第55話「綱引き」
六月の昼下がり、座道部の部室がある学校の裏庭は、梅雨前のカラッとした陽気で、芝生がキラキラ光ってた。
「外で「綱引き」をやろう」
奈々りんが朝からめっちゃテンション高く提案してきた。
「綱引き?いいよ、でも3人だと人数半端じゃない?」
「そ・こ・で♥」
奈々りんがニマーっとした。
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わたしと奈々りん、ゆはりんのいつもの三人組に、しおりんとひかりんも合流。なんかもう、部活っていうよりお祭りが始まった。風がそよそよ吹いて、遠くで野球部のバットのカキーンって音が響いて、青春の匂いがプンプンする!
「かおりん、綱引きって座道っぽくない? 姿勢キープしながら力入れるの、最高じゃん!」
奈々りんが、ショートカットをパタパタ揺らしながら、ニカッと笑う。
「うん、めっちゃ熱くなりそう! 座道の心でガチ勝負だ!」
わたしが、ジャージの袖をまくり上げながら言う。芝生の感触が足裏に気持ちよくて、なんか無性に体動かしたくなっていた。
「ひゃっ、かおりん、奈々りん、気合入りすぎ! わたし、ちゃんとやれるかな……?」
ゆはりんが、ちっちゃい体で正座しながら、ちょっと心配そうな顔で言う。なんか、守ってあげたい感じに胸がキュンとする。
「ゆはりん、大丈夫! 座道の極意で、心を整えればバッチリ!」
わたしが、ゆはりんの肩をポンと叩いて言うと、しおりんとひかりんがニコニコしながらやってきた。
「かおりん、めっちゃ盛り上がってそう! 綱引き、座道式ってどんな感じ?」
しおりんが、いつもの優しい笑顔で言う。彼女のポニーテールが風に揺れて、なんかいつもよりキラキラしてる感じ。
「ふふ、絶対ハジけるよ! 座道式綱引き、ガチだね」
ひかりんが、イケイケな声で言う。彼女のタンクトップが風でパタッと揺れて、動きがめっちゃキビキビしてる。
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「ルールは簡単! 正座したまま、芝生で綱引き! 姿勢崩さず、音立てずに綱を引くの。チームが相手を1メートル引き寄せたら勝ち! 座道の集中力と力の勝負だぜ!」
わたしが、太いロープを手にルールを説明すると、みんなが「やば、面白そう!」って目をギラギラさせる。
チーム分けは、わたし、ゆはりん、ひかりんの「チーム部長魂」対、奈々りん、しおりんの「チームクールビューティー」。芝生に正座して、ロープをガッチリ握る。
「よーし、せーの、スタート!」
ひかりんが、でっかい声で合図する。
わたしは正座でグッとロープを引く。背筋ピン、座道の心で集中! ロープがピンと張って、芝生の上でザザッと小さな音がする。ゆはりんが、ちっちゃい体で必死に引いてる姿が、めっちゃ愛らしい。ひかりんは、力強い動きでロープをガンガン引くけど、姿勢はバッチリ。
「かおりん、めっちゃ強い! ゆはりんも、頑張れ!」
ひかりんが、ニヤッと笑いながら言う。
対する奈々りんは、ショートカットがパタパタ揺れるくらい本気で引いてくる。ジャージの袖がまくれて、腕のラインがチラリと見える。 しおりんも、静かな顔でロープを引くけど、ポニーテールが揺れるたび、なんかカッコよくて胸がバクッ。
「奈々りん、しおりん、めっちゃ息ピッタリ!」
ゆはりんが、ちっちゃい声で言うけど、二人にちょっと嫉妬。
「ゆはりん、姿勢バッチリ! 座道の極意、感じるよ!」
わたしが、ゆはりんを励ますと、彼女は「うう、頑張る!」って頬を赤くする。
綱引きはガチで白熱! ロープがギシギシ鳴って、芝生に正座したままのわたしたちの膝が少し滑る。奈々りんが「うおっ、かおりん、負けるもんか!」って叫ぶと、しおりんが「落ち着いて、奈々りん!」ってクールにフォロー。
でも、ゆはりんが急に「ひゃっ!」ってちっちゃい声を上げて、バランス崩しそうに。ひかりんがサッと支えて、なんとか正座キープ!
「ゆはりん、ナイス! チーム部長魂、負けないよ!」
わたしが叫ぶと、ひかりんが「よっしゃ、ガンガンいくよ!」って気合入れる。
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綱引きは、大接戦! チーム部長魂が少しリードしたかと思うと、チームクールビューティーがグイッと引き返す。芝生が少し湿ってて、膝で滑るたびに「うわっ!」って笑い声が上がる。
結局、ひかりんのガッツで最後にグッと引いて、チーム部長魂が1メートル引き寄せて勝利! 芝生の上で、ゆはりんとひかりんと三人でハイタッチして、ギャーギャー騒ぐ。
「かおりん、ゆはりん、ひかりん、めっちゃ強い!」
奈々りんが、負けたのにニカッと笑って言う。彼女のジャージが汗でちょっと張り付いて、インナーが透けてる。ほう・・ピンク。
「奈々りん、しおりんも、めっちゃ頑張った! 座道の心、バッチリだったよ!」
わたしが、笑いながら言う。しおりんは「ふふ、次はリベンジね」と、優しい笑顔でピースサイン。
「ゆはりん、めっちゃ頑張ったじゃん!」
ひかりんが、ゆはりんの頭をくしゃっと撫でると、ゆはりんは「ひゃっ、ありがとう……!」って真っ赤になってニコッ。
*
ゲームの後は、裏庭のベンチに座って、持ってきたペットボトルの麦茶で乾杯。夕陽が芝生に長い影を落として、風がそよそよ気持ちいい。
「座道式綱引き、めっちゃハジけたね!」
わたしが、麦茶をグビッと飲みながら言う。
「うん、姿勢キープしながら力入れるの、めっちゃ青春のドキドキだった!」
奈々りんが、ニカッと笑う。
「次は何やる? 座道式、もっとバカバカしいのやりたい!」
ひかりんが、目をギラギラさせて言う。
夕陽が、六月の裏庭をキラキラ照らしてた。




