ベロ
ポップス、レゲエ、歌謡曲・・・。
南座はけして、場末じゃないのだが・・・。
「ひっこめー!!」
「ドヘタ!」
客が、叫ぶだけではなく、座布団を投げつけた。
「きゃっ!!」
国生秋は、貸衣装の帽子で自分の顔をかばった。
更に客が座布団をぶつけると、秋は、キッとなった。
「顔ぶたないでよ!!あたい、女優なんだから!!」
一瞬静まった館内だがすぐに客が暴れ出した。
「な~にが!!な~にが!!女優よ」と、客が腕を振り上げた時、「あきまへんな」と、やくざが仲介に入った。
するとすかさず、南座のおかみが走って来た。
「ご勘弁を」
そして、「おおきに」と言いながら、客のふところと、やくざのふところに茶封筒を差し込んだ。
客とやくざが去っていくと、秋は、「ふぅ」と息を吐いた。
そこで、「おかみ、おおきに」と言って出て行く男を、秋は見逃さなかった。
慌てて追いかける秋の後ろからおかみが何か叫んでいたが、それにはかまわず秋はダッシュをかけた。
男はどんどん歩いて行く。
「待って~~」
男が角を曲がる。
「待って~~聞こえないの~~?」
祇園のど真ん中で秋は男を見失った。
「よっ!キャバレーかい?」と、通りかかった禿げたおやじが、ぐい飲みを持って酒を飲む仕草をした。
黄色いつばの大きいほおかぶりのような帽子と黄色いドレスに黄色いハイヒール。
「大きいチャンスじゃけ」
そう言ったあと、秋は貸衣装のドレスの裾が破れていることに気づいた。
「いやーーーー!!!」
大きな悲鳴に、町ゆく人が振り返って行く。
まあるいほっこりとした目玉焼きが今宵くずれる如く・・・。
「いやーーーーー!!!」
秋は、もう一度悲鳴をあげた。
四つのシングルベッドに六人。
黒澤は、花ととっくにベッドに入っていた。
谷田、楠木と蛍は、さっきから無言であったが、皆伐は鼻歌まじりにシャワーに入っていた。
「やっぱり、ベッドで」と蛍が言った。
谷田は、ほとんど溶けている氷をグラスに入れる。
楠木はいきなり立ち上がり、浴室に向かって、「皆伐さん!トイレ!」と言った。
「ようはじゃけ、もうひとカップルが、同じベッドに寝れば安泰じゃけ」
蛍が言うと、谷田が、「よーし!じゃあ!俺は花じゃけ!」と言った。
そこでシャワーの止まる音が聞こえた。
「OK、トイレトイレ」と、楠木が浴室のドアを開けた。
「いやーーちょっとちょっと」と、皆伐がバスタオルを腰に巻いて出てきた。
「泡、ついとる」
蛍が皆伐に言った。皆伐の後ろ髪にはまだシャンプーの泡がついていた。
谷田が、「歯でもみがこう」と、浴室をノックしている。
黒澤は、布団を頭までかぶり、花の膣の中に指を入れながら、花にキスをした。
「もっと、奥じゃないと」と、黒澤は自分の中指をさらに花の膣の奥に入れた。
花の蜜があふれてきて、黒澤はだんだん興奮してくる。
花の奥の方からベロのようなものが出てきて、黒澤の中指を舐めた。
(やべぇわ、イキそうだわ)
花の息がもれる。
すると突然、「おに決めじゃんけんしょ、あいこでしょ」と声が聞こえてくる。
谷田が、「ちょっと、待ってくれよ」と、歯ブラシをくわえながら出てきた。
黒澤は、花の膣の中のいいところを探し、指を回した。
すると、突然、花が「あっ」と声を上げてイった。
びくびくとクリトリスが痙攣している。と、いきなり、花が「痛ーーー」と、起き上がった。
何ごとかと、谷田、皆伐、楠木、蛍が見ると、花が、「足が、足が・・・・つっ・・・た」と悶えだした。
「つぅ・・・はぁ・・・あっ・・・はぁ・・・」と、花が足に手をやった。
楠木が、「花、足は動かさない方がいいじゃけ」と言った。
「くぅーーはぁ・・・」
花は、それどころじゃない様子で、ベッドから転げ落ちた。
「もう、無理じゃけ」と、なぜか皆伐がトイレのドアを開け、ちょうど出てきた谷田と入れ替えに浴室のドアを閉めた。
谷田が、花に近づき、花の足を曲げた。
「つぅ・・・」と、花は言ったが、足の痛みが徐々に収まって来るのを感じた。
「しょうがないじゃけ、花とのセックスはおあずけということで」
谷田は言った。
「寝よ!」と、楠木がベッドに入った。
続けて谷田が、「俺も」と、ベッドに入って布団をかぶった。
皆伐が浴室から出てくると、蛍がベッドにひとり座っている。
黒澤と花は、同じベッドで寝息を立てていた。
「しょうがないでござる」と、蛍が頬を染めていた。
皆伐が、「マジかよ」と言うと、蛍が、「いざゆかん」と、布団に入った。




