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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第一章 全ての始まり
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第5話 旅立ち




慎「なるほど、だから俺がここにいると」


ア「そゆこと」


慎「それじゃあ早く行きましょう。善は急げです」


ア「・・・」


慎「どうかしましたか?」


ア「あなたまさかとは思うけど、これをまだ夢と思っ

  ていない?」


慎「いやそれはさっき夢じゃないって証明されたじゃ

  ないですか」


ア「でも今の話を聞いた人の反応じゃないでしょ」


慎「お、俺って異世界転移とかそうゆう系の物好きな

  んですよ」


ア「死ぬかもしれないのに?」


慎「それは俺の努力次第っていうか」


ア「それもそうね」


慎「でしよ?だから俺はちゃんとこれは現実だってわ

  かってますから」


ア「へー、じゃあお望み通り転送してもいいのね?」


そういうとアティスは慎也の足下に人差し指を突き出す。すると、慎也の足下に直径2mほどの魔法陣が出てくる。その魔法陣を見た慎也は言葉では何か神秘的なものを感じ取ると同時に、それを感じた慎也の体がこれは現実だと脳に伝達した。


ア「それじゃあ頑張ってね!ワー・・」


慎「えっ嘘!?これマジじゃん!?ちょっと待っ

  て!」


ア「なによ。早く行こうって言ったのはそっちじゃな

  い」


慎「いやまさかマジとは思わないじゃん!てっきり話

  終わったらこの変な夢も覚めると思ったんです

  よ!」


ア「これは夢じゃありませ〜ん。では世界救出旅行に

  レッツ・・」


慎「ちょっと待ってください!まだ心の準備が出来て

  ません!」


ア「何よまったく。度胸がないわね」


慎「だって信じたくないですよ!俺の意思で世界の命

  運決まるとか。それにしくじったら俺絶対死にま

  すし!」


ア「いやまあ気持ちもわかるけど、現実だし仕方ない

  よ」


慎「面倒なんで現実逃避していいですか?」


ア「目を背けちゃダメよ。誰にだっていつか現実と向

  き合わなきゃいけない時が来るんだから」


慎「いや中1の俺にはその言葉早いって・・・はぁ」


ため息をつきつつ、慎也は現状を整理し始める。


慎(世界救うとか漫画とかアニメで見る分にはいい

  が、いざ自分がやるとなるとめんどくさいことこ

  の上ない。ここはもう断って・・・いや待てよ)


自分の意思を伝えようとした瞬間、慎也の頭の中に最悪の予想と、家族と親友の顔が思い浮かぶ。


慎(・・もし、そのバリアとやらを攻撃してる奴の目

  的がその世界の人たちの抹殺とかだったらどうな

  るんだ?母さんと父さんはどうなる?夏菜と秀斗

  は?・・・これ俺に拒否権ねえじゃん)


慎也はめんどくさそうにため息をつく。しかしその頭の中には『家族と親友を守る』というたしかな意志があった。慎也は一度深呼吸をし、そして真剣な顔でアティスに向き直る。


ア「同一人物かを疑うくらいの顔ね」


慎「それはひどくないですか」


ア「まあとにかく・・どうやら決まったみたいね」


慎「その前に一つ、さすがに報酬なしで世界救うほど

  俺は良い人じゃないんで救った際は何か報酬が欲

  しいです」


ア「まぁそうよね、あなたがそういう人間だってこと

  は知っていたから。それで、何が欲しいの?」


慎「それは・・」


そして慎也は報酬について話した。それを聞いたアティスは険しい表情をした。


ア「あなた、自分がなにを言っているのかわかってる

  の?」


慎「はい、分かってます。ですが、世界を移動する上

  で俺はその世界の住人たちと少なからず関わった

  りすると思うんです。そしてその中に親しい関係

  をもつ人ができたとします。しかし僕は他の世界

  の住人、なので世界を救ったらずっとさようなら

  なのでしょう?それはさすがに寂しいのでこの報

  酬を要求しました」


慎(まあ本音を言うと、楽に金稼いで生活できる世界

  あったらそこに移住したい)


ア「まぁあなたの気持ちもわからなくはないわ。わか

  った、先輩たちと話してみるわ・・それで?結局

  救うの救わないの?」


慎「もちろん世界を救いますよ」


ア「あんたの性格だから少し心配したわ」


慎「報酬があるのなら話は別です」


ア「それじゃあ時間も惜しいし、転送するわよ」


そう言うとアティスは再び人差し指を慎也の足下に突き出す。そして先程と同じ大きさの魔法陣が出てきた。


ア「それじゃあいくわよ『ワールドテレポート』」


アティスがそう言うと魔法陣の光が増す。


ア「頼んだわよ、慎也」


慎「わかりました」


その瞬間、慎也の姿はなくなった。慎也の返事がアティスに聞こえたのか、慎也は知らない。しかし慎也の視界に入ったアティスの最後の顔は微笑んでいた。








慎「んっ?」


慎也は自室のベットとは別の感触を感じながら起き上がり、周り見渡して確信した。ここは自身の知っている世界じゃないと。慎也の視界に入ったのは、視野の限界まで広がっている草原。そしてそこにでかでかと建てられた巨大で円形に建てられた広々な石製の塀と、その塀を軽々と越えて塀の内側にそびえ立つ巨大なお城。そしてそのお城周辺、つまり塀の中には広い街があった。そんなファンタジーのような世界を目の当たりにして、慎也は無意識にワクワクしていた。


慎(すげぇ〜。完全にアニメとか漫画の世界じゃん。

  さて、まずどこから行こうか・・・ん?)


慎也は立ち上がると、自分のそばに登山家が使ってそうな大きなリュックが置いてあることに気づく。


慎(何これ?・・・あ、もしかして神様からの贈り物

  とか?だったら嬉しいな)


期待しながら慎也はそのリュックを開ける。中には水筒やら食料、着替えとここら一帯が記載された地図、そして小袋が入っていた。


慎(中から財布を振った時と同じ音が。まさか金か?

  めちゃくちゃファンタジーじゃん!)


小袋を開けると、中には金、銀、銅のメダルがそれぞれ複数入っていた。しかしそれらとは別に、1枚の手紙が入っていた。


慎(なんか大切なことが書いてあるかもしんねえし、

  読むかぁ)


半ば面倒そうに慎也は手紙を開く。






村上慎也さんへ


あなたがこの手紙を読んでいるということは無事に移動できたんですね。


私はこの世界を担当しているメリエヌスという者です。


私からはこの世界の基本的な知識を与えます。まずはこの世界についてです。この世界には約1000年前から、魔王という存在がいます。魔王はこの世界を我が物にするために、魔物を従わせて人類に攻撃を仕掛けいます。そして人類はその魔王に対抗すべく、今まで家などに使っていた資材を使って武器を作り始めました。そしてその武器を持ち、自主的に戦う者たちを冒険者と呼び、国は冒険者を統率すべく冒険者ギルドを国一つ一つに作りました。あと、分かっていると思いますが、あなたの目的は魔王討伐ではなく、この世界に来る侵入者を倒すことです。お忘れのないように。


次はギルドに関してです。

ギルドは先程書いた通り、国に1つに付きギルドが1つあり、この世界に国は16カ国あるので、計16こあります。そしてギルドでは、クエストを受けることが出来ます。その際、どこかのギルドで冒険者登録をした場合、登録したギルドでしかクエストが受けれないということはなく、冒険者になれば全てのギルドでクエストを受けることできます。そしてギルドでは冒険者にランクをつけることになっており、そのランクはその人がどの程度強いのかがわかる肩書きみたいなものです。ランクは上からS・A・B・C・D・Eの順になっています。最初は一番の下のEランクから始まり、受けれるクエストは少ないですが、ギルドから出される課題をクリアするとランクが上がり、受けれるクエストも増えますよ。


次に魔法に関してです。

この世界では、魔法は6つに分けられています。火属性、水属性、風属性、雷属性、土属性、無属性となっております。そして無属性以外の5つの属性にはそれぞれレベルがあります。レベルによって、威力や使う魔力の量が異なっておりますので、ご注意を。


次はお金に関してです。

この世界には白金貨、金貨、銀貨、銅貨の4種類のお金があります。銅貨はこの4つの中で一番安い通貨です。銀貨は1枚につき、銅貨10枚分の価値があります。そして金貨は1枚につき、銀貨100枚分の価値があります。最後に白金貨は4つの中で1番高く、1枚につき、金貨100枚分の価値があり、相当な金持ちでなければ見ることはないほどの価値があります。


最後に地図についてです。それは普通の地図とは違い、あなたがいる場所に応じて内容を変える地図なんです。例えば、あなたが街へ行ったとします。すると街に入った瞬間に今書いてある草原から街の地図になるという、とても便利な物になっております。


あなたは突然の事で頭の中がパニックになっていると思いますが、あなたは私たち神の最後の希望なんです。こんな勝手なことをして図々しいと思いますが、どうか世界をお願いします。


メリエヌスより






手紙はここで終わっていた。


慎「・・はぁ。これは俺が自分の意思でやることなん

  だから気にしなくてもいいのに」


慎也はそう呟き、目の前に見える大きな街へ向けて歩き出した。




メリエヌスの手紙なげえから読まなかった人用に要約↓


・この世界は約1000年前から魔王がいて、それに人

 間が対抗してるよ。

・ギルドがあって、実力によって6段階のランクがつけ

 られるよ。

・魔法には火、水、風、雷、土、無の6つの属性があ

 る。無以外の属性にはレベルがある。

・銅<銀<金<白金の順でお金の価値が決まってる。

・めっちゃ便利な地図が入ってる。


以上です。

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