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掌編集1 幻の都市とスーツ人  作者: 阿久沢牟礼
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大量破壊個々人兵器

 小さいくせにものすごく強力な兵器で、それが発動すると地殻が吹き飛びマントルが露出するほどのものらしい。

 それほどの規模になると一撃で人類はおろか、多くの生物を大量絶滅させかねない。


 なぜこのような兵器を世に生み出してしまったのでしょう。


 と聞くと、医師は答えた。


 端的に言うと、抑止力のためです、敵対する者同士がお互いに世界を滅ぼしかねないほどの兵器を持っていれば、双方ともに争いを自重せざるをえないでしょう、そうすると、敵対ということそのものがやがてなくなるわけです。

 そう言われても腑に落ちなかった。


 情報の行き違いや単純な間違いもあるだろうし、自暴自棄に駆られた者がスイッチを押さないとも限らない、そう考えるとこの兵器は、世界をとても危うい状態にしてしまったのではないですか。


 と反論すると、医師は言った。


 そのような大きな危機を一人一人が背に負えばこそ、人々はより賢明で思慮深くあろうと自らを律するようになるわけです、いわば兵器は、人々へ次なる進化を促すための鍵なのです。

 言い終えると医師は有無を言わさぬ笑みを向け、一枚の書類を提示する。


 それでは、手術に同意していただけますね。


 同意はします、というか、せざるをえません、ところで、この兵器を起動させるにはどうすればいいのでしょう。


 最後に一言問うと、医師は笑みを崩すことなく言った。


 それはこの社会における最重要機密です、わたしにもわかりません。

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