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小春さんの教習所ライフ  作者: おりさくみづき
12/12

12 ドライブ

小春さんは今日、雷雨の中、東北自動車道を優斗の車で走っていたんだ。

免許を取ってから初めてのドライブだった。


小春さんと僕と優斗の3人で優斗の田舎の仙台まで車で行くことになったんだ。


小春さんは僕に猫用ハーネスを付けると後部座席のシートベルト付きボックスに僕を入れた。


僕はご機嫌だった。

優斗もご機嫌だったんだ。


でも、初めてのドライブなのに外は激しく雨が降ってて、風も強かったんだ。


小春さんはこの雷雨の中、ワイパーを付けても前が余り見えない状態だったのに運転してたんだ。


小春さんは別に怖くはなかったみたいだった。

優斗のレガシィはアクセルを踏めば踏むほどよく走った。


これが小春さんにとってはとても快感だったんだ。

小春さんはある意味、スピード狂っぽかった。


優斗は相変わらず、窓の上に付いてる取っ手につかまってたけどね。

ちょっと笑っちゃった僕だった。


小春さんは東北道を北に車を走らせて行った。

暫く走った後、白石のインターで降りて、4号線を走ったんだ。


一般道に降りてからも、小春さんはスピードを落とさなかった。

と、言うか落とすことを忘れていたんだ。


すると優斗がこう言ってきたんだ。

「小春さん、ここ一般道だからスピード落とさないと捕まるよ~」


「え?そうだっけ?」

「そうだよ~」


またしてもちょっとボケてる小春さんだった。

「免許取り立てで違反なんて洒落にもならない…」と、思った小春さん。


徐々にスピードを落としていった。

雨は4号を走るころには止んでいたんだ。


空が明るくなってくるのが分かった。

小春さんはとても気持ちよく運転していった。


4号を仙台に向かって走っていく。

道路はずっと真っすぐに感じた小春さんだった。


仙台は杜の都と言われるくらいにとても緑が沢山あって綺麗なところだった。

僕は車の中の窓から外を眺めながら見ていたんだ。


優斗の実家は松島にあったんだ。

そこまで小春さんは運転していった。


松島に入ると、磯の香がしてとても気持ち良かったんだ。

海辺には松島を回る遊覧船が浮いていたのが見えた。


お天気はさっきとは打って変わって良い天気になってたんだ。

優斗の実家は松島の浜辺の近くで、ちょっと入り組んだ道を入っていった。


小春さんは、優斗の実家の駐車場に車を入れた。


このころになると、ちゃんと車庫入れもできた小春さんだった。

でも、縦列駐車は苦手な小春さんだった。


それは今も変わらない。

こうして、無事に優斗の実家まで行くことができたんだ。


小春さんは教習所通いの頃の事を思い出していた。

とても楽しい時間だったと思っていたんだ。


そして、今日も小春さんは僕を車に乗せてドライブを楽しんでいる。



おわり。

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