僕のおともだち
大好きな隼くんと、もっと一緒にいたい雪。
隼くんが学校に行ってしまうと淋しい、そんな雪は考えた隼くんともっと仲良くなるために、友達になろう!
隼くんと遊べる時間が少なくなった頃からは、お母さんが僕とたくさん遊んでくれるようになった。
「今日、蓮花ちゃん達が来てるといいね」
お母さんの声が弾んでると僕も嬉しい。
僕は隼くんが大好きだけど、お母さんも大好き!
「ゆぅ~きぃ~くぅ~~ん」
いつもの公園に着くと同時に、僕の名前を叫びながら全力疾走で向かってくるのは、小さな頃から仲良しな大和くん。
雪くん!雪くん!と僕のまわりを、はしゃぐ大和くんに僕のテンションも上がる。
「大和くん!大和くん!遊ぼう!」
こうなった僕たちをお母さんたちも止めることは無理だって分かってるのか、少しだけ困った顔をしながらも。
転ばないでねと言った。
大和くんのお父さんは、お母さんと挨拶をしているみたいだった。
僕の家族と大和くんの家族、仲良くしているのを見るのは嬉しい。
「ゆきくんは今日も可愛いね」
「大和くんはかっこいいね」
僕たちは顔を合わせて笑いあった。
そんな僕たちの視界の先から、凄い勢いで向かってくる影が目にはいる。
「大和くん……間違いじゃなかったら……」
「アクアくん?」
「アクアだ!」
大和くんと声がハモりとアクアはさらにスピードをあげて。こっちに向かってくる。
「ゆきくん!大和くん!オレも一緒に遊んで!」
あっ……もう避けるのは無理だ。
僕が覚悟を決めた時、大和くんはギリギリでアクアくんからの突撃を回避した。
僕の上に乗っかったアクアくんは、なにして遊ぶ?と目をキラキラとせていて、怒るに怒れない。
そんな僕たちを見て、大和くんはフッと鼻をならしていた。
「昨日は雨降りだったから一緒に遊べなくて、オレつまらなかったよ。」
アクアくんは、つまらないと言いながらも一点を見つめている。
アクアくんが見ている先を理解した僕と大和くんはアクアくんと顔を合わせて頷く。
みんな考えることは同じで嬉しくなる。
よし!全力疾走で向かおう。
でっかい水溜まりに!
後の方から、お母さんの聞いたことがない声が聞こえると、その声がよけいに僕たちを熱くさせた。
「うわぁ~~い」
そう言いながら、1番始めに飛び込んだのはアクアくんだった、そのつぎに大和くんが飛び込み、最後に僕が水溜まりに向かってジャンプした。
大和くんのお父さんは困ったような笑いを浮かべている。
アクアくんのお母さんは頭を抱えている。
僕のお母さんは。遠くをみていた。
こんなに楽しいんだから、お母さんたちも一緒に遊べばいいのに……。
「あらあら、ゆきちゃん達たのしそうね。」
そう声をかけてきたのは、蓮花ちゃんのおばあちゃんだ。
「蓮花ちゃんも一緒に遊ぼう!」
僕たちの姿をみた蓮花ちゃんは鼻で笑うと、わたしはそんな遊びで喜ぶ子供じゃないと言いはなった。
「こんなに楽しいのに、その楽しさがが分からないなんて蓮花は可愛そうだ。」
大和くんの一言で蓮花ちゃんの頭に怒りマークが見える。
なんで2人はいつも言い争うんだろう?
皆で仲良くしたほうが楽しいのに……
この後、僕たちはアクアくんによって大変な事になるなんて気付いていなかった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。