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底辺からの異世界転生、その幼女無自覚に世界の理を覆す  作者: かのん


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25話

 私がそう決意を新たにしていると、リヤンがそんな私の考えを読んだのか、こそっと耳打ちしてきた。


「おい……お前、何、私が救ってあげます! みたいな顔しているんだよ。そんなことしてバレたら一生囲われるぞ」


 その言葉に、私はハッとすると小声で返した。


「だ、大丈夫。気づかれないようにしゅるから」

「いや……無理だろ」


 とにかく、現状、城に戻ると悪霊がたくさん憑くという状況に戻ってしまう。


 これをまず改善しなければならないが、城の何が原因なのか分からない。


「……うーむ。考えなきゃ」


 私はそう呟いたあと、呼吸を整えていく。


 こんな素敵な誕生日会に悪霊は似合わないので、一時的になってしまうかもしれないけれど、ご退席を願おう。


「あ! 青い鳥が飛んでいりゅ!」


 そう言って、木の上を私は指さし、皆がそちらへと視線を向けた瞬間に、印を結んでいく。


「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前、滅ちゃれやがれ!」


 次の瞬間、その場にいた悪霊達が悲鳴を上げた。


『なななななななんだ!?』

『ぐわぁぁぁっ……あ……』


 私はウィンクをして、悪霊達が霧散し光の中へと包まれていくのを見送った。


 ふぅ。さすがにここにいる全部の悪霊を祓うのは体力を消耗するな。


 その瞬間、皆の動きが止まった。


 国王陛下は自分の肩にそっと手で触れ、それからエトワール殿下を見た。


 エトワール殿下は小さく息をついてから言った。


「青い鳥は飛んでいったみたいですね。さぁ、お祝いをしましょうか」


「あ、あぁそうだな。さぁ、ココレット嬢、こちらへ」


 良かった。


 どうやら気付かれていないようである。


 しかも、青い鳥の嘘もバレなかった。


 ふっ。私の演技力が上がってきてしまったのかもしれない。


「わぁーい。みなしゃま、ありがとうございましゅ」


「さぁ、ケーキもたくさんありますからね」


 そして、私は促されるままに王族の方々からのお祝いを楽しんだ。


 ケーキはとろけるように美味しいし、エトワール殿下やメアリー様と踊ったり歌ったりして、にぎやかな時間が流れていった。


 その日は、一日とても楽しかった。


 人から祝ってもらえることがこんなにも幸せになることも知った。


 前世から今まで知らなかったことを知れて、私の心は満たされていた。


 ただ、終わりの時間はやってくるものであり、日が傾き始め、私は少しだけ寂しさを覚える。


 あぁ、またあの薄暗い屋敷に戻るのか。


 人の温かさを知った後だと、少しばかり、いやかなり、寂しさが募る。


 ただ、それを悟られないように私は笑顔で自ら告げた。


「そろそろ、帰らなければなりましぇん。今日はしゅてきな時間をありがとうございました」


 すると、メアリー様が私の手を引いた。


「今日はお泊りよ」


 システィリーナ様が言った。


「……今日は我が家にお泊りしてはどうかしら」


 その提案に、私は慌てて首を横に振る。


「そ、それはさすがに、ご迷惑れしゅ」


「いや、お母様の言う通りさ。ゆっくり泊ればいい」


 私は最初は迷惑ではないだろうかと思ったのだけれど、これはチャンスかもしれないと気づいた。


そうだ。


 泊ってもいいと言うのであれば、お城がいい。そうすれば、お城に何か原因があるのか探ることができる!


 私はエトワール殿下に、おずおずと尋ねた。


「も、もしよろしければなのれしゅが、お城に泊まってみたいれしゅ」


 その言葉に、エトワール殿下が国王陛下へと視線を向ける。


 国王陛下は、優しい声色で私の前へと膝をつくと視線を合わせて言った。


「もう帰りが遅くなるから、このシスティリーナの実家へ泊ってはどうかと思ったんだが、城がいいのかい?」


 私はおおきくうなずいた。


 お城に泊まることが出来れば、その分、調べるチャンスもあるかもしれない。


「こんな機会、一生に一度かなと思うのれ、ぜひ! お城に泊まってみたいれしゅ!」


「ふむ……そうか。ならば歓迎するよ」


 優しい人である。


 こんな方がお父様なんて、エトワール殿下は幸運だ。


「ありがとうございましゅ! 一生の思い出にします!」


 舌足らずな口調だが、たまに上手くいくことがある。


 私は今の“す”はかなりいい感じだったなと思っているとリヤンが小声で言った。


「大丈夫か?」


「もちのろんよ」


 その後、私達はシスティリーナ様と別れ、王城へと向かったのであった。


 馬車の中で、エトワール殿下と楽しくお話していたのだけれど、馬車のリズムがとても心地よくて、私はうつらうつらし始める。


 今日はたくさん動いたからな。


 本当に、楽しい日だった。


 そう思いつつ、瞼を閉じないようにと気合を入れていた、はず……なのだけれど。



「ありぇ?」

 目が覚めると、私は見知らぬふかふかのベッドの上で眠っていた。

 しかも、ベッドの周囲には大量の悪霊が歩いており、私は一瞬、ひえっと変な声がでた。

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