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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 最終章 本当の敵
90/211

遭遇




それは突然だった。


「・・・ん」


いつものように慎也は泊まっていた宿の一室で目を覚ますと、体を起こして伸びをする。


(さーって、今日もがんば・・・ん?)


ベッドから降りる時に慎也は枕元に手紙のような物が置かれているのに気づき、手に取る。


「なんだこれ?中身見ちゃっていい感じかな?」


少し迷った後、「まあ俺宛てだろうしいっか」と思い、手紙を開く。


「えーっとなになに。村上慎也様へ、結界が壊され・・・・・はぁ!?」


その手紙にはこう書かれていた。




「村上慎也様へ


 結界が壊され、侵入を許してしまいました。おそら

 く侵入者はいずれあなたの元に来るでしょう。どう

 かお気をつけください。


                メリエヌスより」











「・・・」

「・・おい慎也」

「・・・」

「慎也!」

「え、あ、なんだ?」

「どうしたんだよお前」

「いやちょっとな」


あれから慎也はライルとリアと共にクエストの目的がいるオークの森に来ていた。


「慎也さん、どこか体調でも悪いんですか?」

「大丈夫大丈夫」

「ほんとにか?ならいいんだが」

「ほら、さっさとオーク倒してBランクに上ろうぜ」


今朝のことを忘れ、気持ちを切り替えようと慎也はオーク探しに専念する。


「慎也さん大丈夫かな?」

「まあ本人がああ言ってんだから大丈夫だろ。ただまたさっきみたいにぼーっとしてたら今日のクエストは休もうぜ」

「・・・それもそうね」

「お前ら!んなところで喋ってないでさっと来い!でないと置いてくぞー!」

「あーちょっと待てー!」


先に行っていた慎也を追いかけて2人は駆け出す。すると急に慎也が止まり、ライルとぶつかってしまう。


「おい置いてくって言っておきながら急に止まんなよな!」

「・・・来るな」

「来るって何がですか?」

「お前ら、武器構えとけ」

(数は3・・いや4か。それにこの気配オークじゃなさそうだな)

「・・・!右だ!」


慎也がそう言った瞬間、右の茂みから紫色の体毛をした犬の魔物が4匹飛び出してくる。そのうちの1匹が慎也に噛みつこうと飛びかかるが、慎也は瞬時に横に飛んで躱す。


(こいつ見覚えが・・)

「ポイズンドッグじゃねえか!?」

「Bランクの魔物ですよ!どうするんですか慎也さん!」

(ポイズンドッグ・・・あー思い出した。たしか戦争の時にハーツさんたちが戦ってた奴か)

「逃してくれそうもないし、やるしかねえか。俺がこっちの2匹やるから、お前らは残りをやれ!『アースブロック』!


慎也は自分が倒すと言った2匹を土の塊で残りの2匹と引き離し、遠くへと誘導する。


「健闘を祈っとくー!『アースブロック』!」

「倒したら帰ってこいよー!」

「おう!」


そう言って慎也はその場からポイズンドッグ2匹と共に離れていった。









「・・・ここでいいか」


少し開けた場所に出た慎也はそう呟いて立ち止まり、ポイズンドッグたちが来ているか確認する。


(お、ちゃんと来てるな)

「『アクアファイヤ』」


ポイズンドッグが来てることを確認した慎也は2匹に無数の水の球を放つ。しかしポイズンドッグたちはそれを次々と躱していく。


(やっぱ動き速いやつには当たんねえか)

「ガァウ!」

「やべ」


全て躱し切った1匹のポイズンドッグが慎也に飛びかかってくる。それを慎也は体を傾けて躱すが、そこにもう1匹が爪を立てて飛びかかってきたため、すぐさま後ろに飛んでそれを躱した。


(たしかにこいつらは動きが速くて面倒だが、剣を使うほどではないな)

「『アースブロック』」


慎也は5つの土の塊を2匹放つ。すると1匹は走って躱すが、もう1匹が上に飛んで躱す。


(しめた!)

「『エアブラスト』!」


それをチャンスだと思い、慎也は風の球を飛んだポイズンドッグの下に放つ。そのポイズンドッグは着地できずに『エアブラスト』の風で上空に吹っ飛ばされてしまう。


「終わりだ。『ドラゴンフレイム』」


そう唱えると慎也の右手から竜の形をした炎がポイズンドッグに放たれる。空中で身動きが出来なかったポイズンドッグはそのまま炎の竜に焼き死ぬ。


「はーい1匹ダウン!」

「ガァァウ!」

「いやもう無理だろ諦めろ」


仲間がやられてもポイズンドッグは諦めずに慎也に攻撃し続ける。その姿勢に少し感心しつつも、慎也は余裕そうに攻撃を全て躱していく。


(勝機がなくても諦めないか、俺そういうの好きだぜ。だから・・)

「今回は見逃してやるよ。『エアブラスト』」


飛びかかってきたタイミングで慎也は風の球を放ち、ポイズンドッグを遠くへと吹っ飛ばす。それによって木に打ち付けられたポイズンドッグはさすがに諦めて慎也に背を向けて逃げて行った。


「さーてと、それじゃあライルたちと合流するか」


そう言い、慎也は自分が来た道を歩き出そうとした。













「おいそこのガキ!ちょっといいか?」




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