ある日の休日
※大人数のため発言者の頭文字をかっこ前に付けます。
伊「ここ間違えてるわよ原田」
原「え、嘘!?」
伊「瀬屈もここ、式は合ってるけど答えが違うわよ」
瀬「・・うわ、ほんとじゃん。もう数学やだー!」
原「岸井は・・・全部正解ね」
岸「ふふん!私頭良い方だから」
原・瀬「ドヤ顔ムカつくー!」
伊「森塚は・・」
森「俺は推薦狙ってるからいいよ」
伊「そ。鈴か」
鈴「もう終わりましたよ」
原「はや!?」
慎「・・・」
伊「?村上どうかした?」
慎「いや、なんで俺は勉強してるんだろうなって思っ
て」
そう言って慎也はため息をついて天井を見上げる。現在慎也、怜、亮太、花乃、原田、瀬屈、岸井の7人は朝早くに慎也の家に集まり勉強会を開いていた。
伊「なんでって、テストが近いからでしょ」
慎「いいだろ勉強なんて。授業聞いてれば大体わかる
んだし」
鈴「その授業の大半をあなたは寝てて聞いてませんけ
どね」
慎「ぐっ!」
森「しかもお前、1ヶ月分の授業も受けれてねえから
な。かなりやばいんじゃないか?」
伊「もしかしたらこの2人より低くなるかもね」
慎「たしかにそれはやだな」
原「なんかムカつくわね」
瀬「絶対村上の点超えて煽ってやるわ!」
慎「しょうがね、ちょっとは真面目にやってやるか」
そう言って慎也は目の前に開かれている教材に向き合ってペンを走らせた。
↓↓↓↓数分後↓↓↓↓
慎「・・よし、こんなもんか」
岸「いや2ページしか進んでないじゃん」
森「集中力無さすぎだろ」
慎「いや、むしろ2ページも進んだんだから充分だ
ろ」
鈴「今回のテスト範囲はその10倍はありますよ」
慎「・・・なんか腹減ってきたな」
伊「逃げたわね」
瀬「でもたしかにお腹空いてきたねー」
原「そろそろお昼時だしねー」
鈴「それもそうですね。何かみんなで食べれそうな物
はありますか村上君?」
慎「俺用のカップ麺しかない」
森「じゃあどっかに買いに行くか?」
岸「みんなで買い物!?楽しそー!」
伊「じゃ、勉強は一旦終了!準備しましょ」
慎「ワークとか教科書は帰って来てから片付けるか」
鈴「そうですね」
そうして7人は身支度を済ませて、買い物に向かった。
原「ついたー!」
慎(久しぶりに来たなここ)
7人が来たのは、近所にショッピングモールの中にある大きいスーパーであった。
鈴「ここからは別行動で各々食べたい物を持って来ま
しょう」
岸「かごは誰が持つの?」
鈴「村上君でいいでしょう」
慎「は!?」
瀬「オッケー!」
森「任せたぞ慎也」
伊「レッツゴー!」
そうして皆は慎也を置いて一時解散した。
慎(・・カート使うか)
↓↓↓↓移動中↓↓↓↓
慎(お?あれは・・)
慎也がカートを押しながら自身の昼食を選んでいると、冷凍食品コーナーで瀬屈と岸井を見つける。
慎「食うもん決まったか?」
瀬「私は決まった」
岸「ちょっと待って。今2択で悩んでる」
慎「ゆっくり選んで良いぞー」
岸「んー・・・よしこっち!」
慎「2人とも同じやん」
瀬「いいじゃん別にー」
瀬屈と岸井は選んだ物をカートのかごに入れる。
慎(こいつらのうまそうだな。考えるのめんどくせえ
し同じやつでいいや)
岸「村上も私たちと同じやつにするのー?」
慎「おう」
瀬「もう村上ったら私たちのこと好きすぎーw」
慎(なんだこいつら。無視して次に・・・少しからか
ってやるか)
慎「少なくとも今のお前らは好きだぞ」
シーン・・
本心半分からかい半分の発言を慎也がした瞬間、3人の空間だけが静かになる。
慎「・・お、おい?大丈夫か?」
瀬「!だ、だだだだ大丈夫よ!ね!?」
岸「う、うん!」
慎「そうか。ならいいんだが」
岸「あ!私たちお菓子見て来るから!」
瀬「バイバーイ!」
慎「あ、おい・・」
慎也の制止を無視して2人は顔を赤くしながらその場から走り去って行った。
慎(なんか思った反応と違ったな。てっきり軽く流さ
れるかと思ったんだが)
首を傾げる慎也だったが、2人を一旦放置して移動を始めた。
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伊「んー・・」
森「どれも美味しそうだな」
慎「ここにいたのかお前ら」
次に慎也が来たのは弁当コーナー。そこには弁当を見て悩む亮太と花乃の姿があった。
森「お、慎也。お前は昼飯決まったのか?」
慎「おう。お前らはまだ悩んでそうだな」
伊「このあとも勉強するから、できるだけ食べて体力
持たせたいのよね」
森「ま、俺は勉強しないから何でもいいんだけど」
慎「じゃあはよ選べーい」
森「そうだな・・・よし、こいつとこいつ、あとこれ
もだな」
慎「めっちゃ食うじゃん。伊村は?」
伊「んー・・・もう少し待って」
森「だそうだ。先に他の奴らのところに行ったらどう
だ?もう少しかかりそうだし」
慎「・・それもそうだな。それじゃ伊村、決まったら
持ってきてくれ」
伊「はーい」
花乃の返事を聞いた慎也は、その場をあとにした。
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慎「・・ここにもいねえな」
まだ昼食が決まっていない怜と原田を探して歩き回った慎也だったが、なかなか見つからず、最後の候補であったインスタントコーナーで立ち往生していた。
慎(昼飯があるところは探したんだけどな、こりゃす
れ違いになってるな。しょうがね、一旦引き返し
て・・)
鈴「やっと見つけました」
慎「っ!?・・・びっくりさせんなよ」
突然後ろに現れた怜に肩をびくつかせながら後ろに振り返る慎也。
慎「で?昼飯は決まったか?」
鈴「決まりましたよ。どうぞ」
慎「ん。そういや原田知らね?あいつだけ見当たらな
いんだけど」
鈴「先ほどまで一緒にいましたが、昼食を決めた後は
お菓子コーナーに向かいましたよ」
慎「マジか。そんじゃ伊村と亮太連れて原田のところ
に・・」
原「私ならここにいるけど」
慎「・・お前もか」
怜で耐性がついた慎也は動じることなく後ろに現れた原田から昼食を受けとり、かごに放り込む。
慎「じゃあ4人回収して帰るぞー」
原「そんなことより村上、あんた2人になんかし
た?」
慎「岸井と瀬屈か?」
原「そう。なんかあの2人あんたの名前ぶつぶつ言い
ながら顔真っ赤にして様子が変なのよ」
慎「・・心当たりが1つ」
原「なによ?」
慎「それがな・・」
慎也は先ほどあった出来事を2人に話した。
慎「・・ってことがあって」
原「女たらし」
鈴「これだから村上君は・・」
慎「え、なに?俺なんかやっちゃった?」
鈴「自覚無しですか」
原「まあでも、別に2人を傷つけたわけじゃなさそう
だしいいわ。お腹も減ってきたし、さっさと帰り
ましょ」
その後3人は花乃と亮太と合流し、岸井と瀬屈を回収して会計を済ませて慎也宅に戻った。
「・・・」
"慎也を"恨めしそうに見る者に気づかないまま。