第67話「海①」
7月も後半、太陽がギラギラ照りつける週末。わたし――しおりんは、ソファでだらりと寝そべっていると、妹のかおりんがキラキラした目で話しかけてきた。
「しおりん! 今日、海行くよ! ひかりん、奈々りん、ゆはりんと一緒に!」
「え、マジ? 座道部の精神、今日はどうするの?」
「うふふ、今日は『弾けろ!』だよ!」
かおりんはポニーテールを揺らし、ニヤリと笑う。そのいたずらっぽい目が何か企んでいる。今日は二人の関係が進展しちゃうかも……?
*
今日はかおりんの提案で、大学の同級生――ひかりん、妹の同級生――奈々りん、ゆはりんと一緒に海に行くことになった。
海までの足は、大学の同級生・ひかりんの真っ赤なオープンカーだ。スピーカーからJ-POPが爆音で流れ、夏の風が髪をバサバサなびかせる。わたしはビキニの上にTシャツとショートパンツ、かおりんは水色のビキニがチラ見え、汗でキラキラ光る笑顔がまぶしい。
「しおりん、準備OK? 今日のビーチ、わたしたちで占拠するよ!」
かおりんが助手席から振り返って叫ぶ。
「部長、はしゃぎすぎ! 座道部の姿勢は?」
後部座席から、妹の同級生・奈々りんがクールに突っ込む。ショートカットの黒髪に黒いビキニがカッコいい。この娘は将来、ひかりんみたいなイケイケになるのかしら?
隣のゆはりんは、ピンクのワンピース水着で「うう、車揺れる! でも楽しい!」とふわふわのロングヘアを揺らす。ちっちゃくて、めっちゃ可愛い。前々から思っていたけど、お持ち帰りしたい娘である。
「みんな、シートベルト確認! ひかりん様のドライブ、フルスロットルよ!」
運転席のひかりんがサングラス越しにウィンク。白いビキニが薄いカバーアップから透けて、めっちゃイケイケ。車がグイッと加速し、みんなで歌いながらノリノリ! 座道部の「美しい姿勢」なんて、今日は完全に忘れてる。
*
海に着いた瞬間、砂浜の熱気がドーン!
青い海がキラキラ、波の音がザッパーン!
荷物を放り投げ、ビーチへダッシュ!
「最後まで走ったやつ、サングリア奢る!」
ひかりんが叫ぶと、みんなキャーキャー走り出す。
かおりんが砂でコケそうになりながら「しおりん、待てー!」と追いかけてくる。
「かおりん、遅い! 座道部のスピード見せてよ!」
振り返って笑うと、奈々りんがスッと抜いて「部長、負けてる」とクールに微笑む。
「うう、砂熱い!」
ゆはりんは小走りで追いかけ、ワンピース水着の裾がふわふわ揺れる。
「しおりん、遅い! 奢り決定ね!」
ひかりんはもうゴールして、ビーチパラソルの下でドヤ顔ポーズ。汗でキラキラ光るビキニ姿、めっちゃくちゃまぶしい。
ビーチでTシャツを脱ぎ、みんなビキニ&水着で準備完了だ!
*
かおりんが「座道式ビーチバレーやろう!」と叫び、即席コートをササッと作る。かおりんが砂をかき分けてラインを引き、ゆはりんが「ここ、完璧だよ!」とちっちゃい手で砂をならす。ひかりんが「審判は私ね!」とサングラスをかけドヤ顔する。
コートに立つと、熱い砂が足裏をチリチリ焼く。
奈々りんとわたしがチーム、かおりんとゆはりんがチーム、ひかりんが審判だ。
かおりんが水色のビキニで「行くよ!」と叫び、ジャンプサーブをうつ! かおりんのジャンプがものすごく高い。
(かおりん、いつのまにか、こんなに逞しく成長してたんだ……)
ビキニの紐が少しズレて、汗がパッと飛び散る。元気いっぱいの笑顔が眩しすぎる!
かおりんに見とれていると、いつのまにか撃たれたボールが青い空に弧を描いていた。
よし、わたしがボールを返す!
砂を蹴り上げてジャンプ!
腕を振り抜く!
ボールがバコーン!
でも、力みすぎて狙いがズレた。
奈々りんが「しおりん、落ち着いて!」とフォローしながら、黒いビキニでスッと動いてスパイクを撃つ!
着地の時に砂が舞い上がり、奈々りんのビキニにパラパラくっつく。「うっ、ザラザラ!」と彼女、珍しく笑顔で砂を払う。砂まみれでどこか可愛い!
ゆはりん、ちっちゃい体で「えいっ!」とジャンプしてブロックしようとする! ピンクのワンピース水着がひらひら舞い、まるで蝶のよう。
でも……ボールに届かない!
ちっちゃいから届かない!
可愛いから届かない!
「うう、届かない!」
ゆはりんが叫ぶ。 かおりんが「ゆはりん、ナイス!」とカバーにはいる。砂をかき分けながらボールを追いかける。そしてダイビング・レシーブ!!
なんとか追いついて、ボールを返す。ボールは、ふたたび青い空に弧を描き、こちらのコ-トに戻ってくる。
「しおりん、気合入れて! 座道の姿勢、忘れるなよ!」
かおりんが砂を払いながら叫ぶ。髪が、砂と汗で額にベッタリ、ビキニの紐がまた少しズレて、動きのたびに水色の生地が揺れる。色っぽい!
「負けない!」
と、わたしがスパイクを狙う。
ボールをバコーンと撃つ!
力が入りすぎた!
ボールはそのまま海へドボン!
みんな「うわー!」と爆笑、砂浜が笑い声で揺れる!
笛を鳴らしながら、審判のひかりんがパラソルの下から指を差す。
「しおりん、罰ゲームで泳ぎなさい!」
「えー、ズルい!」
わたしは叫びながら海へダッシュ!
波がザッパーン!
冷たい水がビキニにバシャッ!
肌にピタッと張り付いた。
かおりんも「負けない!」と叫んで海に飛び込む!
奈々りんも「待てー!」とダイブ!
ゆはりんは「私もー!」と波に突っ込む!
罰ゲームにならないじゃん……。
波がドーンと来て、奈々りんのビキニの紐がスルッと緩む。「ちょ、助けて!」と奈々りんが珍しく焦る!ゆはりんも、ちっちゃい体が波に押されて「きゃっ!」と私の背中に抱きつく。柔らかい感触に、理性が吹き飛んで思わず抱きしめちゃう。かおりんが少しふくれっ面。
ひかりん、砂浜から「奈々りん、セクシー!」と笑いながらスマホでパシャパシャ写真撮ってる。 みんなで波と戯れながら、笑い声がビーチに響きまくる。この夏のビーチバレー、最高に楽しくて、みんなの笑顔がキラキラ輝いた!
*
夕方、みんなでビーチに寝そべって、夕陽見ながらアイス食べる。ひかりんが「今日は宿を取ってあるからね」という。じゃあ明日も続行だ!




