悪魔の狼
『ふふふ、さあデビルウルフ!あの人間たちを食い殺せ!』
デビルウルフにエリシアたちを殺すことを命令するオークキング。それを聞きエリシアは身構えるに入る。
『・・・』
しかしデビルウルフは命令されても微動だにしない。それどころか、デビルウルフはオークキングの方へと目線を向ける。
『な、なんだよ!お前の相手はあいつらだ!俺じゃねえ!わかったらさっさとあいつらを殺し・・』
『ブォン!』
『っ!?』
オークキングの態度が気に入らなかったのか、デビルウルフは自身の尻尾でオークキングを薙ぎ飛ばす。
『き、貴様!よくも俺のことを!てめえのその体真っ二つに切断して・・』
『グルルルルルル・・ガォン!!』
反撃しようとしたオークキングに、デビルウルフは口から紫色の火球を放つ。
『っ!ちょ、ちょっとま・・!』
気付いた頃にはもう目前まで来ていて、大剣で防御する暇ないオークキング。
『がああああああああ!!!』
火球がオークキングに触れた瞬間、『フレイムボム』とは比べ物にならないほどの大爆発が起こる。それと同時に辺り一体にオークキングの悲痛の叫びが響き渡った。そして爆煙が晴れ、オークキングのいたところを見ると、そこには何もなかった。
「これは・・・かなりに強敵なようですね」
(嘘だろ!?あのオークキングをたった2発でやりやがった!?)
『グルル!』
オークキングが死んだことを確認したデビルウルフは今度はエリシアたちの方に向き唸りだす。
『ワオオオオオオオオン!!』
デビルウルフが遠吠えをあげた瞬間、デビルウルフの周りに6つの紫色の人魂が現れた。
・・・エリシア視点・・・
(・・・来る!)
『ブォン!』
デビルウルフはエリシア目掛けて走り出す。すると、それと同時に6つの人魂が一斉にエリシア向かって飛んでいく。
「『ライトウォール』!」
エリシアは咄嗟に光の壁を貼り、人魂をガードする。人魂が壁に触れた瞬間に人魂が爆発を起こした。しかし攻撃はそれでは終わらない。デビルウルフの右の前足の爪に紫の炎が纏う。その爪をデビルウルフはエリシア目掛けて振り下ろした。
「!・・やはり攻撃力はオークキング以上ですか」
デビルウルフの攻撃を受け、エリシアが貼った光の壁にひびが入る。さらにそこにデビルウルフは尻尾を振り追撃する。その攻撃によって光の壁が完全に破壊される。そして自身を守る壁が無くなったエリシアに、デビルウルフは再度爪に紫の炎を纏わせ、勢いよく振り下ろす。
「『マイグレーション』!」
そう唱えた瞬間、エリシアはデビルウルフの右に瞬間移動して攻撃を躱した。
(こちらからも攻撃しないとですね)
「『アクアファイヤ』!」
エリシアは自身の周りに野球ボール程度の大きさの水の球を出現させる。そして水の球をマシンガンのようにデビルウルフに放つ。しかしデビルウルフは俊敏な動きで水の球を全て躱す。
『ブァァウ!』
回避し切ったデビルウルフは尻尾に紫の炎を纏わせ、体を横に回転させる。すると尻尾の炎が斬撃となってエリシアに勢いよく放たれる。
「!『マイグレーション』!」
すぐさまエリシアは魔法で移動して斬撃を躱す。それを読んでか、デビルウルフは自身の周りに紫色の人魂を出現させ、エリシアが移動したところに放つ。
「『ライトウォール』!」
それに気づいたエリシアは、すぐさま光の壁を貼り人魂をガードする。
(攻撃はどれも強力、さらに動きも素早いし頭も切れる。これはチャントスキルを使わされるかもしれませんね)
「『グランドスピア』!」
人魂を全て防ぎ切ったエリシアはデビルウルフの足下に魔法陣を出現させる。それに気づいたデビルウルフはすぐに後方に飛ぶ。その直後、魔法陣から土で出来た数本のトゲが飛び出してくる。
(あの動きの速さをなんとかしないとどんなに攻撃しても当たりそうにありませんね。ですがなんとかすると言っても、拘束系の魔法も回避されそうですし、何かこの状況の打開策はないものでしょうか・・)
『ワオオオオオオオオン!』
遠吠えと共に、デビルウルフの周りに紫色の人魂が出現する。しかし今回は人魂だけでなく、デビルウルフの頭上に紫の炎で出来た槍が現れる。
「『アクアファイヤ』!」
エリシアも応戦するため複数の水の球を出現させ、デビルウルフに向けて一斉に放つ。それと同時にデビルウルフもエリシアに向けて紫色の人魂を放つ。両者の攻撃がぶつかり合い、相殺し合う。そして両者ともに攻撃が終わると、デビルウルフが紫の炎の槍を放つ。
「『ライトウォール』!」
すかさず光の壁を貼るエリシア。しかし、炎の槍はエリシアの貼った壁を貫通して、エリシアに向かっていく。
「!」
エリシアは間一髪で頭を傾けて槍を回避するが頬を掠ってしまい、そこから血が出てきて頬をつたう。
(少し反応が遅れてたら死んでましたね。さすがにこちらもそろそろ本気を出さないといけませんね)
「ふぅ・・・『マジックブースト』」
エリシアは自身に強化魔法をかけ、魔法の性能を上げる。
「さあ、反撃開始です!『アイスメテオ』!」
エリシアがそう唱えると、エリシアの頭上に大きな水色の魔法陣が現れる。そしてその魔法陣から、かなりの大きさの氷塊が出てくる。
「とっておきですよ!」
エリシアはデビルウルフに向けて杖を突き出す。すると氷塊がデビルウルフ目掛けて勢いよく放たれる。
『グルルルルルガァウ!』
それをデビルウルフは躱すことをせず、尻尾に紫の炎を纏わせて、尻尾でサマーソルトを繰り出し氷塊を真っ二つに切断する。
「まだまだ行きますよ!『アクアファイヤ』!」
今度は自身の周りに水の球を出現させ、デビルウルフに連射する。しかしデビルウルフもまた、俊敏な動きで水の球を躱していく。
(やはり避けられますね。なら!)
「『グランドスピア』!」
デビルウルフが躱すことを予測していたエリシアはデビルウルフが躱した先に魔法陣を出現させる。さすがのデビルウルフも、それは予測出来なかったのか慌てて後ろに飛び、魔法陣から出てくる土のトゲを回避する。
(今です!)
「『フレイムボム』!」
後ろに飛んだことで、空中で身動きが取れないタイミングでデビルウルフに魔法を放つエリシア。
『ガァォン!』
エリシアの放った魔法は見事デビルウルフに命中し、爆発が起こると同時にデビルウルフが撃墜する。
「これで終わらせましょう」
そう言うとエリシアはデビルウルフに向けて杖を突き出し、自身に残っている魔力の半分を杖に込める。
(喰らいなさい!火属性最強魔法!)
「『エクスプロージョン』!!」
そう唱えると、杖の先端の水晶の前にオレンジ色の魔法陣が現れる。そしてその魔法陣の前に杖に込められた魔力が出てきて、1つの球を作るように集まり出す。そして最終的に太陽のように炎を纏った橙色の球が生成される。
「はあああっ!」
生成されたのと同時に橙色の球は勢いよく倒れているデビルウルフに放たれる。一方デビルウルフはなんとか立ち上がり、エリシアを視界に入れようと辺りを見渡す。しかしデビルウルフがエリシアの方向見た頃にはもう『エクスプロージョン』がデビルウルフの顔の前に来ていた。
『ワオオオオオオオオン!!』
『エクスプロージョン』がデビルウルフに触れた瞬間、辺り一帯を焼け野原にするほどの超爆発が起こる。そして辺りに、爆発に苦しむデビルウルフの遠吠えと、とてつもない爆音が響き渡る。
「はぁ・・はぁ・・これで、どうです、か・・」
さすがに魔力を使い過ぎたのか、足がもつれ倒れそうになるエリシア。
「おい、エリシア大丈夫か!」
「はい、なんとか」
「そうか・・・よし、ならさっさと離れよう。さすがにそろそろ慎也が限界だ」
「そうですね、早く傷を回復させないと。あとハーツさんもですよ」
「俺は大・・・丈夫じゃないな。エリシア、テレポート用の魔力は残ってるか?」
「残ってますが、今ここで回復したほうがいい気がしますよ」
「アホか、それだとお前の負担大きすぎるわ。お前も今の戦いで魔力相当使ったんだろ?なんせ『エクスプロージョン』使ったんだから」
「たしかにそうですね。わかりました、では今そっちに行きますね」
エリシアは『テレポート』を使用するためにハーツと慎也の方に駆け寄ろうと走り出した。
「っ!待てエリシア!こっちに来るな!」
「え?」
しかしそんなエリシアをハーツは声を上げて静止させる。それと同時にハーツは慎也を目一杯の力で出来るだけ遠くに投げ飛ばし、自身も地面を蹴ってその場から出来るだけ離れる。
「があああああ!!」
その瞬間、ハーツがいたところに紫色の火球が放たれる。そして地面に触れた瞬間火球は大爆発を起こし、直撃はしなかったものの、至近距離で爆発を喰らい、ハーツはかなりのダメージを負う。
「ハーツさん!!今のはまさか・・・!?」
エリシアは火球が飛んできた方向を見る。そこには、ボロボロになりながらも立ち上がっているデビルウルフがいた
自分で書いててなんだけど、3章が長くなりすぎてる。まあ予定としては次話で終わらせるつもりだけどね




