12/7 アリバイはきっちりと
とにあ様のURONA・あ・らかると 12/7 手紙をかこう3から12/7 鎮君の私室
一部リンク、合間話です
「安心しな。バッチリ届けてやっからよ! 鈴音の出来たら、一緒に持って来いよ」
『うん! ありがとーおにーちゃんっ』
ぽふっと頭を撫でながら言うと、にっこり笑って声を上げるみあとのあ。
芹香が鈴音をテーブルに導き、みあのあがきゃあきゃあ言いながら側に腰を下ろす。
うん、ガキは元気なのが一番だよなぁ〜
それを眺めていると、隆維涼維がこそこそと、鎮と空の後を追っていくのを目端に捉え。
……全く。こりねーヤツだなぁ、あいつは。
一つ息を吐きながら、連れ戻す為に後を追う。
同じ事を考えたらしい、渚と一緒に。
暫しいくと、ドアに張り付いていた隆維を発見するが。
声をかける前に勢い良くドアが開いて、ついでがつん、とすんげー音が響く。
それにぱたたっと駆け寄っていく渚。
その後ろを、笑いを噛み殺しながらついていく。
見事過ぎんのにも程があんぞっ。盗み聞き(そーゆーの)やるときゃ、それなりに気ー配んねーとダメなんだぜぇ?
しっかし、風邪っぴきは大人しくしてろってんだよ
やーれやれ、と肩を竦めていると、
「渚ちゃん、このバカ、よろしくしていい?」
との鎮の声がかかり、コクリと頷く渚。
その間、隆維は涼維に泣き付いてびーびー言ってる。
自業自得だぞぉ? お前
と思いながら、すっと側に立ってぺちりとはたく。
「よけーなことばっかやらかしてっから、なおんねーんじゃねーのか? ちったぁ大人しくしてろ」
「回復度と今回の行動の影響値は皆無だよぅ」
それにぼろぼろ泣きつつ言い訳する隆維。
はぁ。んなみっともなく泣くんじゃねぇよ
後はいーからいけよ、と手を振り、鎮にドアを閉めさせる。
暫くすると曲が聞こえ出した。
「…………隆維」
んべ、と舌を出している隆維をじぃ、と渚が見つめる。
「だってさ、気になるじゃん。渚ねぇもそう思わねー?」
それに、ため息して。
「…………確かにさっきの様子だと、ちょっと心配。……でも、隆維のおでこをなんとかする方が先」
「そうだよ隆維。すっごい音したし、渚ねぇの言う通りだよ」
ぽそりと渚が呟き、涼維が心配そうに隆維のおでこを見つめて言う。
「でもさぁ」
呟きながら、ちらり、ドアの方に視線を向ける隆維。
やーめとけよ、それこそ野暮ってモンだろぉ〜? と俺様は言おうとしたんだが、はぁ、とため息して渚が先に口を開いた。
「…………隆維体調良くないなら、大人しくしてなきゃダメ。鎮兄に任されたし、そっちが優先。……それに、アリバイはきっちりしとかなきゃだから」
……なんか、妙な言葉が紛れてんぞ?
え? という顔をする隆維涼維と、訝しげな視線を向ける俺様をスルーして、渚はドアの下部にそっと触れてから手を離し。
「…………曲かけてるし、直に聞くより〈超聴くん(自動飛行帰還型)〉で音、録ってから解析した方が、楽。それにこれなら隆維、大人しくおでこ処置させてくれる」
さらりととんでもない事を告げて、隆維の手を引き歩き出す渚。それに伴い、隆維の袖を掴んでいた涼維もつられて歩き出し。
「んー、それならまぁいいか」
「うん」
呟いて、素直に後をついていく二人。
……いいのか? それで
目を瞬きつつ呟いて、ちろっとドアの下部を見つめるが、黒いミリ単位の点があるようにしか見えねぇ。
まー、これならバレる心配ねぇかなぁ?
バレても、俺様が怒られる訳じゃねーし
連れ戻すんには成功したし、と呟いて俺様は三人の後を追った。
隆維を連れて歩く最中、ピピッとイヤーカフスに入電。
『渚?』
応対すると、聞こえてきたのは海姉の声。
ボソリと声を返す。
「…………海姉? なに?」
『いや、あのさ。あたしちょーっと先帰るわ。野暮用でさ。だから悪りぃんだけど、皆によろしく言っといてくれ。あ、あと隆維涼維にサンキュー、って伝えといてくれな。んじゃ』
「…………え、ちょ」
声を返す間もなくブツリ、唐突に断ち切られる。
「…………?」
海姉が唐突なのはいつもの事だけど……
それに首を傾げつつ、後ろの隆維涼維に声を投げる。
「…………海姉が、二人にサンキューって」
「ん? あぁ。アレな」
「なんかしたっけ?」
「さっきのー」
呟いて隆維がにっと笑う。
それに何かあった? と思いながらも、私は隆維のおでこを処置する為、足を進るのだった。
たぶん、超聴くんは巧博士のお墨付きかなぁ、とか
取り合えず、隆維くんの処置が優先の渚でした
聞いちゃいけない事は即削除で、隆維の心配と映画行くみたい、としか伝えないハズ
とにあ様のURONA・あ・らかるとより、鎮くん、隆維くん、涼維くん、芹香ちゃん、みあちゃん、のあちゃん、鈴音ちゃん
お借りしております
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