プロローグ
それなりに頑張りますが、
処女作なので温かい目でみてやって下さい。
割と適当にゆるーくやっていくんで更新は不定期です。でも絶対完結はさせようと思ってます。最低でも月3回以上、出来れば週1、2回以上は投稿していきたいです。
この作品を読んで楽しんで頂けたら幸いです。
「つまんねー」
俺は、一人で木漏れ日のなかを歩いていた。
その日は村のいつもの森じゃなくて街の近くの森だった。せっかく街まで来て久しぶりにじっちゃんの家に来たのに、皆、じっちゃんの家の修理。つまらないから一人で森まで遊びに来たのだ。
でも、一人でいても楽しくない。「なんか無いかなぁ」そんなこと言いながら木登りしてたら、遠くにいくつかの人影が見えた。すぐさま走って見に行くと子供が何人か見えて来て、ラッキー!一緒に遊べるぜ!そう思ったいたら…
「や~い、一つ目おんなぁ」
「きもちわりぃ~」
「こいつ悪魔じゃねぇの」
「よし、なら退治してやる、オラッ!」
俺の目に写ったのは4人の男子が一人の女の子に向かって石を投げているところだった。呆気にとられて見ていると、「キャッ!」っといって石が女の子の肩に当たってしまう。ハッとして、「オイ!なにやってんだ!止めろ!」と叫びながら駆け出していた。「なんだあいつ?」「こいつの仲間じゃね」「それじゃあいつも悪魔か!」「退治だ退治だ!」そして4対1のケンカが始まった…
「くそっ、覚えてろ悪魔ども」
俺は擦り傷だらけの身体で大の字に寝そべり聞いていた。
「おい、おまえずっと泣いてるけど大丈夫か?」
「うっ…ぐすっ…」
俺は立ち上がって女の子の近くまで行った。うつむいているその子の顔は、黒く肩までとどきそうな長さの髪が隠していた。
「ケガでもしたか?痛いのか?あいつらならもうどっか行ったぞ。もう大丈夫だぞ。」
そう言って俺は肩に触れた。すると女の子は一瞬ビクッとして顔を上げると目が合った。
ことばが出てこなかった、あまりにも驚いて。さっきまで少しも気づかなかった。女の子の顔には目がひとつしかなかったのだ。その目は本来ある二つの中央より少し上にあり、普通より一回りか二回りほど大きな目玉で、パッチリした二重だった。そしてその瞳の美しさに目を奪われた。その瞳は、透き通った、けれども確かに光の宿った金色だった。今にも泪がこぼれそうになっている潤んだ目の中で、宝石の様な輝きを持つそれがこっちをじっと見つめている。俺はまるで吸いこれていく様にその瞳に魅入っていた。
「あ、あのっ近い、です…。」
「ハッ、あ、ごめん。つい目が。」
「うっ…そうだよね……ぐすっ…きもちっ…わるい…よね……うぅぅ…ぐすっ」
「ち、違う、違うよ。おまえの目がすっっごく綺麗で…」
「ぐすっ………ホント?」
「あぁホントだって。こんなに綺麗な目、初めて見た!」
「ぅ…うわーーーん」
「え!?…ちょっとなんで泣くの?どっか痛くなったか?お…おい声上げるほどなのか?」
女の子は声を上げて泣きだしてしまった。もしかしたらなにかマズい言っちゃったか?やっぱ目のことは禁句だったか?そう思い俺は焦る。すると突然、ドス、ドス、といった音が段々大きく響いてきた。なんだ?と思っていると…
「ユメーー!!どこじゃーい!!」
「あっ…おじいちゃんだ」
今度は急に泣き止んだとおもったらこいつのじっちゃんが来た。助かったぁ泣き止んでもくれたし良かった、と安堵したのも束の間…
「あれがおまえのじっちゃんかぁ、でっかいなぁ……ってサイクロプスかよ!!」
ドス、ドス、と音を鳴らして走って来たのはオーガと呼ばれる角の生えた人型の種の中で、目がひとつで身体の大きい種族”サイクロプス“だった。
「お~ユメェこんなところにいたのか、っ!どうしたユメ!泣いておるのか!?」
「ぐすっ…なんでもないよ…」
「なんでもない訳ないじゃろぉに。…ん?なんだこの小僧は、まさか小僧がやったのか!」
このサイクロプスは孫を泣かせたのが俺だと疑って射抜くような目で俺を睨んできた。あまりにも怖くて、否定したくても舌が思うように動かせない。変な汗が噴き出してきて、心臓のバクバクした音が耳まで響いてくる。
「ち、違うのおじいちゃん」
「ワシはこの小僧に聞いてるんじゃい。ユメは少し黙ってなさい。で、どうなんだ小僧!」
「ち………ちが………」
「あぁ?なんだ?何も言わねぇしそんなに焦ってるんなら、やっぱり小僧がうちのかわいいユメを泣かせたんだな!ただじゃ済ませねぇぞ…このガキッ!」
(嘘だろ!)
「ギャーーーーーーー!!!!」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「っはぁ、はぁ…………ひどい夢だった……」
(懐かしい夢をみたな、たしか6年も前だったな。春から街で暮らすからこんな夢みたのか?)トントン
「クロ!起きなさい!いつまで寝てんの!」
「はいはい、起きてるよかあちゃん。」
クロと呼ばれた少年はうるさそうにしてボサボサになった黒に近い焦げ茶色の頭をわしゃわしゃと掻きながらベットから起き上がる。カーテンを開けて朝日を浴びるといつもよりもはっきりと意識が覚醒する。
(明日からはしばらくこの部屋にも帰ってこないのか…)
そんなことを思いながらクロは産まれてからずっと使ってきた部屋を見渡し、シチューのいいにおいが鼻をくすぶり部屋を出る。
さて、この物語の主人公である“クロ・ノワーレ”(15才)はここ、ノコノコ村から山をひとつ越えたところにある街“サンディーバ”に今日旅立つ。春から街にある学校“国立サンディーバ学園”に通う為。そう、クロは春からサンディーバ学園1年生だ!