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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第三章 仲間を想う力
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救世主たち




「はぁ・・はぁ・・あと・・・少し・・!」


慎也と別れてから草原に向かったリア。そしてとうとう草原まで数mというところまで来ていた。


(早く、助けを呼んで慎也さんを助けないと!スキルを使ってるとはいえ、あのオークキング相手じゃいつまでもつか!)


リアはすでに体力に限界が来ている。にも関わらず、ここまで頑張れるのは、今リアが慎也に対して抱いている思いゆえなのか・・・

そして、草原はもう目前。


(よし、あとは助けを!)


しかし、リアがそう思った矢先に、前方の茂みからある者が出てきた。


(あれはオーク!?なんで、慎也さんが全部倒したんじゃ!?)


1体の斧を持ったオークが、不敵な笑みをリアに向けながら茂みから出てきた。しかも1体だけじゃない、あとから剣を持ったオークが2体、杖を持ったオークが2体と、合計5体のオークが茂みから現れた。


(逃げなきゃ!私だけじゃオークなんて相手にできないし、ああもうあと少しだったのに!)


リアはUターンして、オークたちから背を向けて走り出す。しかしそんなことをオークたちは許してくれらはずもなく、逃げるリアを追いかける。


(雰囲気的に分かってたけど、やっぱり追いかけてくるよね。このまま逃げてもいずれ追いつかれるのがオチだし・・)

「『ファイヤーボール』!」

(魔法で出来るだけ距離を広げないと!)


リアは1番近い斧を持ったオークに魔法を放つ。そのおかげでオークは立ち止まり斧で魔法をガードする。


(とりあえずはこれでよし!あとはオークたちに気づかれないようにうまく回り込んで、草原に出よう)


リアは後ろを確認しながら森を駆け抜けて行く。すると杖を持った2体のオークが同時に氷の刃をリアに放つ。


(やばっ、躱さなきゃ!)


リアは姿勢を低くして氷の刃を避ける。しかしそれでは終わらず、火の球や風の球が次々と放たれていく。


(あのオークたちは手加減というものを知らないの?そろそろ脚が・・)


その時、リアの脚がもつれて思わず転んでしまう。


(やばい、早く逃げなきゃ!)


リアは慌てて立ち上がろうとするが、すでに手遅れ。リアを1つの影が覆う。その瞬間リアは顔を青ざめ、ゆっくりと後ろに振り返る。そこには、不敵な笑みを浮かべ、見下ろしているオークがいた。


(ああ・・・ああ・・!)


リアの顔が、脳内が絶望に染まる。そしてオークは震えるリアの体に手を伸ばす。


「い、いや!」

(助けて、慎也さん・・!)












「『アイスブレード』」


その瞬間、リアの前にいたオーク全員の頭に氷の刃が突き刺さった。


(・・・え?)


何が起こったのか理解が追いつかないリアは、氷の刃が飛んで来た方向に目を向ける。


「はぁ・・これだから魔物は嫌いなんですよ」

「こっわ。お前だけは敵にまわしたくないわ」


そこにはエリシアとハーツがいた。









・・・エリシア視点・・・


(それにしてもゴブリンといいオークといい、なんで人間の女性を狙うんでしょうか。繁殖するなら同種族の雌を使えばいいのに)

「はぁ・・」

「おいお前!怪我ねえか?」


リアに駆け寄るハーツを追いかけるエリシア。


「だ、大丈夫です」

「それなら良かったです」

「それじゃあ捜索を再開しようぜ。早く見つけねえと危険だ」

「あの、もしかして誰かを探してるんですか?」

「そうですよ。まあまだ手がかり無しなんですけど」

「そうだったんですか!急いでいる中助けていただきありがとうございます!」

「いえいえ、それじゃあ私たちはこれで・・」

「ま、待ってください!」


去ろうとしたエリシアとハーツを慌てて呼び止めるリア。


「なんだ、まだなんかあんのか?」

「すみません。実は助けてほしい人がいるんです」

「悪いがこっちも急いでんだ。そんな暇は・・」











「慎也という冒険者を助けてほしいんです!」

「「!?」」


リアの口から出た言葉に、2人は驚きリアの方に勢いよく振り返る。


「その人は今どこにいるんですか!?」

「い、今はオークキングに追われていて・・」

「おいエリシア落ち着け!こいつ困ってんだろ」

「あ、す、すみません。取り乱してしまって」

「いえ別に。それよりエリシアってまさか、あの聖女と呼ばれてるエリシアさんですか?」

「はい。正真正銘、私が聖女のエリシアです。それで慎也さんは今どこを逃げてるとかはわかりますか?えっと・・」

「あ、すみません、自己紹介が遅れました!私はリアって言います!」

「おい待てリアって」

「ええ、ライルさんが言っていた少女ですね」

「ライル!?ライルは今無事なんですか!?」

「今ギルドの救護室で安静していますので、心配はいりません。それより今は慎也さんです!」

「あ、そうでした!慎也さんは今私を逃すために囮になって、今オークキングに追われてるんです!早くしないと慎也さんが殺されてしまいます!」

(これはまずいですね。今すぐにでも慎也のもとに行きたいですが、まだこの森にオークいないとは限らないですし、そうなると私かハーツさんがこの子についていないといけません。どうしましょうか・・)

「・・なあエリシア。お前ってたしか『テレポート』使えたよな」

「ええ、使えますけど」

「ならこいつを『テレポート』でギルドに送って、また戻ってこい」

「ハーツさんはどうするんですか?」

「俺か?俺は今まで通り慎也を探し・・」


その瞬間、轟音が森の中に響き渡った。


「・・に行こうと思ったが、こりゃあ急いだほうが良さそうだな。エリシア、そいつのこと頼んだぞ!」


そう言うとハーツは音が鳴った方に走り出した。


「ちょ!ハーツさん!『テレポート』は一度使うと最低でも30分は使えないんですよ!」

「ならここに戻ってくる時は魔法でもなんでも使って頑張れ!」

「そんな時間あるわけ・・!」

「そんくらいの時間俺が稼いでやる!わかったらさっさとそいつをギルドに連れてけ!」


走り去るハーツの背中を見ながら、エリシアは1つため息をつく。


(ハーツさん、頼みましたよ)

「それじゃあ今から『テレポート』を使うので、こっちに寄ってください」

「は、はい!」


リアが側に来たことを確認すると、エリシアは杖に魔力を込めて、魔法を唱える。


「『テレポート』」


エリシアが唱えたと同時に、2人の足下に魔法陣が現れる。そしてその魔法陣は徐々に光を増し、だんだんと強くなる光にリアは思わず目を閉じる。


「・・・つきましたよ」

「え?」


エリシアの言葉を聞き、リアはそっと目を開ける。すると、先程まで森にいたはずが、今の数秒でギルド内移動していたのだ。


「いつのまに・・」

「それじゃあ私は急いで森に戻りますので」

「あ!待ってください!」

「?ほかになにか?」

「いえ、ただ一言。慎也さんを、お願いします!」

「・・ええ、任せてください」


リアに微笑み返し、エリシアは勢いよくギルドから出て行った。




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