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プロローグ
とある場所でーーーーー
「なんで!!! なんで私の子供が…っ、いやぁぁぁぁっ!!!!」
「落ち着けよ、サラ…っ」
二人の夫婦が崩れ落ちていた。
その目の前には老人と、その腕に抱かれたいたいけな幼い少女。
その中の皆が皆、背中に翼を生やしている。
夫婦と老人のそれは純白だが、少女のそれだけは眩いほどの黄金だった。
「こやつは、天使としてあるまじき失態を、天使は人間にそうと知られてはならないという最大の禁忌をっ…、破ったんじゃぞ!!!」
「でもっ、その子はっ…、その子は、まだ5歳なのよ!!!! そんなのっ、そんなことも分からないままに…! あんまりだわ!!! その子が…可哀想すぎる!!!!」
そこで老人がいやらしい笑いをこぼす。決してそれと分からないように。
「おぬしがいくらここでわめいても結果は変わらんぞ。せいぜい己の子供の不運を恨むんじゃな。」
「そんな…嘘、嘘よ…。」
その日、黄金の羽根が天空に舞った。