4 初めての依頼
初依頼です。
正直、今のタクミ君だとゴブリン程度は余裕……あ、違った、採取依頼でした。
華麗に薬草を採取するタクミ君の勇姿をご覧下さい!
(本文中100文字以下)
受付嬢からラーナ草の情報を得ると、ギルドを出る。
目に付いた軽食屋でホットドッグを二つ頼み、公園のベンチでぱくつきながら、受けた依頼について考える。
初めての依頼、内容は西の森のゴブリン退治――じゃなかった、ラーナ草の採取。
西の森が遠ければ、日帰りは難しい。
そうなれば、当然食事の準備もするべきだったが、どうやら、オルグからは徒歩で3時間ほどらしい。
……走って行けば2時間くらいにまで短縮出来るかな?
行きはともかくとして、帰りはさすがに疲れてるだろうから、歩きになるだろう。
依頼達成には……うーん、「本命」も含め、1~2時間程度を見ておくか。
あっさりラーナ草が見つかる可能性もあるけど、なかなか見つからない可能性もあるからな。
と、なれば、行きに2時間、依頼達成に最大の2時間を見て、帰りに3時間。……合計7時間か。
現在時刻は午後12時。予想帰還時刻は午後7時。……まあ、夕食には間に合う、かな?
キャンプセットもあるし、最悪、野宿しても大丈夫だろう。
方針を決め、やがて食べ終えた俺は、水筒で喉を潤し、休憩がてらゆっくりとした歩調で商業区に向かう。
野営になったときに備えて、携帯食料の類を買っておくために。
門を守る衛兵にギルドカードを見せ、依頼のために西の森に向かうことを告げる。
俺のランクの低さを見た衛兵は、
「ラーナ草は森に入ってすぐのところにある。最近はゴブリンの大量発生が確認されているから、奥には行かないように」
と忠告してくれた。
いちおう、人目がある間は歩き、無くなった頃合いを見計らい、地面を駆ける。
道中は暇だったので、カタリナに話しかけてみた。
「そう言えば、カタリナがいることで、精霊魔術が使えるようになるんだっけ?」
『はい。――と申しましても、私は鋼の精霊ですから、出来る事も、鋼にまつわることに限られます』
「……刀の切れ味を上げたり、鎧の耐久力を上げたりとか?」
『はい、それも可能です。
その他には、鋼の槍を生み出し、任意の場所まで飛ばしたり、鋼の盾で敵の攻撃を防ぐことが出来ます。
――しかし、残念ながらタクミ様の精霊魔術は初級です。
鋼の槍は掌サイズ、鋼の盾も同じくらいの直径のものを生み出すのがせいぜいでしょう。
さらに、一度に創れるのは一つだけです』
「……なるほど。それで、槍を飛ばす速度はどれくらいだ? 盾を生み出す速度は?」
『槍の方は、おそらくは、タクミ様が全力で投げるよりも、多少早い程度でしょう。
盾は即座に生み出せますが、弓矢を弾く程度の効果しか期待出来ません』
「槍の方は、それはそれで使い出が有りそうだな。
盾は……今はあまり考えず、槍の方をメインで考えるか」
何せ、掌サイズじゃなぁ。
相手が弓矢で武装してきたら、その選択肢もあり、という程度で良いだろう。
『私もそれが良いと思います。あとは、鎧のDEFを一時的に上げる魔術ですね』
「なるほど。こないだ戦ったチーフは、武器補正ありで、今の俺のDEFを上回ってたから、いざというときは使おうか。
――それで、詠唱と起句はどうなってるんだ?」
『精霊魔術は、詠唱を必要としません。
そもそも魔術における詠唱とは、大気に満ちるマナに対して、「こうして欲しい」と呼びかけることです。
精霊魔術は、契約した精霊がそれを代行しますから、詠唱が不要となります。
――もちろん、複数の精霊と契約を交わした場合は、慣れない内は、精霊の名を呼ぶ必要がありますが。
そして起句は、タクミ様が自由にお決め下さい。
Aと言う起句が宣言された場合はAという魔術を発動する、と私に教えて下されば、その通りにいたします』
「了解。……じゃあ、今のところ使える精霊魔術は4種類だから、4つの起句を考えればいいわけか」
『はい。ところでタクミ様、今回の依頼では精霊魔術をメインとして使用されるおつもりでしょうか?』
「そうだよ。ゴブリンの平均レベル次第だけど、試練の森と同程度なら、それでなんとかなりそうだから。
――ああ、それなら、称号を変えておいた方がいいか」
返事の途中でカタリナの発言の意図を悟り、俺はステータスを操作して、称号を『エルミナの寵児』に変える。
今回は精霊魔術メインの予定だから、詠唱省略の恩恵はあまり意味が無いけど、消費MP半減は大きい。
……しかし、魔術メインだったら喉から手が出る称号だな。
まあ、エルミナが全力で支援したいと思わないと得られない称号なんだろうし、そうそう得られるはずもないか。
『……タクミ様? 顔が赤くなっておりますが、そろそろ休憩した方がよろしいのでは?』
「い、いや、大丈夫。問題ないよ。
――ところで、『鋼精霊の祝福』ってのはカタリナの加護か?」
称号を得たときのやりとりを思い出していた俺は、慌てて話題を変える。
『いいえ。私のそれは「祝福」であって、「加護」ではありません』
「……何か違いがあるのか?」
そう訊くと、カタリナは簡単に説明してくれた。
まず加護だが、これは一定値以上の世界への影響力を持つ者を信仰することにより、さまざまな恩恵を得ることだ。
大抵は神を崇めることによって発生するが、『一定値以上』の条件を満たしさえすれば与えられるため、精霊の王である大精霊、竜族の長である竜神なども条件を満たす。
恩恵は与える者によって固定であり、選択は不可能。
祝福は、言うなれば加護の劣化版だが、対象を信仰する必要は無い。もっとも、こちらもかなりの影響力を必要とする。
与えられるのは、主に精霊。稀に、影響力の強いヒト――カリスマ性のある王族、崇められるほどの影響力を持った聖女など――も、祝福を与えられる資格を持つという。
カタリナは精霊の祝福についてしか知らなかったが、与える者が持つ属性を、受ける者の属性に上乗せする効果があるという。
たとえば、火の精霊であれば火属性を得て、自身の攻撃に上乗せしたり、あるいは、火属性の攻撃に対する耐性を取得できる。
鋼精霊の祝福は、宿った物に永続性を与える。今、カタリナは『打刀』に宿っているので、打刀は折れず、欠けず、砕けないという効果を得ている……のだが、元よりツカサによって聖別されているため、効果は無いそうだ。
となると、俺の受けている『加護』は、厳密には『祝福』と同じってことか。
祝福を与えているのが神だから、結果として加護になっている、みたいな。
一人納得し、頷いていると、カタリナが張り切った声を上げていた。
『今後、タクミ様が武器を換えられた際には、きっとお役に立って見せます!』
と勢い込んでいたけど……よく考えたら、『剣』が主流のラフィール大陸において、『刀』って結構特殊な武器だよな。
打刀から卒業できるのは、大分後の話になりそうだ。
さすがにきつくなってきたので、おしゃべりはそこで一旦止める。
そのまま走り続けると、森が視界に入る程度の場所にちょうど身を隠せる程度の岩があったので、その影で小休止した。
さすがに呼吸は乱れているが、疲れて戦えないほどではない。
時間を確認すると、午後2時30分を少し回ったところ。
出発したのが午後1時少し前だから、予定よりも早く辿り着いた。
呼吸を整えつつ、水筒で喉を潤す。
『結局、ここまで休憩無しで辿り着きましたね。疲労はどうでしょうか?』
「……んー……まあ、問題ないな。
銀熊戦だと1時間以上全力で動きまわってたし、それに比べれば余裕だよ」
『試練の森のガーディアンでしたか。そのときに打刀があれば、もっと楽だったでしょうね』
「そうだな。……あれ? 打刀はドロップ品じゃなかったから、もしかして、戦闘中でも入手できたのか?」
『……そうですね。……で、ですが、一撃が重くなると、それに頼って回避すべきところで回避出来なくなる可能性もあります。
強敵との長時間戦闘という、得がたい経験も得られたことですし、決して無駄ではありません!』
「……ま、そうだな。そう思っておくことにしよう。……カタリナ、フォローありがと」
『い、いえ! とんでもございません!』
そのまま10分ほど休む。
HPは自動回復の成果で、2分あれば十分に最大値にまで回復するけど、まあ、精神的な理由だな。
ついでとばかりに、精霊魔術の起句について考え、カタリナと相談し合う。
水筒とおやつ代わりの干し肉をリュックにしまい、森に向かって歩を進める。
視認出来る範囲では、ゴブリンの姿はない。
たまたまいないのか、あるいは森を拠点にしてからそれほど経っていないのか?
まあいずれにせよ、身を隠せる木々のある、森の中で戦闘になった方が、俺にとっては都合が良い。
【初級察知】で、視認外の気配もある程度分かるしな。
なんの障害もなく、森に入り込むことが出来た。
そのまま5分ほど歩くと、進行方向のやや右に、5つの気配が固まっているのが分かる。
木に身を隠しつつ視線を向けると、確かに5匹のゴブリンがおり、獣らしきモノを囲んで攻撃している。
どうやら、狩りの途中らしい。獣には悪いが、これはチャンスだ。
慎重に、5メートル以内にまで近づく。カタリナ曰く、これが射程距離の限界だそうだ。
「――【スピアー】」
小声で起句を呟くと、目の前の空中に、細く、小さな槍が現れる。
頼りない大きさだが、速度がそれなりに出る上、カタリナが補正してくれるから、射程距離内なら、命中率はほぼ100パーセント。
つまり、弱点を確実に狙える。
「【シュート】」
続く起句と共に、生み出された槍は、かなりの速度で直進し、俺が狙ったゴブリンの左目を貫き、反対側を突き抜けた。
脳を破壊されたゴブリンは、当然のことながら絶命する。
……うわ、これ、かなりの威力だわ。
姿の見えない襲撃者に混乱するゴブリン達を、一匹、また一匹と仕留めていく。
最後の一匹になって、ようやく俺の姿に気づいたようだけど、怒りにまかせて突進しようとする前に、鋼の槍に脳天を貫かれた。
確認すると、MPの消費は30。
単純に計算すると、あと8回同じことが出来る。
つまりは40匹か。
1匹当たりの消費MPは6。
おそらく、【スピアー】で3、【シュート】で3だろう。
乱戦にならない間は、これで少しずつ数を減らしていこう。
その後、何事もなく、同じ行程を8回繰り返した。どうやら5匹で1ユニットらしいな。
MPは、移動中でも少しは回復したようで、あと30くらい残っている。
途中、ラーナ草も見つけている。
ラーナ草は、先端が黄色くなった、10㎝ほどの長さの草だ。
他の草とは色合いが違うため、比較的見つけやすかった。
念のために【初級鑑定】し、間違いの無いことを確認している。
とりあえず依頼は達成したし、このまま帰っても良いんだけど……。
HPはまったく消費してないし、打刀の試し斬りもしてみたいしなぁ。
なんて思っていると、また気配を察知した。
……あれ? 数が15? ってことは、まさか……
ちらりと視線を向けると、緑の肌のポーンに加え、青い肌のチーフもいた。
チーフが持っているのは……試練の森で見たブロードソードよりも細身の剣だな。
【初級鑑定】してみる。
種族名 :ゴブリン・チーフ
分類 :魔物
LV :8
経験値 :1042/1335
状態 :健康
HP :174/174
MP :46/46
SP :98/98
ATK :60.2
DEF :33.8
……あれ? 演習の時よりレベルが低いな。そのかわり、お供の数が多いけど。
さて、どうしようか。戦うか、逃げるか。
まだこっちに気づいてないから、逃げるのならすぐにでも逃げられるだろう。
でも、最悪、逃亡中に別のグループに遭遇したら、気づいて追ってくる可能性があるな。
まあ、ここで戦闘しても、応援が来る可能性はあるんだけど。
戦うとすれば、MPの残量が心許ないな。
【スピアー】と【シュート】でお供は5匹減らせるけど、それでも9匹は残るわけだし。
さすがに、それだけの数の連続攻撃を全部躱して攻撃するのは難しい。
演習の時みたいに、【スリープ・クラウド】でも使うか?
――有効そうではあるな。
あの時よりも数は多いけど、その分、装備は良くなってるし。
ダガーを投げつける代わりに、【スピアー】を使えば、より効果的だろう。
よし、では早速――
――なんて思っていると、背後から、茂みが不自然に揺れる音が聞こえてきた。
慌てて木々の間に隠れ、後ろを窺う。
――6人ほどの冒険者風の一団が、こちらに向かって歩いてきている。
どこかで見たような顔だ。
記憶を辿ってみると、先頭に立つ2人は、昨晩宿で揉め事を起こした剣士と魔術師だった。
苛立った様子で、周囲に視線を向けている。
後ろの彼らは……たぶん、俺と一緒に講習を受けた新米かな? どことなく緊張した面持ちだ。
――はて。なんで彼らがここに?
疑問に思ったが、夕べの剣士のセリフを思い出し、納得した。
――つまり、抜けた穴を埋めるべく、彼らを勧誘したと言うことか。
ついでに、俺が掲示板に戻しておいた『ゴブリン討伐』の依頼を受けた、と。
経験者の剣士達が同行するってことで、受付嬢も何の問題も無いと判断した、と。
――まあ、それならそれで良いか、と思った。
一人ならそれなりに戦術を工夫する必要があるけど、6人もいるんだったら、さして苦労も無いだろう。
この場は彼らに任せて、さっさと帰るとするか。
そんなことを考えていると、先頭の二人がゴブリンの群れに気づいたらしい。
にやりと厭らしい笑みを浮かべ、剣士が背後の新米達に呼びかける。
「――おい。おまえたち、奴らをここまでおびき寄せてこい」
驚き、小声で抗議する新人達。だが、剣士は苛立った顔で怒鳴る。
「うるせぇ! 栄光ある『黒竜の牙』の見習いなら、その程度の任務、出来ないでどうする!」
――おいおい。こんなところでそんな大声上げたら……。
思わず驚いていると、案の定、と言うべきだな。
ゴブリン達が男に気付き、一斉に駆け寄ってくる。
剣士はにやりと笑う。
「ハッ、丁度良い! おびき寄せるまでも無かったぜ! ――ウェイン、魔術で援護を! 新米共、一人一匹は殺せよ!」
事ここにいたっては、否やも無いんだろう。魔術師はもちろん、新米達も頷くと、駆け寄るゴブリンを睨み付ける。
そして、彼らとゴブリンの群れの戦いが始まった。
新米達には1人につき2匹のゴブリンが張り付き、残りは剣士と魔術師へと分散する。
新米達は腰が退け、攻撃がほとんど当たらない。
対して、ゴブリンのダガーは少しずつ、だが着実に彼らのHPを削っていく。
魔術師に向かったのは4匹のゴブリン。
当初は距離を取りながら、魔術で攻撃を仕掛けていたが、どうしても詠唱の時間はロスになる。
魔術による攻撃も決定打にはならず、次第に押され始めていた。
剣士にはチーフと、残りのポーンが付いた。
見たところ、剣士の実力はチーフよりやや上だが、残りのポーンが要所要所で邪魔をして、攻撃も防御も上手く成功しない。
どうせ大したダメージは受けないんだから、ポーンの攻撃は無視し、チーフに集中する、あるいはポーンを先に片付ければ楽になるんだが……。
――黙って見てたら、この人達死ぬな。
冷静にそう判断し、俺は隠れていた木から躍り出て、【飛燕】発動。
近くにいた新米に貼りついていたポーンの首を次々と刈っていく。
突然現れた俺に驚きの視線を向ける新米達には構わず、続いて目指すは魔術師の元。
すでに接近され、魔術すら使えず攻撃を受けつづける魔術師。
駆け寄り、攻撃に集中しているゴブリン共の首をあっさりと刈っていく。
もう、ほとんど作業だな、と思いつつ、未だ苦戦を続ける剣士の元へと駆け寄り、ポーンを全滅させる。
「後は問題ないでしょ。じゃあ、俺はこれで」
そう言い残し、俺は彼らに背を向け、森の出口を目指した。
チーフは残しているけど、さすがに1対1なら負けないだろう。
手を出して、無駄にプライドを傷つけるのもどうかと思うし。
『……タクミ様。すでに彼らのプライドはずたずたになっていると思われますが……』
「……いや、さすがにそこまでは面倒見切れないし」
そう答えながら、考える。
パーティなんだから、多対多の戦いには慣れているはず。
今日は新人というお荷物を抱えていたとしても、いや、だからこそ、慎重に戦いを進めるべきだった。
にもかかわらず、大声で群れのすべてを一度に呼び寄せるなんて、無謀にも程がある。
それだけ自分に自信があったのかな?
ふと気がつき、一人呟く。
「……もしかして、俺がゴブリンを狩りまくってたから、彼らはチーフに挑まなければならなくなったとか、そういう落ちか?」
『……その可能性はありますね。
今日のところは新人を慣れさせるため、5匹から10匹のゴブリンを狩る予定だったのですが、いくら探してもゴブリンが見つからないので、やむなく奥地にまで入り込んだ、とか』
カタリナの言葉に、俺は頭を抱えそうになった。
窮地を助けたつもりだったけど、かえって恨まれる原因になったか?
「……まあ、いいや。過ぎたことを考えても仕方が無い」
『そ、そうですね。とにかく、これで討伐依頼を受けられるようになったわけですから』
カタリナのフォローで持ち直し、その後は何事も無く森を出る。
ポーチから、懐中時計を取り出す。
今の時刻は……午後3時40分。
あれ、結局1時間少ししかいなかったのか。
カタリナの勧めで、森に来たときと同じ場所で10分小休止すると、さほどの疲れも無かったので、帰りも走る。
街に着いたのは、午後5時50分。なんだ、5つめの鐘が鳴る前に帰ってこられたのか。
衛兵さんにカードを見せると、「途中で帰ってきたのか?」と苦笑された。でも、依頼のラーナ草を見せると、目を白黒させていた。
そういや、ギルドは何時までやってるのかな。
午後6時までだったら、今言っても無駄足になりそうだな。
……まあいいや、とりあえず行ってみよう。
着いたときには午後6時を少し回っていたが、まだ営業中のようだ。
中に入り、『依頼報告所』で依頼の達成を報告する。
残念ながら必要数の5本だけなので、大銅貨1枚の報酬だ。
ついでとばかりに、リュックからゴブリンの角を5つ取り出し、今後は討伐依頼も受注できるように手続きして貰う。
採取中に魔物と戦闘になることは珍しいことでは無いらしく、なんの疑いも無く受理された。
ついでに、『買い取り所』でポーンの角を換金する。
リュックの中にはかなりの数が残っているが、とりあえず10本分だけ。
ポーンの角が1本当たり銅貨10枚になったので、こちらは銀貨1枚。
半日の稼ぎが1万5千円か。
宿代が5千円だから、儲けは1万円。月に20日働くとして、20万円。
命を懸けた報酬としては、高いのか安いのか判断に迷うところだけど、とりあえず、今のところは生活していけそうだ。
帰りしな、こちらを見ていたシルファさんに気づいたので、とりあえず笑って手を振ってみる。
すると、向こうもにこりと微笑み、小さく手を振り替えしてくれた。
何となく良い気分になりながら、宿屋への帰り道を辿った。
フラグを立てつつも終了。
次回はちょっと時間を飛ばしつつ、立てたフラグの回収編です。
え、シルファさんとの恋愛フラグ?
……あると良いですねぇ(遠い目)
ちなみに、次回は書き溜め分からの投稿では無いため、少し遅れるかと思います。
※(9/20)誤字訂正
※(10/6)誤字訂正




