練習試合
あけましておめでとうございます!
そして新年早々遅れて申し訳ないです!初詣やらゲームのイベントで投稿が遅れちまった!一応今後は気をつけます!・・・おそらく、たぶん。
「では始め!」
そう言って審判は試合開始のホイッスルを鳴らす。制限時間25分の練習試合、最初にボールを持ったのは亮太であった。
「おっしゃ行くぜー!」
そう息巻いて亮太はボールを持って敵陣に突っ込んでいく。それに続いて他の味方たちも敵陣に向けて走り出した。そして慎也は・・
「なあ、この後なんの授業だっけ?」
「たしか社会だな」
「うわぁ・・」
「まあ体育の後の社会は面倒だよな」
(マジそれ)
近くにいるGKとDFの人と雑談していた。慎也のポジションは本人の希望通りDFで、相手が攻めてこない限りとくに仕事もないため、こうしてのんびりと過ごしている。
「あー腹減った」
「おいおいまだ2時間目だぞ?」
「朝慌てて出たから飯食ってねえんだよ」
「それは自業自得だな」
「まああと2時間耐えろー」
(えぇ無理ぃー)
『篠宮くーーん!』
「あ、篠宮がゴール決めたみたいだぞ」
3人が雑談している間に篠宮たちがゴールを決めたらしく、それを見ていた女子の歓喜の歓声が響く。
「・・これ俺らいる?」
「まあいらねえだろうな」
「亮太がいる時点で俺らの勝ちみたいなもんだからな」
(すげえ信用だな亮太)
「おーいDFとキーパー!ぼーっとすんな!」
「「「へーい」」」
「・・まあ亮太いれば仕事ないと思うけどな」
そう呟きながら慎也も最低限の仕事をしようと守る体勢に入る。そして相手チームのキックオフで試合が再開され・・
「俺の速さについてこられるかな?」
ある黒髪パーマの男がボールを持った瞬間、その男はものすごいスピードで前衛を次々と抜いて行った。
「おー、あいつすげえな」
「げっ!あいつ"神早"じゃん!」
「そういやあのクラスだったなあいつ」
「あ?神早って誰?」
「知らねえのか?神早颯、とにかくあいつは足が早くてな、小学生の頃は"フィールドのチーター"と言われてたらしいぜ」
「なにその羨ましくない異名。でもまあ足が速いのはわかった」
「ちなみにあいつ、今では亮太と同じくらいの強さだから気をつけろよ」
「ああそうなの・・・ってえ!?」
「おいあいつ来るぞ!」
(ちょっと待て亮太と互角は聞いてねえよ!)
そうこうしているうちにその神早颯は3人の目前まで来る。
「よし!ここであいつを止めて鈴川さんを惚れさせてやる!」
そう息巻いて慎也とは別の1人のDFが神早颯に向かって行くが、手も足も出ず抜かれてしまう。
「「いやダメダメじゃねえか!」」
「悪い!止めてくれ!」
(仕方ねえ行くか)
面倒そうにしながら慎也も神早颯に向かって行く。それを見た神早颯は瞬時に進行方向を切り変えると、それに慎也も反応して神早颯の後を追う。それを見て神早颯は驚いたのか目を見開いていた。
「!こりゃ驚いた。まさか俺の速さに反応するとは」
(そんな驚くことか?)
「でも・・」
神早颯は一瞬立ち止まり、ボールを両足のインサイドで挟み、片足をあげてボールを宙に浮かせ、残った片足のかかとでボールをさらに斜め前に蹴り上げて、ボールに自身ごと慎也を飛び越えさせる。
(しまっ・・!)
「反応できるだけじゃ、ダメだよね?」
そして神早颯は慎也の横を素早く通り過ぎ、バウンドして浮かんだボールを勢いよく蹴り、ゴールの端にシュートした。
「っ!くそ・・!」
咄嗟にボールへと飛んだGKだったが、間に合わずそのままボールはゴールへと入って行った。
「チッ」
「これで同点だね。ま!今日は勝つ気ないし、今のでお前らの実力もわかったから、俺は何もしないしあとはお好きにどうぞ」
そう言って神早颯は自陣へと戻って行った。
「お好きにって・・」
「どんまいどんまい!」
「もう1点取ればいい話だ!」
その後、神早颯は宣言通り本当に何もせず、"亮太のゴール"によって2ー1で慎也たちのクラスが勝って体育の授業は終わった。
・・・
「あー水うめえ」
「いやーいい汗かいたー!」
(あれから亮太の無双だったな)
「お疲れ様でした、お2人とも」
試合を終えて水分補給している2人の元に、同様に試合を終えた怜がやってくる。
「そっちも終わったのか」
「ええ。5ー0でこっちが勝ちました」
「・・え?たしか試合時間って25分だったよな?てことはお前・・」
「5分に1点は入れてますね」
「マジかよ」
「ははは!さすが鈴川だな!ちなみにその5点、鈴川が入れたんだろ?」
「ええ。他の女子はあなたたち・・・というより、篠宮君に見惚れてましたから」
(・・てことはこいつ、1対11で5点取ったの?やばくね?)
「それであなたたちは?」
「こっちは2ー1で勝ったぞ」
「1点取られたんですね」
「ああ実はな・・」
先程のことを話しながら3人は教室へと戻って行った。
「・・・っ!」
そんな3人、というより"亮太"を恨めしそうに見ている人がいるとも知らずに・・
そして事件は起こった