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第54話「雨の中で」

 六月の昼下がり、梅雨の雨がしとしと降る公園は、まるで水彩画の絵の具がにじんだみたいな、ぼんやりした色合いに染まってた。座道部の部活、今日は和室じゃなくて、近所の公園で「野外座道」をやろうって話になったんだ。奈々りん、ゆはりんと三人、傘も持たず、びしょ濡れ覚悟で芝生に集まって、雨粒が顔に当たるたび、キャッキャとはしゃいでた。空は灰色で重いけど、心はなんか、ぴょんぴょん跳ねるみたいに軽い。


「かおりん、雨の座道、めっちゃ青春っぽいね!」


 奈々りんが、ショートカットの髪をびっしょり濡らしながら、ニカッと笑う。白いTシャツが雨で肌に張り付いて、スポーティなインナーがうっすら透けてる。


「うん、なんか、映画のワンシーンみたい!」


 私が、フード付きのパーカーをぐっしょり濡らしながら言う。パーカーが重たくて、動くたびに肌にぴったりくっつく感じが、妙にくすぐったい。


「ひゃっ、かおりん、奈々りん、濡れすぎ! でも、すっごく楽しい……!」


 ゆはりんが、ちっちゃい体でくるくる回りながら、笑顔で言う。彼女の薄いワンピースが雨でぴたっと張り付いて、ピンクのキャミソールがほんのり透けてる。


「ねえ、今日は座道式で何する? 雨でも姿勢キープだよね!」


 私が、雨粒をパパッと払いながら言うと、遠くから聞き慣れた声が響いた。


「かおりん! 遅刻、ごめーん!」


 しおりんとひかりんが、ずぶ濡れで走ってくる。しおりんの白いシャツが雨でぴったり肌に張り付いて、肩のラインがうっすら透けてる。ひかりんのタンクトップもびしょ濡れで、体の輪郭がほのかに見える。


「うわ、しおりん、ひかりん、めっちゃびしょ濡れじゃん!」


 奈々りんが、ケラケラ笑いながら言う。


「だって、雨の座道、めっちゃ楽しそうだったから、飛んできたんだ!」


 ひかりんが、いつものイケイケな笑顔で言う。濡れた髪が頬に張り付いて、なんかいつもよりキラキラしてる気がする。


「よーし、じゃ、座道式雨遊び、スタート!」


 私が、気合を入れて叫ぶ。



「ルールは簡単! 雨の芝生で、正座のまま『座道式鬼ごっこ』! 姿勢崩さず、音立てずに動くの。捕まったらアウト! 最後に残った人が勝ち!」


 私がルールを説明すると、みんなが「やば、面白そう!」って目を輝かせる。


 びしょ濡れの芝生に正座して、ゲーム開始。雨が顔にバシャバシャ当たって、視界がぼやけるけど、なんかそれが楽しくて、笑いが止まらない。私は膝でそーっと芝生を滑って、木の陰に隠れる。


 奈々りんが鬼になって、膝でススーッと滑ってくる。Tシャツが雨でぴったり張り付いて、動きに合わせて体のラインがチラチラ見える。彼女のキビキビした動きに、胸がバクッと跳ねるけど、座道の心でなんとか集中。


「かおりん、どこだー!」


 奈々りんが、楽しそうに叫ぶ。


 ゆはりんは、ちっちゃい体で木の後ろに隠れてる。ワンピースがびしょ濡れで、膝のラインがほのかに透けてる。


 しおりんは、ベンチの下に正座で隠れてる。白いシャツが雨でぴたっと張り付いて、鎖骨のラインがうっすら見える。


 ひかりんは、膝で軽快に滑りながら、奈々りんをからかうように動く。タンクトップが濡れて、体のラインがくっきり浮かんで、動きがめっちゃキレッキレ。


「ひかりん、めっちゃ速いじゃん!」


 私が小声で言うと、ひかりんが「ふふ、座道の極意その八:雨でもブレねえ!」とニヤッと笑う。


 でも、奈々りんが急に方向を変えて、ゆはりんに突進!


「ひゃっ、奈々りん、ちょっと!」


 ゆはりんが、ちっちゃい声を上げて逃げるけど、濡れた芝生でバランス崩して、ぺたんと座っちゃう。


「ゆはりん、アウトー!」


 奈々りんが、ピースサインでニカッと笑う。ゆはりんは「うう、びしょ濡れすぎた……!」と、頬を赤くして芝生に座り込む。



 次はしおりんが鬼。彼女が膝でススーッと滑りながら、素早く動く。


「かおりん、隠れるの上手いね!」


 しおりんが、近くを通りながら言う。濡れた髪が頬に張り付いてる。


 ひかりんが、しおりんに捕まりそうになりながら、くるっと膝で旋回。


 結局、私が最後まで隠れきって勝利! 芝生の上で、みんなでハイタッチして、雨に濡れながら大騒ぎ。


「かおりん、隠れるのめっちゃうまい!」


 しおりんが、笑いながら私の肩をポンと叩く。


「かおりん、座道の極意、完璧じゃんよ!」


 ひかりんが、濡れた髪をバサッと振って言う。


「ゆはりんも、めっちゃ頑張った!」


 私が言うと、ゆはりんは「うう、次は絶対逃げるよ!」と、ちっちゃい拳を握る。



 ゲームの後は、公園の東屋に逃げ込んで、持ってきたタオルで体を拭きながら休憩。雨はまだしとしと降ってるけど、みんなびしょ濡れでケラケラ笑ってる。


「座道式雨鬼ごっこ、めっちゃ楽しかったな!」


 私が、タオルで髪をガシガシ拭きながら言う。


「うん、雨で濡れるの、なんか青春のドキドキって感じ!」


 奈々りんが、ニカッと笑う。彼女のTシャツはまだちょっと透けててる。 ピースサインをバチッと決めて


「次はもっとバカバカしい雨遊び考えるぜ!」


 私はニカッと笑って、みんなと目を見交わす。しおりん、奈々りん、ゆはりん、ひかりん。座道部のみんなと、これからもこんなバカ笑いできる時間が、ずっと続きますように。


 東屋の屋根を叩く雨音が、六月の午後をやんちゃに彩ってた。

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