レッツ登山
翌日、道中は特に何事もなく3人は目的である覚輪花がある山に到着した。
「なんかあっけなくついてしまったな・・」
「なんで少し残念そうなんですか」
「いや、もう少しこうなんかあると思って期待してたんだけどねぇ・・」
「期待すんなよ。てかこれからドラゴンの巣に入るんだぞ?」
「お、そうだった!それを考えるとなんだかワクワクしてきたな!」
「あのーすみません。ワクワクしてるところ悪いんですが」
「ん?どうした?」
「これどうやって登るんですか?」
3人の目の前には軽く60mはある高さの特にこれといった入り口はない山がそびえ立っている。
「・・・レイル、入り口とか階段はないのか?」
「いろいろと事前に調べたが、特になかった」
「へぇ〜そうなんですかぁ・・・とはなりませんよ!え、じゃあどうするんですか!」
「そんなの簡単だよ。ハーツ君、矢借りるよ」
「ああいいが、何すんだ?」
「もちろん、登山!」
そう言うとレイルは剣を抜いてその剣を自分より上の方に突き刺す。そして少し登ってから次にハーツから借りた矢を剣より上のところに突き刺す。
「こうやって進んでいけば、いずれは着く」
「それ今日中に着きますかね?」
「ゆーて数十mの山だろう?かかっても3時間くらいで着くさ」
「はぁ、仕方ねえか。ほいっ慎也」
ハーツは慎也に矢を渡すと弓を口に咥え、両手に矢を持ってレイルと同様のやり方で登り始める。
「ほら!慎也君も!」
「えぇ・・」
(まあ別に高い所が苦手ないけど、好きってわけでもないしなぁ・・)
「早くー!」
「あーはいはいわかりましたよ!」
慎也は渋々ハーツからもらった矢を突き刺そうとする。すると矢はなぜか弾かれてしまった。
「ちょ、レイルさーん!それどうやって山に刺してるんですか!」
「矢に魔力を込めて強度を上げてるんだよ!慎也君もそれぐらいは出来るだろう!?」
「なるほど」
慎也は矢に魔力を込めて、もう一度山に突き刺そうとする。すると今度は弾かれることもなく矢は突き刺さった。
「で、ここで少し登ってから剣を刺すっと」
(弾かれたら困るし魔力込めとこ)
剣にも少し魔力を込めてから慎也は2人と同様に山を登って行く。
「よし、それじゃあ覚輪花まで直行だ!」
こうして3人は山を登るのであった。
数分後。
「おーい!慎也くーん!」
「な、なんですかー?」
「見るからにキツそうだが大丈夫かーい?」
「大、丈夫、ですよ!」
慎也は2人と違いそこまで体力はそこまで多くなく、20mの辺りから慎也のペースが落ちていき、慎也と2人との間には10mほどの間があった。
「んー、どこかに休める休憩地点とかないものだろうか」
「エリシアみたいに魔法で足場が作れればな・・」
「というかハーツ君、よく弓を咥えているのに普通に喋れるね」
「冒険者の頃に何回かこういうことがあったし、慣れだろうな」
「へぇ〜」
「俺のこと忘れてません!?」
「ちゃんと考えてるから安心したまえ。と言っても、休める場所がないから自力で上まで行くしかないんだが・・」
「まあそれしかないな」
(マジか〜、そろそろ腕も限界なんだが)
「頑張れ慎也ー!」
「あ、ちなみにこっから落ちたら最悪死ぬからねー!」
(最悪も何も即死だろ・・・いや即死なの俺だけか。あの2人は普通に生きてそうだな)
「とりま頑張るしかないか」
慎也は気合いでなんとか登り始めるが、一瞬でも気を抜いたら即落下という感じで慎也の腕も体力も限界を迎えている。
「それじゃあ私たちも進もうか」
「ああ」
それからも3人は順調に山を登って行った。
さらに数分後。
「お!何か建物が見えてきたよ!」
40m辺りのところで頂上であろう場所に何かの建物を発見したレイル。
「あれは・・・神殿か何かか?」
「あんな上空に神殿があるなんて聞いたこともねえぞ」
「だが雰囲気的にあの中に覚輪花がありそうではあるね」
「だな。慎也ー!もう少しでゴールだぞー!」
「やっとですか!」
(そんじゃラストスパート頑張るか!)
慎也はペースを上げて2人との距離を徐々に詰めていく。
「おー慎也君のやる気が!」
「ゴールって聞いた瞬間すごい勢いだな」
「私たちも負けられないよ!」
「これ競争だっけ」
「ビリは今日の晩御飯奢りな!」
(ビリの人可哀想だな・・・って今俺か!)
突如始まった競争。正直みんな興味ないと思うので割愛。
「はーい私1ばーん!」
神殿の入り口の前に最初に着いたのはもちろんレイルだった。そのあとに続くようにハーツと慎也が同時に到着する。
「はぁ・・はぁ・・」
「レイル!どっちが先だ!」
「同時だったよ。ということで奢りは無しってことで」
(平和に終わったぜ)
「それじゃあ扉を開けるよ」
「え、もうですか!?」
「よいしょ!」
休む暇もなくレイルは神殿の扉を開けた。中はこれといった明かりもなく暗闇が支配している。
「暗いな」
「ちょ、待ってくれ!」
レイルを追いかけるように神殿に入って行く2人。するとその瞬間、壁にかけられていた多くの照明が光り出す。
「そういう仕組みか」
(中は思ったよりきれ・・・っ!?)
中が照明がついたことによって、3人は奥にいる竜に気がつくのであった。




