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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第四章 大切なもの
52/211

この平穏な日々に永遠はない




「あ〜くっそ頭痛いぃ」

「そりゃあ未成年が酒を飲めばそうなるよ」


翌日。慎也とアイクはハーツからの次の指示を聞くためにギルドに向かっていたのだが、慎也はあれからも酒を飲んでしまい人生初の2日酔いを経験してしまう。


「てかミリユさんは?あの人も相当な量飲んでたでしょう?」

「ミリユさんなら2日酔いで見事に倒れてるよ」

「あの人は休んでいいのに俺はダメなんですか?」

「慎也くんは軽度な頭痛だけでしょ?ミリユさんはそれに加えて吐き気とかもあるらしいからね。でも治り次第こっちに合流するとは言ってたよ」


ミリユは慎也と違い多量の酒を飲み、現在宿で見事に2日酔いで寝込んでしまっている。


「あの人酒いっぱい飲むくせに弱いんですね」

「今後お酒はほどほどにしてほしいよ・・・・あ、ほらついたよ」


ギルド前についた2人は入ってすでに集まっていた同じグループの冒険者たちに事情を説明する。


「まあ昨日あんだけ飲んだらそうなるわな」

「俺はもう昨日の時点でこうなるんじゃないかと思ってたわ」

「まあそういうわけだから、今日は代理で誰かリーダーをやってもらいたいんだけど、誰かやりたい人いるかな?」


アイクの問いかけにはもちろん誰も応じない。


(でしょうね。リーダーなんて誰もしたくないし)

「誰もいないか・・・・ならしょうがない、慎也くん頼めるかい?」

「は!?なんで俺が!?」

「昨日酒を飲んだ罰だよ」

(それを言われちゃあおしまいだ)

「わかりましたよ。しょうがないですね」

「ありがとう。それじゃあさっそくギルドマスターに今日の予定を聞いてきてくれるかな?」

「了解でーす」


意思関係なしにリーダーになってしまった慎也は指示を受けるためにハーツの元へと向かう。ハーツのところに行く今はEDグループのリーダーと話していたので、慎也は大人しく待つことにした。


(てか結局ライルたちのリーダーは別のやつがしてんのか。まあそりゃそうか。あんな自己中野郎にリーダーをやらせたいっていうバカはいないだろうし。あいつも少しは改心したかな・・・・お、話終わったみたいだな)


EDグループのリーダーが去ったのを確認し、慎也はハーツ向か・・・


「随分とギルドマスターっぽくなったじゃねえか」


おうとしたところでハーツに赤色の鎧を身につけた大柄の男が話しかける。


「・・・なんか用かディード?」

(うわ急にハーツさんの雰囲気が変わった!仲でも悪いのか?)

「いや別に、てめえの様子を少し見に来ただけだ」

「そうか。ならもう済んだだろ?さっさと俺の前から消えてくれ」

「言われなくてもそうするつもりさ。ただ最後に一言だけ言っとく・・・






戦場であの時みたいな弱音吐くじゃねえぞ」


そう言うとディードという男はその場から去って行った。


(結局なんだったんだあの人?なんか言うだけ言ってどっか行ったけど・・)

「・・弱音なんかじゃねえよ、あれは」

(そしてハーツさんもいつもと雰囲気違かったし、なんだよもう・・・・てか俺ハーツに今日の予定聞くんだった)

「ハーツさーん?」

「ん?ああ慎也か。どうした?」

「今日俺らのグループは何をすればいいのか聞きに来たんですけど・・」

「お前が?それはリーダーの役目だろ?」

「それが・・」


慎也は事情を説明した。


「・・バカなのかそいつは?」

「俺もそれは思いました」

「まあわかった。今日は昨日と同じくお前らのグループはゴブリンの森でゴブリンの駆除を頼みたい」

「了解でーす」

「おう。あと、ゴブリンだからって油断して怪我とかすんなよ?」

「そんなヘマかましませんよ」


そう言うと慎也は自身のグループのところに戻り、ハーツに言われたことをメンバーの皆に伝えた。


「まーたゴブリンかよ!」

「もっと手応えのあるやつをやりたいぜ!」

「まあまあ、当日になったらいくらでも暴れれるんだから、その時まで我慢しようよ」

(血の気多いなこの人ら。俺はゴブリンでよかったって思ってんだけど)

「それじゃあ時間も惜しいですし、さっさと行きましょうよ」

「そうだね、じゃあみんな行こう!」


アイクと慎也を先頭にCBグループの冒険者たちはギルドを出発し、ゴブリンの森へと向かった。









そして時は進み、ゴブリンの森から帰還したCBグループは昨夜と同じくギルドの食堂で騒いでいた。


(よくもまあ2日連続でこんなに騒げるなあ)

「慎也くん、昨日みたいに酒は飲んじゃだめだよ」

「飲むわけないでしょ。てかあれはミリユさんが強引に飲ませてきたんですから、俺悪くないでしょ」

「まあたしかにね〜」

「てか結局ミリユさん来なかったですね」

「どうやら相当キツイらしくてね、明日には治ってると思うんだけど・・」

「そんなに弱いなら飲まなきゃいいのに」

「おーいアイク!お前もこっち来て飲めよ!」

「いや僕は・・」

「行ってきていいですよ」

「・・わかった、それじゃあ行ってくる」


そう言うとアイクは席を立ち複数人で飲んでいるグループに混ざりに行く。


(さてと、俺はさっさと頼んだ飯食って宿に行くか)

「慎也さん、お隣いいですか?」

「エテラさんですか、いいですよ」


自身の食事に手をつけ出したところで、エテラが先程までアイクが座っていた慎也の隣に座る。


「同じグループの方々とはうまくやれていますか?」

「まあまあですかね?悪い印象を持たれてはないと思いますが」

「そうですか」

「というかすみませんね、お出かけの約束果たせそうにありません」

「いえいえ!状況が状況ですし、この戦いが終わった後に行っていただければいいですよ」

「それじゃあ戦いが終わったら絶対に行きましょう」

「わかりました、約束ですよ」

「はい」

「それはそうと、昨日は驚きましたよ。まさか慎也さんがお酒を飲んで酔ってるなんて」

「飲んだといっても強引に飲まされたんですよ。そういえば昨日の俺変なこととかしてませんでした?」

「・・・何もしてませんよ」

「え、何今の間?昨日の俺何やったんですか!?」

「いえ、ほんとに、何も、してなかった、ですよ」

(いや絶対なんかしたじゃん!)


こんな日々を送りながら、慎也は気付かぬうちに「こんな日々がずっと続けばいいと」心のどこかで思っていた。しかし、現実はそうはいかない。時が進み、とうとう魔物たちが攻めてくる日が来てしまった。




とうとう次回は魔物VS人間の戦争だー!勝負の行方をその目で見届けろ!

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