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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第二世界 第三章 好きな物には正直に
150/211

タイムリミット

脳内に大まかな物語は出来てるんだが、いざ打ち込もうとなるとダルくてサボっちまうんだなぁ・・・さーせん!




翌日。慎也はある人に話を聞くために、朝早くから学校に来て職員室へと向かっていた。


(美術部と言ったらまずは"あいつ"の言っていたことが本当か事実確認だ)


そして職員室についた慎也はリュックを置いて入室する。


「失礼します!1年◯組の村上慎也です!平島先生はいらっしゃいますか?」

「おー村上。こっちこっち」

「おはようございます先生」

「おはよう。んで何の用だ?」

「聞きたいことがあるんですけど、亮太の机が初めてやられたあの日の朝8時、牧本が来たって本当ですか?」


怜によって作られた怪しい人物リストに入れられていた牧本星子。現在は茶道部だが、元は美術部である彼女のことを調べよう慎也はここに来た。


「本当だよ。たしか退部届けを貰いに来てたっけ。あ、でも時間は8時より少し前くらいだね」

(少し前となると50分とかそこら辺か。まあ感覚は人それぞれだし、8時ごろも間違えじゃないか)

「そうですか。その時に彼女になんか変なところとかはありました?」

「・・いや、"特に問題はなかった"よ」

「そうですか。ちなみに牧本は元々何の部活だったかはわかりますか?」

(念のために聞いとこ)

「たしか美術部じゃなかったか?知らんけど」

(最後のそれ余計ですよ先生!ちょっと不安になるじゃん。でもとりあえず調べること1つ追加だな)

「他はあるか?」

「それじゃあ最後に、その美術部の顧問の先生を呼んでくれませんか?」

「あー・・・それがな、実は今日熱出したらしくて休んでるんだわ」

「えぇ・・」

(となると今日は金曜日だから来週か。くっそ早めに済ませたいのにな)

「ま、来週には来るとは思うからその時にまた来てね」

「へーい。失礼しましたー」


そう言って慎也は職員室を出る。


「「あ」」


するとそこで朝練を終えた体操着姿の亮太と鉢合わせした。


「・・おはよう慎也。今日は早いんだな」

「ちょっとな。お前は朝練か?」

「ああ今ちょうど終わったところ」

「そうか・・」

「「・・・」」


昨日のことがあってか、2人の間になんとも言えない雰囲気が漂う。


「・・・」

(気まずー!これこっちからなんか言った方がいい?でも何も話すことないし・・)

「・・じゃ、じゃあ俺これで!」

「え!?あ、ああ」


この雰囲気に耐えきれなかったのか亮太は足早で教室へと向かって行った。


「・・はぁぁ」

(やっぱ昨日の今日だから、いつも通りとはいかねえよな。早めに片付けないとな)


そう思いながら慎也も教室へと向かおうとした。


「ちょ、君きみ!」

「え、あ、俺?」


しかしそこで教師らしき男性に飛び止められる。


「廊下に荷物は置いちゃダメだぞ」

「え、そうなんですか?」

「そこの壁に入室時の注意が書かれてるだろ」

「あ、本当だ」


教師に言われて慎也は指された壁を見ると、そこにはたしかに入室時のことが書かれており、そのうちの1つ『荷物は廊下に置かず、教室などの別の場所に置いて手ぶらの状態で入室してください』と書かれていた。


「へぇ〜こんなのあったんだ」

「もしかしてお前この前来た転校生か?なら次からは気をつけろよ」

「へーい」


慎也は空返事でその決まりは特に気にせず、再度教室へと向かった。









そんでもって時間は進み昼休み。慎也はいつも通り怜と食堂で昼食を食べていた。


「なあ鈴川」

「なんですか?」

「昨日お前聞き込み行っただろ。なんか情報は手に入れたか?」

「1つだけですがありますよ」

「教えてくれい」

「7時45分に来た男子に聞いたのですが、その時点ではもうやられてたみたいです」

「マジか。そんな早くに?」

(しかも男子だからそいつが犯人では無さそうだしな)

「ええ。しかもそうなると犯行可能な時間は最高で13分程度」

「そんな短時間であれを彫れるとなると、日頃から彫刻刀を扱ってる人が犯人だな」

「彫刻刀といえば美術。美術といえば美術部ですね」

「そうなるとやっぱ1番怪しいのは牧本だな」

「彼女も元は美術部だったみたいですしね。ただ・・」

「・・ああ。あいつアリバイがあるんだよなぁ」


そう言って慎也はダルそうにため息を吐く。現状牧本星子が最も犯人に近いが、彼女のアリバイを崩すほどの証拠もないため、牧本星子を犯人と断定も出来ず慎也は頭を抱えた。


「そういや鈴川。お前目線、亮太は大丈夫そうか?」

「・・かなりきてますよ彼。球技大会までは持つかもしれませんが、それからはメンタルが持つかどうか・・」

「まあそうだよな。俺も朝会ったけど結構暗かったし」

(マジで球技大会までか、もしくは球技大会中になんとかしないとな)

「たしか球技大会って再来週の月火だよな?」

「ええ」

(てことはまだ1週間はあんのか。まあ時間はたっぷりあるしゆっくり考えるか)


そう高を括って慎也は食事に集中した。









帰りのホームルームにて


「・・あ、それと球技大会なんだが、みんなに配った予定表が間違って再来週になっちまってたんだが、正しくは"来週の月火"だから。みんなしっかり土日は休めよ」

「・・は?」




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