表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第三章 仲間を想う力
27/211

脳筋相手なら頭脳戦




(・・・あいつでいいんだよな?)


現在、慎也は茂みの中に身を潜めて、枝や葉の隙間からある魔物を見ていた。その魔物は猪のような体や角を持っており、茶色い毛並みをした姿をしている。


(まあこの辺りだとこいつしか見当たらなかったし、違ったとしても今日は運が悪かったでいいや)


慎也は息を殺し、ゆっくりとスウィフトボアーに忍び寄って行く。鞘から剣を抜き、ゆっくりと忍び寄る。そのことにスウィフトボアーは気付かない。


(よし。このまま行けば・・)


順調に近づいて行く。しかし、慎也は足元にあった木の枝に気付かず踏んでしまい、音を出してしまう。


(!?やっべやっちまった・・!)


慎也は身構える。音が鳴ったことで慎也の存在に気付いたスウィフトボアーは猛スピードで角を前を出し、慎也に突進する。慎也は咄嗟に横に体を傾けて躱す。突進を避けられたスウィフトボアーはすぐさまUターンし、再度慎也に突進する。


(2連続かよっ!!)


慎也は瞬時に前に転がり再び突進を躱す。それでも尚、スウィフトボアーは突進をやめず、さらにUターンして慎也に襲いかかる。


(え、何その無限ループ。こいつどんだけ突進してくんだよ!これ俺がなんかしないとやべえな)


何度も突進をしてくるスウィフトボアーを避けながら思考を巡らせる慎也。


「はぁ・・・はぁ・・・」

(くそ、体力が切れてきたな。このままだとジリ貧だぞ。そろそろ俺も仕掛けねえといけないな。ここはやっぱり魔法がいいか?)


慎也が悩んでいる間もスウィフトボアーは慎也への攻撃をやめない。


(・・・ああもう悩んでても仕方ねえ!)

「『アイスブレード』!」


慎也は迫ってくるスウィフトボアーに向かって右手から氷の刃を放つ。しかし、スウィフトボアーは避ける素振りを見せず、それどころか、さらにスピードを上げる。そして氷の刃とスウィフトボアーの角が衝突する。その瞬間、氷の刃が砕け散り、スウィフトボアーはそのまま勢いに任せて慎也に突進する。


(!?マジかよ・・っ!)


慎也は空いている左手で瞬時に剣を引き抜き、スウィフトボアーの突進を防ぐ。だが、突進の衝撃に耐えられなかった慎也はすぐ後ろにある木までぶっ飛ばされる。木にぶつかったことで慎也の背中に激痛が走る。


(痛っった!こいつどんだけ力強いんだよ!それに『アイスブレード』が壊されるなんて。こいつの動きを止めればなんとかなるか?)


何か打開策がないかと思索する慎也。その間もスウィフトボアーは突進をやめない。木の根元で膝をついている慎也に向かって突進する。


(っやば!)


慎也は咄嗟に横に転がり、木から離れる。するとスウィフトボアーは急には止まれず、木に激突する。それと同時にスウィフトボアーの角が木に突き刺さる。


(・・・)


思ったよりも深く突き刺さったのか、スウィフトボアーは角を抜こうと必死に行動するが、一向に抜ける気配がない。慎也はその光景を呆然と見ていた。


(・・・・・やったなこいつ。まさか自分から勢い余って木に突っ込むとか馬鹿か?まあ何はともあれ、これでこいつを倒せるんだが・・)


慎也は未だに角を抜こうと必死のスウィフトボアーを見ながらその場で考え込む。


(抵抗の出来ない相手を攻撃するとか、あんましたくないんだよなぁ・・・ならいっそ、こいつをこのまま放置して他の奴探すか?スウィフトボアーがこいつ1体ってわけじゃないだろうし・・・てかちょっと可哀想に思えてきたな)


慎也は目の前の可哀想な光景に背を向けて、その場を離れて行った。








あれから数分後。先程とは別のスウィフトボアーを見つけた慎也は、先程の反省を踏まえ、足元に気を付けながら後ろからゆっくりと近づいて行く。


(さっきみたいにドジは踏まないように・・・・よし今だ!)

「『アイスブレード』!」


慎也は右手を突き出し、氷の刃を放つ。スウィフトボアーは慎也の方へと体を向ける。それと同時に氷の刃がスウィフトボアーの頭に突き刺さり、スウィフトボアーは横に倒れた。


(・・案外あっさり倒せたな。さっきの苦労はどこへやら)


そう思いながら慎也は、倒れたスウィフトボアーに歩み寄り、剣を鞘から抜く。


(たしか討伐証明に必要なのって角だよな?ということはこいつの体から角を切断しないと行けないんだけど・・・・これ切れるの?一応挑戦はするけど、さっきこの角で『アイスブレード』砕かれたからなぁ。弾かれたらどうしよ)


不安になりながらも、慎也は剣を振り被る。そして、目一杯の力を込めて、剣を勢いよく振り下ろす。すると、角は剣を弾くどころか、豆腐のように2本とも切れる。


(・・・ん!?え、待って今何が起こった?魔法を砕くほどの硬さを持った角がめっちゃ簡単に切れなかった!?一体どういうことだよ・・・いや、考えてても仕方ねえか)


慎也はリュックから袋を取り出し、切断した角を入れる。


(さて、さっさと次探すか。そろそろ腹も空いてきたし、早く帰って飯にしよう)


角の入れた袋をリュックに入れ、次のスウィフトボアーを探しにその場を去った。








(・・・・いたな)


あれからまた数分後。先程とは違い、今度は2体のスウィフトボアーが慎也の前に姿を現した。慎也は茂みの中に身を潜め、2体の様子を窺っている。


(今度は2体か。1体でもちょっとキツいのに2体を相手にすんのは流石に無理だぞ。だが、ここら辺だとこいつら以外にスウィフトボアーは見つかんなかったし、相手にするしかねえか)


慎也はリュックを下ろして左手を剣にかけ、右手を茂みからスウィフトボアーに向けて突き出す。


(よし、いくぞ!)

「『ソイルボム』」


そう唱えると、慎也の右手から土煙で出来た玉が放たれ、スウィフトボアーにヒットする。その瞬間、スウィフトボアーたちの周りを土煙が覆う。


(この間に1体だけでも!)


慎也は剣を抜き、茂みから飛び出し、土煙の中から微かに見えるスウィフトボアーの影へ向かって駆け出す。


(・・・今!)


慎也はタイミングを見て、影に向かって剣を突き刺す。その剣はしっかりとスウィフトボアーの頭に刺さっていた。


(よし、あと1体は・・)


慎也は刺した剣を抜き、辺りを見渡す。徐々に土煙も晴れ、周りが見やすくなったため、慎也はすぐに状況が把握できた。


(・・・あれ?もう1体いなくね?)


先程までたしかにいた、もう1体のスウィフトボアーの姿がなかった。


(なんだ?あいつ逃げたのか?まさか仲間を見捨てて逃げるとかクソ野郎だなあいつ。まあいいや、俺的には好都合だし)


慎也は横たわっているスウィフトボアーの死体に近づき、先程切断した時と同じ容量で角を切断する。


(あーやっと終わった、マジ腹減ったよ。さっさと報告して飯食いに行こっと)


切断した角を袋に入れ、鞘に剣を戻して、慎也はギルドへと帰還して行った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ