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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 第二章 一時的な平穏
22/211

油断は禁物




「泊めていただき、ありがとうございました」


翌日、慎也はエテラの母親に家の玄関で感謝の述べていた。昨夜慎也が見た2つの謎のスキル。慎也は気にしてクエストに支障が出たら困る、ということ頭の隅に置いた。だが、全く気にしていないというわけではない。時間があるときはなるべく、スキルについて考えようと思っていた。そして一応条件をクリアしていた『スラッシュストーム』を習得した。


「あら、別に泊まりに来たかったらいつでも来て良いのよ。エテラも喜ぶと思うし」

「お、お母さん!」

「ふふ、冗談よ冗談」

(この人の場合冗談に聞こえねえんだよな)

「あれ、そういえばお父さんとカリンは?」

「あの人なら今朝にすぐ仕事に行ったわよ。カリンはまだ寝てるわよ」

「カリンはともかく、お父さんは見送りくらいしてもよかったのに」

「あのう僕そろそろ・・」

「あ、ごめんなさいね。でもまあ暇がだったらいつでも来ていいからね?」

「・・考えときます」

「ふふ、それじゃあお仕事頑張ってね」

「はい」

「それじゃあ行ってきます」

「いってらっしゃいエテラ」


慎也とエテラは共にギルドへと足を運ぶのであった。









(さーて、今日は何を受けようかな)


ギルドに来た慎也は掲示板の前で今日受けるクエストを選んでいる。


(昨日みたいにソリッドインセクトを5体討伐でもいいけど、どうせならまだ戦ってない魔物に挑戦したいし、他に何がいるかなー)


慎也は掲示板に貼られた紙を一枚一枚目を凝らしながら確認する。すると、慎也はある1枚の紙に目が留まる。慎也はその紙を手に取り、クエスト内容を確認する。


(・・・階級2のゴブリンを5体討伐?なんだこれ?あ、まだなんか書かれてる。パーティー推奨?このクエストはパーティーを組んで挑んだ方がいいのか?てか階級2のゴブリンってなんだよ・・・・ってご丁寧に名前が書かれてる。ゴブリンソードにゴブリンマジック、あとはゴブリンアロー、か。正直ゴブリンには悪い思い出しかないが昨日買った盾の性能を測るにはもってこいだろ。それに報酬が他のDランククエストより高い。よし、これにするか!)


クエストを選んだ慎也は受付へ向かった。しかし、慎也はその紙のある項目に書かれたことに気付かなかった。





"ゴブリンマジックの魔法に注意"









(受付の人が言うにはここら辺にいるって言われたんだけど)


慎也は以前来たことのある、通称ゴブリンの森へ来ている。今回の討伐対象である階級2であるゴブリンたちは階級1のゴブリンたちが生息している場所よりさらに奥にいるため、ここに来るまで慎也はゴブリンと何度か戦闘している。そのためか、慎也は僅かながら息を切らしている。


(もうさっさと倒して帰りたいんだけど・・・・お、あれは!)


慎也は何かを見つけたのか、すぐに茂みに身を潜め、出来るだけ静かに移動する。そして動きを止め、その場にリュックを下ろして、中から昨日購入した盾を取り出し、左の手首より少し下の部分に装着する。そして、茂みからこっそり右手を出し、その右手に神経を集中させる。慎也が右手を向けている先にはゴブリンが5体いる。2体は剣を持ち、またもう2体は弓を持ち、背中には靫を背負っている。そして残りの1体は他のとは違い、水晶がはまっていない木造の杖を持っている。


(せっかくだし昨日習得した魔法使ってみるか)

「『アイスブレード』」


そう唱えると、慎也の右手から、刃のように鋭い氷が生成されそのままゴブリンたちに向かって放たれる。そしてその氷は弓を持ったゴブリンの胸を貫き、ゴブリンはその場に倒れる。


(うん、やっぱりカッコいいわこの魔法・・・っとあっちも気付いたみたいだな)


突然仲間がやられたゴブリンたちはすぐさま慎也のいる茂みの方に警戒する。


(え、たった魔法を1回打っただけでわかんの?怖えよこいつら。てか今更だけど、なんでゴブリンコマンダーはこいつらを使わなかったんだよ。こいつらいたら俺確実に殺せたのに・・・・って、そろそろあの弓持ったゴブリンが矢を撃って来そうだから出るか)


そう思い、慎也は茂みを飛び出し、ゴブリンたちに向かって走り出す。一方ゴブリンたちは慎也が姿を現した瞬間、剣を持つ2体ゴブリンが慎也へ走り出し、弓を持つゴブリンが慎也に向かって矢を放つ。


(あまい!)


ゴブリンの放った矢を慎也は体を左に傾けて躱す。それを見て、剣を持ったゴブリンが1体、慎也の腹部に向かって剣を横に振る。


「グギャア!」

(マジか!?あぶねえよ)


慎也は後ろへ少し飛び、躱しながら距離を取る。しかし、反応が少し遅れたせいか、腹部に掠った程度の切り傷ができる。


(痛っ!後で『ヒール』確定だなこれ)

「グギャアア!」


慎也に追い討ちをかけるように、もう1体の剣を持ったゴブリンが慎也に飛びかかり、剣を振り下ろす。その攻撃を慎也は盾で防ぎ、押し返す。押し返されたゴブリンは剣を落として地面に倒れる。その隙を見逃すほど慎也は甘くなく、倒れたゴブリンの頭に剣を突き刺そうと、右手の剣を後ろに引き勢いよく突き出したが、もう1体のゴブリンが剣で慎也の攻撃を防ぐ。


(こいつ結構仲間思いなんだな・・・ってやべ)


慎也は視界の端にこちらを見ながら弓を構えているゴブリンが入り、慌てて攻撃をやめ、目の前のゴブリンたちから距離を取る。そしてやはりというべきかゴブリンが慎也に向かって矢を放つ。慎也はその矢を後ろに飛んで躱す。しかし、後ろの状況が見れなかった慎也は、背中を木にぶつける。


(まずい、追い詰められた!)


その慎也の隙をゴブリンたちは見逃さず、弓を持ったゴブリンはすかさず矢を放ち、剣を持ったゴブリンも慎也に飛びかかる。そしてもう1体も、落とした剣を拾って、慎也に向かって飛びかかる。


(くそっ!もうダメか!・・・・・って言うとでも思ったか!)

「甘く見過ぎだ!『ウィングウォール』!』


慎也は左手を開き、神経を集中させ、突き出し、そう唱える。すると、慎也の左手の前に、大きな風でできた緑色の壁が現れる。その壁に衝突した瞬間、矢は勢いを失いその場に落ち、ゴブリンたちは6m程吹き飛ばされる。慎也は開いていた左手を閉じる。すると慎也の前にあった緑色の壁が風になって消える。


「ふぅ・・・」

(ちょっと余裕そうに振る舞ってたけど、今のはちょっと焦ったぜ。さてと、さっさとやるか!)


次は自分のターンだと言わんばかりに、慎也は2体のゴブリンに走り出す。慎也が出した壁によって吹き飛ばされたゴブリンたちは、地面に落ちた拍子に剣を落としてしまい、今は丸腰状態である。その瞬間を狙って、慎也は先程と同様に、剣を後ろに引き、勢いよく突き出す。その攻撃を防ぐ術を持ってなければ、仲間が代わりに防ぐ、ということもできない状況なので、慎也の剣はゴブリンの頭を勢いよく貫く。


(残り2体!)


慎也はゴブリンから剣を抜き近くにいる、すでに剣を拾い、構えているゴブリンに向かって走り出す。それに合わせてゴブリンは慎也に飛びかかる。それと同時にそのゴブリンの後ろにいる弓を持ったゴブリンが飛んだゴブリンの下を通るように矢を放つ。


(くそ、仕方ねえか!)


慎也は飛んできた矢を剣で防ぐ。そして飛びかかってきたゴブリンが振り下ろしてくる剣を、なんと空いている左手で掴んだ。その左手からは血が腕をつたって流れ出る。


「グギャ!?」

「痛えなこの野郎!!」


慎也は掴んだ剣を離さず、そのままゴブリンの頭を剣で突く。剣が頭を貫くと、ゴブリンの剣を持っていた手が垂れ下がる。慎也は左手の剣を投げ捨て、足でゴブリンの頭から剣を抜く。


(とりあえず残りはあいつだけだし回復するか)

「『ヒール』」


慎也は剣を鞘に収め、右手で左手に魔法をかける。左手の傷は大したことなく、『ヒール』でもすぐに回復した。するとそれと同時にゴブリンが慎也に向かって矢を放つ。


(ここは安全を考慮して、右に転がるか)


そう思い、慎也は右に転がろうした。しかし・・・


(あれ!?左足が動かせない!?)


原因を確認しようとしたが、まずは前の矢を防ごうと、咄嗟に盾で防ぐ。


(昨日買っておいてよかった。それよりなんで動かせなかったんだ?)


慎也は今も動かせない左足を見る。慎也の左足は地面に張り付くように氷で固められていた。


(はあ!?なんで足が凍ってんだよ!)


慎也は内心キレつつ、原因を探るべく、周りを見渡す。するとその瞬間、慎也は背中を、バチン!と叩かれるような痛みを喰らう。


(痛っ!なんだ今の攻撃?後ろか?)


慎也は攻撃の正体を把握するため、後ろに振り向く。

そこには・・・







       木造の杖を持ったゴブリンがいた。




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