第65話「流しソーメン」
7月初旬、夏の暑さが本気を出してきた土曜日の午後。座道部の部室である和室は、窓全開でも熱気がむわっと漂ってる。
わたし――かおりんは、今日は奈々りんとゆはりんと一緒に、部室の畳の上で流しソーメンをやろうって計画をした。
扇風機がブーンと回る中、竹の流し台を準備して、冷水がさらさら流れる音がなんか涼しげだ。暑くて、Tシャツは汗で背中に貼りつき、ショートパンツの裾も太ももに張り付くけど、なんかワクワクする!
「かおりん、ほんとこのアイデア最高! 座道部っぽい涼しさだね!」
奈々りんが、ショートカットの髪を耳にかけながらニコニコ言う。彼女のタンクトップも汗でちょっと透けてて、キラキラ光ってる。奈々りんも、今日はなんか楽しそうだ。
「でしょ! 流しソーメンは座道の心その四:『流れに身を任せつつ、姿勢を正す』って感じ!」
「かおりん、座道の極意、どんどん増えてるね!」
わたしが得意げに言うと、ゆはりんが、ふわふわのロングヘアを揺らしながら笑う。
流し台にソーメンを流す準備をする。奈々りんが冷水を調整して、ゆはりんがソーメンを束で手に持つ。わたしがタレを小皿に分けて、ゴマとネギの香りがふわっと広がる。暑い部室に、冷たい水とタレの匂いが混ざって、なんか夏って感じ。
「よーし、座道式流しソーメン、スタート!」
わたしが箸を構えて宣言。奈々りんとゆはりんも正座して(一応、座道の心!)、箸を手に目をキラキラさせる。ソーメンが竹を滑るように流れてくると、奈々りんが素早く箸でつかんで、タレにつけてずずっーっと。
「奈々りん、食べ方上手! さすが!」
わたしが笑いながら言うと、奈々りんは「ふふ、かおりんも負けないでね!」って、クールにウインク。
次にゆはりん。彼女、ちょっとおっかなびっくりでソーメンを狙う。箸が滑って水がピシャッと跳ね、ワンピースの胸元に水滴が飛んだ。
ゆはりんが「きゃっ、冷たい!」って小さく叫び、すぐに笑ってソーメンを口にする。タレが唇の端にちょっとついて、ペロッと舐める仕草が、とても可愛いのに、なんか色っぽい。
「ゆはりん、ドジっ子! でも可愛いから許すよ!」
わたしがからかうと、ゆはりんは「うう、かおりん、意地悪!」って、頬を膨らませる。
わたしの番。ソーメンを箸でつかむと、冷たい水が手に跳ねて、Tシャツの袖が濡れる。汗と水が弾けてTシャツが肌に貼りついたせいで、ブラが透ける。
奈々りんが「かおりん、部長なのにセクシーすぎ!」って笑う。ゆはりんも「ほんと、かおりん、ズルい!」って、ニヤニヤしながらタレをつけたソーメンを食べる。
「え、なに! 部長はこれくらい余裕だから!」
胸張って言う。するとソーメンつかむときにまた水が跳ねて、首元まで濡れ、冷たい水滴が鎖骨を伝って、Tシャツの中に滑り込む。ひんやりした感触に、思わず「んっ」って声が出ちゃう。奈々りんとゆはりんが「かおりん、エロい声!」って大爆笑。顔、絶対真っ赤!
「もう、二人ともからかうなって! 座道の心で集中!」
奈々りんが「かおりん、顔赤いよ。暑さ? それともわたしたちのせい?」って、いたずらっぽく近づいてくる。
ゆはりんも「かおりん、部長として負けないでね!」って、ソーメンを口に運びながら言う。
ソーメンが次々流れて、部室は笑い声と水の音でいっぱい。タレが飛び散ったり、水で服が濡れたり、みんなグチャグチャだ。奈々りんがソーメンをすくうとき、うっかりタレをこぼして、指で拭ってペロッと舐める。クールな顔でそんなことするから、なんか反則。ゆはりんはソーメンを追いすぎて、箸で竹を叩いちゃって、「うう、難しい!」って可愛く拗ねる。
食べ終わって、畳にゴロンと寝転がる。奈々りんとゆはりんも隣でゴロン。濡れた服が畳にくっついて、扇風機の風が気持ちいい。奈々りんが「かおりん、今日、楽しかった」って、クールな声で言う。ゆはりんは「うん、かおりんと奈々りんと、こうやってるの、大好き!」って笑う。
「わたしも、二人とこうやってるの、だいすき!」わたしが言うと、みんなでクスクス笑い合う。窓の外、蝉の声が響く中、座道部の夏は、こんな風に始まった。




