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7/28 あれれ〜?


とにあ様の水着コンとリンク中です〜






「…………」


 美女コン会場控え室。


 色とりどりの水着を纏った美女達が、自身の出番を待っていたり、出番を終えて一息ついたりしている中。


 空は一人、パタパタと動き回っていた。


 いくらか夏の日差しが遮られている場所とはいえ、夏はやはり暑いワケで、そうなると適度な水分補給は必須項目であるワケで。


 元々接客業をしており、ここには〈お手伝い〉として来ているのだからそれが苦である筈はなく、むしろ女の子ばかりの為楽しいとさえ思っているのだが……


(……皆、凄いなぁ……)


 スポーツドリンクの入ったコップを各々渡しながら、若干恥ずかし気に頬を染めつつ、空は苦笑する。


(……私には、きっと無理……)


 ちらり、視線を走らせつつ、そう思う。


 夏なのだし、それは至極当たり前で、今いる此所は水着美女コンテストの会場なのだから、当然といえば当然なのだが。


(……うぅ、やっぱりちょっと、恥ずかしいよぅ……)


 見ていた方から視線を離し、一人テレる空。

 空が見ていた方向には、出場者である水着を着た美女達がいた。


 それも、布面積の少ないビキニを着た美女達が。


 白、黒、赤、水色、黄色……色の種類は色々あれど、空は別に色に注視していた訳ではない。


 面積が少ないビキニを身につけている、というその一点が、意識しないようにしていてもついつい、目で追ってしまっている理由である。


 自分には恥ずかしくてとても出来そうにないが、恥ずかし気もなく堂々と、そのボディラインを晒せる度胸を、羨ましくも思いながら。


 各所を巡り、もっときわどい水着を着ている人を見たこともあるが、場所のせいか熱気のせいか、なんだかドキドキしてしまう。


(……そっそういえば、果穂先生が小梅先生が体調不良で、自宅療養中って言ってたっけ……)


 ドキドキを紛らわす為、先程果穂先生と話した事を思い出す。

 小梅先生も出場すると言っていたハズだが見当たらなかったので、ドリンクを配りに行った際に訊ねたのだ。

 小梅先生のお見舞いに行けるといいな、と空が思っていると。


 ステージの方がにわかに騒がしくなり、町長さんの秘書さんが満全の笑みを浮かべている果穂先生に、更衣室へと連れられて行くのが見え、猫耳執事ノワールが、猫を抱いた黒髪の女性に何事か告げている。


「熱が出たらやめましょうって約束でしたよね?」


 ノワールのその言葉に、しゅんとした顔をする女性。

 出場者だったようだが、どうやら体調が優れないらしい。


「大丈夫ですか? どうぞ、座ってください」


 折り畳み式パイプ椅子を持っていって広げ、勧める空。


「え? あ、ありがとうございます」


 いきなり声をかけたからか少し驚いたようだったが、その女性はにこりと微笑むと礼を述べてちょこんと、その椅子に腰掛けた。


「あと、よかったらこれ羽織っててください。身体冷やすといけないだろうし」

「えっと、あの」


 と、着ていたパーカーを脱ぎ、その白い肩にかけてあげる。


「それと、これもどうぞ。あんまり冷やしてないのだから、身体に負担はかからないと思いますよ?」


 若干戸惑い気味のその女性――柊子さんというらしい――に、空がスポーツドリンクの入ったコップを差し出す。


 小梅先生の事を考えていた事もあり、具合の悪そうな彼女を見て、ついつい世話を焼いてしまった事にはたと気付き、空は頬を染めて慌てる。


「あっ、すみません、いきなりっ」

「お気遣いありがとうございます。頂きます」


 しかし、それを特に害した風もなく、にこりと微笑みスポーツドリンクの入ったコップを受け取る柊子さん。

 それがなんだか気恥ずかしくて、空が微苦笑を返すと、


「な――」

「ひゃっ!?」


 柊子さんの膝の上からした、突然の声に驚く。


「だめですよ、時雨さん」


 と、膝の上にいる黒猫ちゃんに声をかける柊子さんにつられて膝の上を見ると、確かに黒猫が一匹座っていた。

 前足の先だけ白いその猫に、なんだか見覚えがあるような気がして、空は声を上げる。


「びっくりしたぁ。猫ちゃんだったんだ。――って、あれ? もしかして、手袋ちゃん?」

「なっ」


 そう、なのか違う、なのか。わからない返事をくれる猫ちゃんを撫で、


「今は、時雨さんというんです」


 にっこりして、柊子さんが教えてくれた。


「そうなんですね。よかったね、手袋ちゃ……じゃなかった、時雨ちゃん。こんな素敵な人に拾ってもらえて」

「な――♪」


 その鳴き声がなんだか嬉しそうで、二人してにっこりと笑い合う。



「そういえば、空さんも出場されるのですか?」

「えっ? 違いますよ。此所には〈お手伝い〉に来ただけで……」

「でも、水着着てられますよね?」

「あ。えっとこれは……」


 コンテストにあやかろうというお店の趣旨で……、と空が柊子さんに説明しようとした所で。


「さてお次の美女は夏限定海の家。ARIKAの歌姫。空姫である」


 と、ステージの方からカラスマントのそんな声が聞こえ。


「えぇっ!?」


 驚いた声を上げ、ちょっとすみません、と柊子さんに断って、空はパタパタとステージの方に駆けていく。すると、丁度エスコートにとやって来たノワールに、すっとその手を差しのべられる。

 それに若干戸惑いつつ、囁く。


「……えぇっと……、此所には〈お手伝い〉で、って……」


 それに、ノワールはさらりと答えた。


「そうですよ? 事前に、海さんの許可は取ってありますから。――〈手伝って〉くれますよね?」


 その顔が、ゴーグル越しにもにっこりと、微笑んでいるのが見えて。


(……はうぅ〜〜っ)


 そんな、どこかおかしいとこあります? みたいなキラキラした笑顔を向けられて、空に断れる筈もなく。

 ノワールに手を引かれ、ステージへと足を進めることとなったのだった。



 あれれ〜?



断れない空(笑)

あれ? なんかノワールが黒いですね…?(苦笑)


とにあ様のURONA・あ・らかると、水着コンより

カラスマント、ノワール、柊子さん、時雨ちゃんお借りしてます


YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌より

お名前だけですが、果穂先生、小梅先生お借りしてます


おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ



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