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7. 四大公爵家の緊急会議① ~夜会の後~

※書籍化企画進行に伴い、本7話目以降、WEB版から大幅に改稿予定です。

 ここからはWEB版としてお楽しみください。


 王宮内で開かれた夜会での一幕。

 ミリエッタがジェイドにハンカチを手渡し、その場を後にした直後のこと。


 デズモンド公爵の発案により、王宮のとある一角……『討論室』に四大公爵が集められ、緊急会議が開かれた。


「……さて本会は、公正且つ公平に()()が為されるよう、共通理解を得るためのものであったと記憶しているが」


 筆頭公爵家、バイス・デズモンドが重々しく口を開くと、座していた国の重鎮達から殺気が放たれる。


「先の夜会での、トゥーリオ公による発言の数々に、大いなる疑義を持ったのは私だけではないはずだ」


 そうだそうだ!

 同会の会員に値するか、その適格性を審査すべきだ!


 いや、審査会で決議などとは生ぬるい。

 持ち得る全ての役職を免じ、国外追放にすべきではないか!


 デズモンド公爵の言葉に、次々と野次が飛ぶ。


「そもそも、ハンカチの譲渡先について助言を求められた場合、公平な条件を提示するはずではなかったか!」


 さすがにアレはないだろうと声を荒げたのは、ウォルト・ラーゲル。

 トゥーリオ公爵提示の二択で撃沈した、一人目の男である。


「選択肢にも大いに問題がある。『頼れる年上と可愛らしい年下』であれば、年頃の少女なら『頼れる年上』を選ぶに決まっているじゃないか!」


 試しに、『老い先短い年上と、共に歩み末永く愛を育める年下』と、聞いてみるがいい。

 絶対に『年下』を選ぶはずだ!


 ラーゲル公爵家、未婚の次男は御年十六歳。

 唯一の年下枠を獲得した、ダークホースである。


「それなら、私も同様だ! 『騎士と()()()()()()()』の二択であれば、騎士を選ぶに決まっている」


 拳を握りしめ、異議を唱えたのは、グイン・オラロフ。

 これまたトゥーリオ公爵の二択で撃沈した、二人目の男である。


 そもそも、『()()()()()()()』ってなんだ!

 そんな得体の知れないものを、選ぶ令嬢などいるわけないだろう!


 試しに、『理性と知性が共に不足がちな体力勝負の脳筋騎士と、知性溢れ文化的な要職に就く思慮深い男性』と、聞いてみるがいい。

 絶対に『知性溢れ文化的な要職に就く思慮深い男性』を選ぶはずだ!


 オラロフ公爵家、期待の嫡男は御年二十二歳。

 多少説明が長い気もするが、ミリエッタの兄と宰相補佐の座を最後まで争った、将来を嘱望される若手の一人である。


「待て待て。まだそれなら情状酌量の余地がある。同じ騎士である我が息子との二択に至っては、筆舌に尽くし難い」


 怒りに震え、ドン! と机を叩き割ったのは、代々国防を担ってきた生粋の軍人、バイス・デズモンド。

 トゥーリオ公爵、最後の選択肢で撃沈した男である。


 寡黙で面白みはないが、真面目で勤勉。

 少し融通の利かないところはあるが、一途で大事にしてくれる男。


 一方、男気溢れ頼りがいがあり、女性の扱いに手慣れた大人の男。

 少々猪突猛進な部分が否めないとの補足情報付きである。


 猪突猛進なのは、お前の次男のほうだろう! と、渦中のトゥーリオ公爵を怒鳴りつける。


 正しくは、『猪突猛進で一途だが融通の利かない騎士』と、『頼もしく包容力がある我が国最強の騎士』ではないのか。


 デズモンド公爵家、自慢の嫡男は御年二十七歳。

 最年少二十五歳で騎士団長に登り詰めた、自他共に認める我が国最強の騎士。


 仕事人間でなかなか身を固める気配が無く、恋愛経験は豊富なものの、婚約話を断り続けているのが難点だが、将来は間違いなく国防の要となるであろう人物の一人である。


 鼻息荒く、異議を申し立てる三人に視線を向け、ジェイドの父であるトゥーリオ公爵は、「ふむ」と一言呟いた。


「……確かに改めて聞くと、適切でない表現もあったかもしれないな」


 とぼけた様子で、のんべんくらりと躱すと、「さて、どうしたものか」と思案する。


「機会がないまま諦めるのは、確かに酷というもの」


 トゥーリオ公爵が理解を示すと、三人の公爵は、その通りだと頷いた。







会議はもう一話続きます(明朝、投稿予定)

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