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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第三章 仲間を想う力
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お昼寝少女と変態スライム




達成報告を済ませ、昼食を取り終えた慎也はギルド内の机で、このあとの予定を考えていた。


(このあとどっしよっかなー。クエストを続けて受けてもいいんだけど、そろそろイムにも会っときたいしなー・・・・そうなるとクエストついでに会いに行くか。結局クエストかい!ってところあるけど仕方ないよな。だって俺の交友関係って大体クエスト繋がりだもん・・・・って俺は誰に言ってんだ)


慎也は席を立ち、再び掲示板に行き、"除毒草の採取とスライム3匹の討伐"と書かれた紙を手にして、受付へ向かう。


「すみません、クエスト受注お願いします」

「では冒険者カードと受注したいクエストの紙をこちらに」

「はい」

「では少々お待ちください」

「わかりました」

(あー、そういえばポーションどうしよう。たしかあれって銅貨数枚で買えるんだったよな。クエストから帰ってきたら買おうかな?)

「記載が終わりました」

「あ、はい」

「あと、こちらスライムの体液を入れる瓶と採取した除毒草を入れる袋です」

「わかりました」

「それでは気をつけて行って下さい」

「ありがとうございます」

(とりあえず今はさっさとクエストを終わらせてイムに会いに行こう。ポーションに関しては帰ってきてから財布と相談だ)


慎也はギルドを出て、いつもイムがいる草原へ向かった。








ギルドを出て数分後。除毒草を採取し終わり、スライムを目標数討伐し終えた慎也は、イムを探すべく草原を歩いてまわっていたところ、棒立ちしているライルを発見して、なんとなく合流した慎也なのだが・・


「・・・・」

「・・・なあ慎也。これを見て黙り込むのはやめないか?とりあえず何か一言くれ」

「どうしてこうなった?」


なぜこの状況になったか全く理解できない慎也と、呆れ顔のライルの視線の先には・・


「スー・・スー・・」

「・・・」


気持ち良さそうに寝ているイムと、それを抱きしめながら草原に堂々と寝っ転がって寝息を立てているリアがいた。








・・・リア視点・・・


時は慎也が2人と合流する数分前に遡る・・

慎也と同様、除毒草採取とスライム討伐のクエストを受けた2人は、スライムを探すべく草原を彷徨っていた。


「なかなかいねえなスライム」

「そうだねえ」

「・・っておい。お前ちゃんと探してんのか?」

「いやもうここまでくるとやる気とか下がるでしょ。スライム探し出してから何分かかってんのよ」

「ん?もう10分になるな」

「そんなに掛かっても見つからないってことは少なくともここら一帯にはいないってことでしょ?いないものを探すなんて時間の無駄でしょ」

「あのなぁまだいないって決まったわけじゃ・・・お、あれは!」

「ん?何どしたの?」

「リア、ほらあれ!」


ライルが指差す方向にリアは視線を向ける。そこには4匹のスライムがいた。


「やるじゃんライル。じゃあさっさと討伐して帰ろ」

「おうそうだな。それじゃあさっそく・・」


ライルは剣に手をかけ、リアは魔法を放とうと杖を構える。その時だ・・


「え・・」

「は?」


1匹のスライムがもう1匹のスライムに向かって頭突きしたのだ。それも見事に命中し、頭突きされたスライムは後ろへと飛ぶ。そして頭突きしたスライムは飛んでいったスライムに、どっか行け!と言わんばかりに飛び跳ねる。他のスライムたちも便乗して飛び跳ね始める。その光景を目の当たりにしたライルたちはと言うと。


「・・・・」

(・・ご愁傷様です)


ライルは3匹のスライムに対して内心かなりキレていて、リアはそんなライルを見ながら、3匹のスライムを憐れに思っていた。


「なあリア」

「どうしたの?」

「とりあえず頭突きしたスライムは殺すとして、他の2匹はどうする?」

「たしか今回のクエストの目標討伐数は3匹だからついでにやっていいんじゃない?」

「それもそうだな」

(まあどうせ私がやらなくても良いって言っても、今のライルはやるんだろうけど)


そのあとは一瞬だった。ものの数秒で先程まで飛び跳ねていたスライムたちはライルによって、今では体液として瓶に収納されていた。


「ふう、準備体操にもならねえな」

(ライルって昔から敵味方関係なく仲間を傷つける人を見るともの凄く怒るんだよね。この前慎也さんを攻撃したソリッドインセクトに対しても凄く怒ってたし。まあ慎也さんは気づいてなかったっぽいけど)

「あ、そういえばさっきのスライムは?」

「あっちだあっち」


ライルは少し離れたところで様子を見ていたスライムに歩み寄る。それに続くようにリアもスライムに近づく。


「おい大丈夫かお前?」

「・・・!」

「なんか飛び跳ね始めたよこの子。もしかしてライルってこの子と知り合いなの?」

「いや、俺にスライムの知り合いなんかいるわけねえだろ。そう言うリアは?」

「私も知らないよ。てかそもそもスライムの知り合いがいること自体おかしいでしょ」

「まあたしかにおかしいな」

「うんうんおかしいおかしい・・」

「「・・・・」」

「?」

(まさかこの子って・・)

「お前、まさかイムか?」

「・・!・・!」

「あってるみたい」

「マジか・・・・どうする、討伐するか?」

「いやいや、それはまずいって!討伐した日には私たち慎也さんに殺されるよ!」

「た、たしかに」

「それにこの子。慎也さんと一緒にいた時もそうだけど、見た感じ他のスライムより全然いい子そうだし」


そう言うとリアはその場に座り込み、イムを抱き上げる。


「あー冷んやりしてて気持ちいいー」

「まあスライムってあんま危険じゃねえしいっか」

「それよりここで休憩にしない?さすがに歩き疲れちゃった」

「それもそうだな。それじゃあ俺はそこら辺で剣で素振りでもしてるから」

「りょーかーい」


それから数分後。ライルは素振りを終え、そろそろ帰ろうとリアの元に戻ってくると・・


「・・・・いやなんで寝てんだよ」









そして今に至る。


「とりあえず百歩譲ってリアが寝てることはいい。なんでイムも一緒に寝てんの?」

「それは俺も知らん。もしかしてリアの腕の中が気持ち良かったとか?」

「いわゆる腕枕ってやつか。でもこれ体勢的に抱きつかれてる感じだし・・・・まさか」


慎也は何かを察したのか、自然と目線がリアの胸部に

行く。


「・・・・この変態スライムめ」

「お前一応友達だろ」

「それとこれとは話が別だ。そんなことよりさっさと起こすぞ」


慎也はリアの体を手で揺すりながら声をかける。


「おいリア起きろー」

「・・んー?ライルもう行くのー?」

「そうらしいぞ。あと俺は慎也な」

「・・ん?・・・え、え!?しししし慎也さん!?」

「目ぇ覚めたか?ならさっさとその変た・・・スライム離せ」

「わ、わかりました」


リアはイムを離し、目を擦りながら重たい体をゆっくりと起こす。


「ってなんでここに慎也さんが!?」

「たまたま通りかかっただけだ」

「ほらリア、目ぇ覚めたなら立て。このあとはあれに挑むんだから」

「あ、そういえばそうだったね」

「あれ?あれってなんだ?」

「実はこの後ゴブリン討伐に挑むんだよ」

「ゴブリン討伐?それってもしかして・・」

「はい。この前慎也さんが失敗したクエストです」

「おいその言い方やめろ。てかあれに挑むのか・・」

(俺の時と違ってこいつらは2人で挑むから勝てるかもしれねえけど、ゴブリンたちもそれなりの連携をとってくるからな。俺は魔法でなんとか対応できたって感じだからなぁ)

「なあリア?」

「なんですか?」

「お前ってレベル2の魔法使えるか?」

「いえ、使えませんが・・」

「ならそのゴブリン討伐、俺もついてっていいか?」

「「・・・え!?」」


慎也の言葉に対し、2人は揃って声を上げて驚く。


「なんだよ2人して驚いて」

「いやだって慎也が自分からクエストに付き合うなんて言うとは思ってなくて・・」

「もしかして慎也さん、本当は私たちとパーティー組みたいんじゃないですか?」

「んなわけあるか。、単純にリベンジしたいだけだ」

「あ、そういえば慎也って1回失敗したんだっけな」

「ああ。だからその借りを返そう思ってな。それにお前らと挑んだら勝率も上がるしな」

「それもそうですね。それじゃあ行きましょうか」

「またこの前みたいな指揮期待してるからな」

「期待すんな。あの時はたまたま思いついただけだ」

(イムとのんびりすんのはまた今度にするか)

「おーい慎也行くぞー!」

「はいはい、今行く!」


すでに歩き出していた2人を追いかけるように慎也も歩き出し、3人揃ってギルドへ向かった。














この時の慎也は知らなかった。あのゴブリンの森で先日のゴブリンたちとの激戦より上の激戦を繰り広げることになるとは・・





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