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小春さんの教習所ライフ  作者: おりさくみづき
9/12

9 効果測定

優斗と仮免練習をした翌日、小春さんは教習所で仮免の講習を受けていた。

今日の小春さんは運転に余裕があった。


優斗との仮免練習をしたからだったんだ。

小春さんは運転しながら森山先生にこう話したんだ。


「昨日、夫の優斗と一緒に仮免練習に行ってきたんですよ~」

「え?一般道走ったの?旦那さんと?」


「はい、走りました」

「旦那さん怖がってなかった?」


「ええ、何だか怖くなかったって言ってましたけど…」

「度胸あるなぁ~。福山さんの旦那さん」


これを聞いた小春さん。

やっぱり優斗は度胸があったけど、怖かったんだな?って思ったんだ。


暫く走っていると森山先生はまた話しかけてきた。

「ところで、福山さん。効果測定は合格したの?」


「え?実はまだなんですけど…」

「早くしないと卒検になるよ~」


「は、はい。わかってますけどなかなか…」

そう言うと小春さんは黙ってしまった。


卒検前にとても難しい効果測定という学科の試験があるんだ。

その試験に小春さんはまだ受かっていなかった。


毎回、学校に行くと時間を見ては効果測定の試験をパソコン端末で受けていた小春さん。

でも、毎回1点足りないとか、2点足りないとかで落ちてたんだ。


その頃になると、森山先生は毎回「効果測定は受かったか?」って聞いてくるようになった。


小春さんはとても焦っていたんだ。

実技は毎回一回でハンコがもらえたんだけど、効果測定だけはダメだった。


今日も小春さんは効果測定の試験を受けていたんだ。

で、最後の答えを入力して送信した。


でも、結果は1点足りなくて不合格だった。

小春さんはどーしたものかと考えた。



自宅に帰り、ひとり自室に閉じこもってしまった小春さん。

「こうなれば、教本一冊まる暗記するしかないか?」


そう小春さんは思っていたんだ。

そんな時、優斗が小春さんの部屋に入ってきた。


「小春さん、一緒に夕飯食べにいこうよ~」

「ごめん。優斗くん、今日は悪いけどいけないんだ」


「どうして?」

「効果測定がなかなか受からないの…」


「それは、大変だね~」

「だから、今日の夕飯はひとりで行ってきて」


「わかった。頑張ってね~」

そう優斗は言うと小春さんの部屋から出ていったんだ。


優斗は近所のコンビニでお弁当を買ってきたみたいだった。

小春さんの分は?って僕は思ったんだけど何も言わなかった。


優斗はそういうところが冷たいんだよな…って僕は感じたんだ。

小春さんは自室で教本をまる暗記していた。



そして、翌日…。

また、効果測定の試験に向かっていた。


今度こそは…

そう小春さんは思っていたことは言うまでもない。


最後の答えを選択して送信した小春さん。

な、なんと…!!


「合格!!」の二文字が出てきた!!

「やったぁ~!!」


小春さんから歓喜の声が聞こえたんだ。


それから森山先生に効果測定が受かったことを伝えたんだ。

「福山さん、よくやった!良かった!良かった!」


そう言って森山先生は一緒に喜んでくれたんだ。

僕もこの話を聞いて本当に嬉しくて喜んだんだ。


でもね、まだ実技の卒検が残っているのを小春さんはこの時忘れていたんだよ。

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