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それから~朝
その後、目を醒ました少女はアリスによって「サラ」と言う名がつけられた。
サラはアリスや他の皆が見る限り、ずっと笑っていない。
どころか、怒っても、泣いてもいないの。
はあ、とため息をつく。
そこに視線がひとつ、感じられた。
ん、と思って下を見る。
サラだった。
まるで、「どうかしたの?」と視線で問うてきているようだ。
この子は、人の気持ちの動きに一倍、敏感だから。
それに微笑しながら、返す。
「ううん、何とも無いの。気にしないで。ほら、サラ。あんたは今日から小学校、でしょ?? 支度しなさい」
サラはちいさくこくん、とうなずいて支度をし始めた。
このまま、小学校に行かせていいものか…というのは心配ない。
ここの子供たちが通う学校は、義務教育まではこの院と併設されている学校だからだ。
行ってきまーす、と言う声にいってらっしゃい、気をつけてね、と返事をし、私は子供皆の服を洗い始めた。