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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 最終章 本当の敵
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世界を救おうとした者の末路




(よし、あいつらのあと追うか!)


傷を治し、体力も万全になった慎也は再び街を目指して走り出す。


(・・・やっぱり話すべきなんかな。あいつが出て来た以上何も話さないってわけにもいかないしな・・)


慎也は自分が別の世界から来たことを仲間に話すかどうか悩み始める。慎也の中ではあの男が現れた以上、何も事情を教えないまま戦うわけにはいかない、という思いがある。しかしそれと同時に・・


(別の世界から来たって言って、気持ち悪がられないかな)


今まで築いてきた絆が、慎也が事情を話したことで崩れないかという不安も同時に生まれてしまう。


(・・・聞かれたら言おう。別に無理に話す必要なんてないしな)


この行為は側から見たら逃げなのだろう。しかし今の慎也にとって絆が崩れることが何よりも怖いのだ。


(とにかく今は急ごう。ライルたちも待ってるしな)


そう思い、慎也は走る足を速めた。









「やっと着いた・・!」


あれから10分ほど経ち、慎也はやっとの思いでギルドの前にたどり着く。慎也は勢いよく扉開けて、中を見渡す。


(ライルたちは・・)

「おーい!慎也こっちだ!」

(あっちか!・・・ってレイルさんもいるのかよ)


慎也の視線の先にはライルとリアだけでなく、なぜかレイルもそこにいた。


「ライル!エリシアさんは帰ってきたか?」

「ああ。お前が帰ってくる前に『テレポート』で帰ってきたんだが・・」

「だが?」

「エリシアさん、その時かなりの傷を負っていて、今救護室で休ませています」

(そうなのか。エリシアさんには感謝しないとな)


慎也はエリシアに対して感謝と同時に少し申し訳なさを感じている。すると真剣な面持ちでレイルが慎也に歩み寄ってくる。


「なあ慎也君?」

「・・・なんですかレイルさん?」

「何があったのか2人からある程度は聞いたよ。だがまだ聞きたいことは残ってる」

「・・・あの男の正体ですか?」

「それもあるよ。それともう1つ、なぜ君が狙われたかだ」

「ですよねー」


くるとわかっていたであろう慎也は白を切らずに諦めた感じで返事をする。


「エリシアを圧倒するほどの力を持った人間、そんな奴がいたら世界中にすでに知れ渡ってるはずだ。なのにこの私は愚か、エリシアですら知らないときた。そしてあちらは私とエリシアではなく、慎也君だけを知っている。これはどういうことか説明できるかい?」

「できますよ。ではまず、あの男が何者なのかを説明します」


そして慎也は皆に『ブーストアイ』から聞いた話を話した。









『こっからは俺の言う、最悪な続きを話す。むしろこっちが本命だ』

(バルシムって奴は死んだのに続きもくそもあるか?)

『あるんだなそれが。なんせバルシムは死んでないからな』

(は?でもお前さっき死んだって)

『それはあくまで伝説上での話だ。実はバルシムは死ぬ直前に"神"と名乗る者に魂ごと体を別の場所に移されたんだ』

(神?名前は名乗らなかったのか?)

『名前は聞いてない。ただそいつは神としか言わなかったからな。そして神はバルシムに問うた。「この世界に救う価値があるのか」と』

(それ救うつもりで魔王に挑んだ奴に聞くか?)

『それでバルシムはこう答えた。「俺が魔王に挑んだのは世界を守るためだけじゃない、仲間や家族、そして今までの旅で出会ってきた人々を守るためだ」ってな』

(かっこよ。俺もいつか似たこと言ってみてえわ)

『それを聞いた神はバルシムにある映像を見せたんだ』

(映像?)

『そこにはバルシムの死を悲しむ仲間たちが映し出された』

(へぇ〜、良い仲間じゃん)

『バルシムも最初は嬉しさのあまり涙を流したさ。しかし仲間の1人の発言でバルシムの気持ちが一瞬で消し飛んだ。









『金稼ぎの道具、無くちゃったな。また新しいの探さないと』ってな』

(・・・・は?)

『それに続き他の仲間たちも次々と同じようなことを口にしてな。すぐさまバルシムは『こんなのは嘘だ!』って神に言ったんだ。すると神は今度はバルシムに自分の家族の様子を見せたんだ』

(家族はさすがになぁ?)

『残念。家族もバルシムを高い地位に行くための道具としか見てなかった。さらにバルシムには妹がいるんだが、妹に関してはバルシムを脅しの材料にしていろんな奴から金を奪ってたんだ』

(まじ、かよ・・)

『それからも神はバルシムに今まで出会ってきた奴らのその後を見せていった。そいつらもバルシムを道具だのなんだの言っててな。それにつれてバルシムの心が壊れていったんだ』

(そりゃあ壊れる・・・・あれ?てかさっきからお前普通に話してるけど、なんでそんなこと知ってんの?)

『言ってなかったか?・・









俺は元々"バルシムのスキル"だぞ?』

(・・・・え、急にすごいカミングアウトするじゃん)

『話す機会が無くてな。んで続きになるが、心が壊れたバルシムは次第に仲間を、家族を、守ろうとした人々を、そして世界を、憎むようになったんだ。そしてそんなあいつを見て俺はあいつの体から離れ、あいつのスキルをやめた。その後の奴は知らん』

(え?離れることできんの?)

『意思を持つスキルは全てできるぞ。まあまだてめえから離れる気はないがな』

(それはよかった。てか今この話をするってことはもしかしてあの男って)

『ああ。正直目を疑ったが、間違いねえ。あの男は紛れもなく俺が最後に見た・・








      憎しみに塗れたバルシムだ




今回で判明したことまとめ!


1.慎也を襲ってきた男はかつてこの世界にいたバルシムという男だった!


2.『ブーストアイ』は元々バルシムのスキルであった!


こんなところかな?

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