七変化
ピロリン
ベルの脳裏に音が響いた。
そしてあの女神の声がする。
新しいタレントを得ました。
「七変化」を得ました。
自分を老若男女及び小動物に変身することができます。
この場合、変身を解くのは任意です。
また、人を24時間だけ、指定した人間の姿のすることができます。
その場合、対象者に変身させる人間を見てないといけません。
(なんだって……じゃあ、女に変身できるのか?)
(はい、この状況ではそれにふさわしい女の子の体になることができますわ)
女神がそう答えた。いつも淡々と説明するだけなのにこの女神、実はベルの声が聞こえているらしい。これまで全く反応しなかったのに今は受け答えをしている。
(ベル様、このタレントならこのピンチをしのげますですわ)
タレント解放の声が聞こえるクロコがそう急かす。今、ベルがタレントの力を使わないとシャーリーズが全てを晒さないといけないことになる。
(シャーリーの裸を見られるのは僕だけだ!)
ベルはこのタレントの発動に感謝した。非常にご都合主義であるが、駄女神はいつもよいタイミングでベルのタレントを開放する。8番目のタレントである。
(タレント解放、七変化。今すぐに17歳の女の子に変身する)
タレントの力が発動する。同時にベルの体が変化する。
「うっ……」
ベルは体が熱くなるのが分かった。
「どうした、娘よ」
ベルの尋常じゃない様子にグリードが声をかける。
むくむくと体が変化していくことがベルには分かる。特に胸がぎゅんぎゅんに膨らんでくる。それを両手で抑える。完全に変化するまで10秒ほど。ベルは体が変わり切るまで待つ。
(完全に変わった!)
ベルはすくっと立ち上がり、グリードたちを下からにらみつける。
「ううう……。それ以上はカリナ先輩が可哀そうです。このシャイナが脱ぎます!」
ベルはそう言うとワンピースを脱ぎ去った。ブラジャーもタイツも脱ぎ散らかし、そしてパンツも脱いだ。それをくるくる回して投げつける。
そして両手を腰に当てて仁王立ちした。
「これでどう!」
ベルは真っ裸になってそう叫んだ。
どうせ変身した体であるから、羞恥心もない。
「うっ!」
「ほう!」
「おおお……」
ベルの潔過ぎる脱ぎっぷりに多少の幻滅感を覚えた3人であったが、目的を達して満足した。というか、内心はいっきに冷めた。冷めたがそれを口に出すのは男のプライドが許さないので強がりでごまかす。
「いいだろう。その脱ぎっぷりに免じてそっちは許してやろう」
グリードはそう言ってシャーリーズがそれ以上の脱衣することを止めた。さすがにこれ以上のセクハラは衛生隊から抗議をされ、処罰を受ける可能性があった。抗議はいつものように聞き流せばよいが、どうせ抗議されるならこの程度では損だと考えたようだ。
「服を着ろ。間もなく取り調べが終わる。手当をしてやれ」
そうグリードは冷たく2人に命じた。
彼はさらに20分間、アーレフに対して拷問を行った。




