表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エタ  作者: ling-mei
21/21

第21話

エタは若草色の原っぱに眠っていた。家を出て、林を抜けたところにある、広い原っぱだ。手には、空っぽの小瓶が入っていた。一滴だけ、赤い液体が入っていた。エタは、それを日の光に透かしてみた。きらきらと輝いて、その液体はとても美しかった。

 身体を起こした。腕を見た。切りつけたはずの傷が、一つ残らず消えていた。肩の辺りに手をやった。切り落としたはずの赤毛が、腰のところで波打っているのがわかった。

 エタは自分のほっぺたに手をやった。温かかった。

「生きているわ」

 つぶやいた。確かに、生きている感覚があった。痛覚はなかったが、生きていることをしっかりと確認した。


 エタは原っぱを抜けた。林の匂いが甘かった。

 家に戻ると、窓から誰かが見えた。エタは、急いで扉を開けて中を見た。

「おかえり」

 懐かしい声がした。

「ただいま」

 エタは小さな声で言った。優しい手が、エタの髪に触れた。

「こんなにだらしなくして。 こっちにいらっしゃい。 お母さんが結ってあげるわ」

 確かにお母さんだった。エタは、信じられずに何度もほっぺたをつねった。お母さんは、鏡の前に座ると、エタに手招きをした。エタは、黙ってその前に座った。

「きれいな髪の毛ね。 11歳の誕生日には、髪飾りを買ってあげましょうね」

 エタは、その言葉に敏感に反応した。いきなり振り向いたエタに、お母さんはとても驚いた顔をした。

「お母さんは、身体が弱いの?」

「何を言うの? 私は生まれてから、風邪なんかひいたこともないのよ」

「お父さんは、今日もお仕事ばかりで、帰って来ないの?」

「今日はどうしちゃったのよ? お父さんは毎日夜の決まった時間に帰ってくるじゃない。 家に帰るのを忘れるなんて、ありえないわ」

 お母さんはにこにこして、エタの髪の毛を編み始めた。少しきつく引っ張られながら、髪の毛はきれいに三つ編みを作っていった。エタは、お母さんが急にいなくなるかもしれないと、不安になった。魔女の声が蘇った。

――あんたは母親に何を求めたんだい?

 エタは、鏡越しにお母さんに言った。

「お母さん、私、お母さんがいてくれるだけでうれしいのよ。 髪を結ってくれなくても、髪飾りを買ってくれなくても、私はお母さんが大好き」

 お母さんは、照れくさそうに微笑むと、髪の毛の続きを編み始めた。

「私も、エタが大好きよ」

 エタは、その言葉を聞いて、思い切り歯を出して笑った。


 窓の外で、風がそよそよ吹いていた。

 エタは、腕を切らなくても、痛みを感じなくても、自分は今、生きているのだと感じることができた。

 エタは、長く柔らかい赤毛に触れて、静かに微笑んだ。もう、一人ぼっちだとは思わなかった。


おしまいです。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

何か、自分で書いたものを後で眺めたら、ちょっと『も○ののけ姫』とかぶってるなぁとか思ってしまいました…。

そう感じた方も多かったのでは…と思います。

だからこのお話はかなり不完全だと。思ってます。


私が書きたかったのは、生きることについて。

生きているうちって、きっとそういう感覚がないんだと思います。

死んで初めて、あぁ自分生きてたんやなぁとか思うのかなって。

実際、私も今、自分がどう生きてるのかなんてサッパリわかりません。

ただ、息をしてて、痛みとか感じることができて。

だから一応、まぁ生きてるんだろ。みたいなね。


何だかだらだらと書いてすみません。

この辺にしておきます。


では。本当にどうもありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ