表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掌編集1 幻の都市とスーツ人  作者: 阿久沢牟礼
3/10

芋虫に人だかり

 大勢が集まって何をしているのかと見てみれば、一匹の芋虫を眺めているらしい。



 人だかりをかき分けてその中心をのぞくと、小指ほどの大きさの、緑色をした芋虫が地面をせっせと這っている。幾分焦っているようで、一刻も早く心休まる木陰に入りたいといった様子。



 しかしなぜ人々はこの、何の変哲もない芋虫に寄ってたかって注目しているのだろう。



 不思議に思われて人だかりから抜け出て、外から全体を眺めてみたものの何もわからない。ただただじっと地面に見入っているようだ。



 そうして人だかりを眺めているとまた、どうにも信じられないような気になってくる。


 さっき見たのは何かの間違いではないか、と思えてきたのでまた人だかりをかき分けてその中心をのぞいてみたのだが、やはりそこには一匹の芋虫がいて、地面をせっせと這っている。



 確かに彼らはこの芋虫を眺めているのには違いないと確信して、また人だかりから抜け出て、外から全体を眺めてみたものの、腑に落ちない感じはどうにも拭い去ることができない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ