∀゜)人外娘!(*´Д`*)

 俺は今サンディーバ学園の校門前で自分の名前を探している。校門前に張られた紙でクラスと出席番号を確認する為だ。今の格好は学園指定の制服で、制服は下は黒と灰色の中間色のズボン(女子はスカート)、上はダークブルーのフード付きのローブだ。ズボンとローブさえ着てれば良く、後はなんでも良いらしい。「お、あった。」俺のクラスは3組、出席番号8番だった。



 誘導の係員に従い入学式の会場を目指し歩く。それにしてもこの学園はでかい。校舎もでかいが敷地もでかかった。校舎は昔からある城を丸ごと使って出来ていた。レンガ造りの建物で長くそこにあったせいかレンガが少し風化しおり、薄暗い茶色をしている。だがそれがまた迫力を際立たせていた。


 5分と歩かない間に入学式の会場に着いた。入り口に体育館と書かれているその会場は、校舎とは別の建物で明るい赤色のレンガで出来ていた。中に入ると奥行き100mほどありそうな広い空間が広がっており、背もたれの無いイスが並べられていた。そこでまた、誘導の係員に従って自分のクラスの場所に着く。



 あんまりクラスの人来てないなぁ。え~と俺は8番だから、1、2、3……この席か。隣の二人はまだ来てないのか。とりあえず静かに座っとくか。



「え~っと僕の席は……ここかな。」

 俺の隣に特に特徴の無いthe普通過ぎる男子が座る。「あ、あのー。」そう言ってなんか影の薄いフツメンが話かけてきた。

「僕、モーブルって言うんだ。宜しくね。」

 勝手に自己紹介を始めた。

「あぁ、俺はクロ。宜しくなモブ男。」

「えっ…僕モーブルだよクロ君。」

「あぁ、宜しくなモブ男。」

「あぁ、分かった!あだ名だねクロ君。嬉しいなぁ、あだ名で呼ばれるなんて初めてだよ。僕ってあだ名以前に名前を覚えてもらえないんだよねぇ。そんなにモーブルって覚えずらいかな?」

 いや、モーブル自体は覚えやすいぞ。それはたぶん他の奴らがお前の名前を覚える気がないからだぞ。からかってモブ男って言ったのに喜んでやがるし。凄いぞモブ男!

「そんなことないぞ。モブ男。」

「うん、そうだよねっ。へへっ。」

 うわ、モブ男って呼んだだけでめっちゃニヤついてるよ。面白いけど、ちょっとキモい。


 そんなこんなでモブ男が一方的に話しかけてくる間に入学式が始まった。校長がエルフとは思えないデブハゲ油豚親父だったことと、生徒会長が美人だったことぐらいしか目立ったことはなかった。

 後で生徒会長が油豚の孫だと聞いて、あまりの驚きに顎がはずれた。





 俺達は入学式の後、担任の教師に教室まで連れられて席に着く。

 あ、ちなみにこのクラスは30人いて、1年生は8組まである。席は横6×縦5で並んでいる。席順は左前から後ろに名前のアイウエオ順だ。


「え~皆さん、こんにちは。私は今日からこの1年3組の担任になりました、アン・クローアリです。アン先生って呼んでくださいねっ。あと、見て分かると思うんですが、私は蟻人と言う種族です。担当教科は歴史です。まだ教師になって三年目なので、至らぬ点が多々あると思いますが1年間宜しくお願いします。」パチパチパチパチ


 あぁ、アン先生かわえぇ。蟻人って初めて見たけど大して人間と変わらないなぁ。

 スカートから見える足は黒くて、腕も同じように真っ黒だ。だけどその腕は4本ある。足は普通の人間と変わりないが、腕は若干細いように見える。首から顔の輪郭をなぞるようにして耳の辺りまでも黒くなっていた。顔は人間と肌をしていた。顔は整っていて優しそうな美人さんだ。癒し系だ!目は白目の部分が黒くなっていて、おでこの生え際のあたりから2本の触覚が生えている。髪はクリーム色でショートカットだ。髪の色がまた先生の雰囲気とマッチしてナイスだ。癒し系だ!身長は俺より頭一つ分ほど下だろう。胸は…Cカップか、Dカップぐらいだろう。そしておそらくそこも人間と同じ様な肌、しかし乳首はないんだろうな。卵生だからな…でも癒し系だ!


 …あぁ、あの4本の手で優しく「よしよし。」って撫でられてぇ。ついでにいろんなとこよしよしされちゃったりして…うへへ……

「あぁ、あの4本の手で撫でられてぇ…グヘッ…。」

 やばい!つい心の声が!…とか思ったけど言ったのは右隣の奴だった。コイツはよく分かってる。だが、妄想を口に出すなんてただの変態だ。俺は紳士なのでそんなことはしない。てか、えー、コイツよだれ垂らしてるよぉ。

 



「はい、それではまず皆さんに自己紹介をしてもらいます。話すことは、名前と種族、好きなことだったり趣味などを話したてくださいね。それでは早速出席番号1番からお願いします。」


 あー俺番号若いから早めに考えとかないとなぁ。




「じゃあ次3番の人~。」ガタッ

 俺の左隣の子が教壇に立つ。


「あたしの名前はアリス・ポチョムキンです!種族はローレライで、好きなことは歌うことと食べることです。みんな、よろしくねっ。」パチパチパチパチ


 元気だなー。「グフッ…よろしくね~。」うわ~隣の奴キモイなぁー。左隣のアリスって子はめっちゃ可愛いのに…。

 アリスって子はローレライか珍しいな、確か…人魚に似た種族で自由に人型になったり人魚みたいになったりできるんだよな。

 それにしても肌が白かったな、あれは病的な白さだな。でも顔はお人形さんみたいで、スッとした鼻筋にパッチリ二重の青い目、薄い唇がその白い肌でより一層赤く見えた。髪は薄いピンク色で少し癖のある髪だったな。肩に付くぐらいのセミロングで所々外側に跳ねていた。身長は俺より少し低いぐらいだろう、胸はそんなに無かったけど全体的にほっそりした身体はモデル体型といった感じだ。

 

 …あぁ、放課後の夕日に染まった校舎裏で、あの白い頬を夕日に負けないくらい真っ赤に染めて「好きです!付き合って下さい!」って言われてぇー。そんでもって返事の代わりにキスしたら、茹でダコみたいに真っ赤になったりして…うへへ…

「あぁ、アリスちゃんの恥じらいで真っ赤に染めた顔が見てみたい…グヘッ…。」

 やばい!つい心の声が!…と思ったけどやっぱり右隣の奴だった。つーかお前が顔真っ赤にしてんじゃねーか。しかもまたよだれ垂らしてるし。紳士な俺とは大違いだな。いや、でも案外俺と気が合うかもしれない。…なんか悲しくなってきた。





「じゃあ次7番の人~。」ガタッ


 お、この次は俺か。「僕の名前はモーブル・ムラビトエーです。」ん?モーブル?どっかで聞いた名前だな。…あぁ、思いだした。あの顔のパーツが一つも印象に残らない様な顔はモブ男だ。俺の前の席だったのか…全然気づかなかった。完全に背景と同化してるなんて…流石モブ男だ!…あ、モブ男の奴自己紹介終わっても先生にしか拍手してもらえなくて涙目になってる。あぁ、アン先生優しいな、素敵だな。



「じゃあ次8番の人~。」ガタッ

 よし、俺の番だ。第一印象は大事だからな。まぁ、ここは無難に普通の自己紹介をするべきだな。


「えー、名前はクロ・ノワーレで、種族は人間です。産まれてからずっとノコノコ村に住んでました。つい先日来たばかりで、流行りのものとか、場所とか知らないんでよかったら教えて下さい。1年間宜しくお願いします。」パチパチパチパチ


 ふぅ、まぁあんまり緊張もせずにちゃんと出来たな。後はちゃんとクラスメートの名前と顔をしっかり覚えとこう。








「じゃあ次13番の人~。」ガタッ


 お、ついに右隣の奴の番だ。あいつ気持ち悪い欲望に歪んだ顔してたからな、初っぱなっから皆に引かれるだろうな。


「オレ様の名前はサブロー・ライオネルだ。種族は獣人、ライオンがベースだ。」


 え、うそ!?なんか顔つきがさっきまでと全く違うんですけど。なんか凛々しい顔してるんですけど。ちょっとイケメンでムカつくんですけど。

 背は俺と同じぐらいで良い体格してる。髪色は金髪で所々茶色い。髪型は実験に失敗した博士みたいにチリチリで逆立っていてる。でもなんかそれが似合ってる。「オレ様は女が好きだ。」え?いや、うん…突然キメ顔で言っても皆引いてるぞ。「あと昼寝も好きだ。」先にそれ言えよ!というかそれだけで十分だよ!「それともう一つ、オレ様には夢があるんだ。皆聞いてくれ…」お?夢があるのか。案外しっかりした夢持ってるちゃんとした奴だったりして。





「オレ様の……




     オレ様の夢は…






    ハーレム王になることだ!!!!!!!!!


 だから皆もオレ様の夢を叶える為に協力してくれ!


  特に女子…あ!勿論アン先生も協力して下さい。


          ……グヘッ………………………」シーン



 うわ~ドヤ顔で凄いこと言ってるよサブロー君。しかも結局最後キモイ顔になっちゃったし。うわ、何満足そうな顔して戻って来てんだよ、大失敗だぞ。これはギャグにしてはキモすぎる。笑えない。ていうか恐らく、いや絶対に心からそう思っているんだろう。アン先生にさえ引かれてるし。あ、でもアン先生見たら癒やされた。アン先生は心のオアシスだな。






「じゃあ次15番の人~。」ガタッ


 あれ?あの顔ってもしかして…

「私の名前はユメ・サクラギです。」


 絶対そうだ、ユメって名前であの金色の一つ目に黒髪は何年か前に森で会った子だ。

 身長は恐らく160cm前後。胸はアン先生よりちょっと大きそうだからDかEぐらいか?なかなか良い身体付きをしてる。肌はやや色白だ。顔には小さめの鼻にぷっくりしたピンクの唇。そしてなんと言ってもあの一つ目だ。金色の大きな瞳にクリッとした二重の目は人より二周りは大きく、潤みを帯びていて綺麗だ。おでこの生え際から二本の、肌と同じ色の角が生えている。髪は艶のある黒髪ストレートで肩まで伸びたセミロングだ。それにしてもこんなに美人だったっけ?まぁ目と髪ぐらいしか印象にのこってないしな。あ、目が合った。

「目が一つしかないんですが、種族は鬼人です。趣味はガーデニングです。1年間宜しくお願いします。」パチパチパチパチ

 あ、また目が合った。あれ?もしかして向こうも俺のこと覚えてたのか?だとしたら嬉しいな。きっと俺は良い印象で記憶に残ってるだろうし。もしかしたら良い関係になれちゃったりして。


 …あぁ、もしかしたら家にお呼ばれしちゃったりして…そんでもって誰も居ない家の中、見つめ合ってそのまま…うへへ…

 …いや、待てよ。確かあいつのじっちゃんはあの恐ろしいサイクロプスだ。もしそんなことをしてるのがバレたら殺されるかもしれない!…やっぱ普通の友達でいいや。

「あぁ、一緒にガーデニングしたい…グヘッ…。」

 サブ、お前の頭は既にお花畑だな。






「じゃあ、最後に30番の人~」ガタッ


 お、やっとラストか。


 お~、すげーナイスバディだな。肌は褐色で身長は俺より少し高いかも。スカートからチラリと覗くムッチリした太ももが超エロい。そんでもってかなりの巨乳だな。Fは絶対いってるね。

 あのペコリと垂れたケモ耳はウサギがベースの獣人だろう。でもなんで触覚が生えてるんだ?そういうファッション?あと鎖骨より上の首の根元の辺りに白いフサフサした毛が生えてる。顔は少し堀の深い顔だな。目は瞳が赤く二重で、半開きの様に見える。一見やる気が無さそうに見えるが、キリリとした細い眉でクールに見える。鼻は高く、引き締まっている様でふっくらしたワインレッドの唇は色っぽい。髪は白く、ポニーテールにしている。グラマラスなプロポーションにあの顔立ちはまさにクールビューティーって感じだな。


「ルナ・ローズ、獣人。好きな食べ物は蜂蜜と人参。1年間よろしく。」パチパチパチパチ


 なんというか、見た目通りクールだな。やる気無い様にも見えるけど。

「ハイ!なんでルナピョンは触覚が生えてるんですか?」

 うわ、勇気あるなサブ。てか、ピョンって何だよ、キメ顔で言ってもキモいって。あとよだれ拭けよ。


「あ~、父が獣人で母は蜂人なんだ。それで獣人として産まれたのに何でか知らんが触覚と羽だけ遺伝したんだ。」


 へぇー。獣人なら獣人で触覚なんて生えない筈なのにな。両親のどっちかの種族で産まれるか両方が混じった違う種族になるのに。あの特徴で混じった種族じゃないのは珍しいな。普通どっちかの種族で生まれたらその種族としての身体的特徴を持つんだけどな。受け継ぐとしてもスキルとか魔術武術の才能、あとは瞳の色とか毛の色とかで種族としての特徴を変える様なことは無いと思ってたんだけどな。こんなこともあるんだな。



「はい、皆さん良い自己紹介でしたね。それではこの後は学校の中を実際見て歩きながら説明して、お昼頃には放課となります。では、早速行くので廊下に出て下さい。」









 こんな感じで学園1日目は終了した。

 学園内は迷子になりそうなぐらい広かった。図書館と食堂はかなりデカかったな。後は特に目立つ様な所は無かったが、全体的に掃除の行き届いた綺麗な校舎だったな。

アン・クローアリ(24)♀[種族]蟻人

身長:163cm 顔:B バスト:Cカップ


 趣味は読書で、生徒からはアン先生と呼ばれる人気者の先生。働き者で職場からの評価も高い。4本の腕を使った四刀流の剣裁きは恐ろしく強いとか、陰ではそんな噂が流れている。怒ると怖い。クロの心のオアシス。


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