表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第二世界 第二章 最強の女
133/211

共同撃退




『ォォォオオ!』

(・・やっぱ雑魚だな)


慎也は斬りかかってきたガイコツを躱し、魔力を込めた竹刀でガイコツの体を真っ二つに打ち砕いた。


(・・外の方にも同じような気配あるな。はぁめんど)

「村上君?今の音は一体・・・!」


慎也がガイコツを打ち砕いた時の音を聞き、戻ってきた怜は転がっているガイコツの体を見て状況を把握する。


「・・来たんですね」

「ああ。しかもまだ外にいるらしいし、ほんとめんどくせえ」

『オォォォ・・』

「「!」」


体を真っ二つにしたガイコツの上半身が突然動き出し、咄嗟に2人はそっちを向いて構える。


「これで倒せてねえのかよ」

「どこかに心臓にあたる何かあるとか?」

「となるとそこしかねえか」


そう言うと慎也はガイコツの頭を竹刀で砕く。するとそれと同時に頭に入っていたであろう白い宝石も砕けた。その瞬間ガイコツの動きが止まり、上半身も下半身も灰となって消滅した。


(なるほどな。こりゃめんどくせえ)

「村上君、サングラスは?」

「常備してるぞ。いつ攻めて来られても大丈夫なようにな」


そう言って慎也はポケットからサングラスを取り出し、かけると店の外に出て状況を見る。


(1階はわかりやすく結構いるな。2階はさっきの奴だけで、3階も少ないがいるな。数的に1階を優先したいが・・)

「・・3階にもいますねこれ」

「お、おおよくわかったな」

「足音で丸わかりです。それでここからどうするんですか?」

「とりあえず1階を優先に行きたいんだが、3階にまだ人が残ってるかもしれねえしなぁ・・」

「・・なら私が3階を片付けますよ」

「はぁ!?」


怜の驚きの提案に慎也は慌てて止めにかかる。


「ちょ、ちょっと待て!さすがに学校で強いって言われてるからって、無理があるだろ!」

「大丈夫ですよ。私、あなたの想像以上に強いですから」

「いやそれでも・・」

「では失礼します。あとその竹刀借りますね」


そう言うと慎也の制止を振り切り、怜は慎也から竹刀を奪って3階へと駆けて行った。


「お、おい!」

(ほんとに大丈夫かあいつ?・・・まあ俺は止めたし、怪我したら自己責任ということで)


怜のことは一旦忘れ、先程倒したガイコツが持っていた剣を拝借して1階に飛び降りる慎也。すると着地した瞬間、1階にいたガイコツたちの視線が慎也に集まる。


(おー結構いんなぁ)


慎也の視界には少なくとも20もの剣を持ったガイコツが映っている。そしてそのガイコツは容赦なく慎也に襲い掛かった。


『オォォォ!』

(1体1体相手にすんのめんどくせえし一掃でいいや)

「『エアブラスト』!」


向かって来たガイコツたちを慎也は魔法で放った風の球で遠くにふっとばす。


(・・『フレイムボム』の方がよかったかな?あの感じコア壊せてなさそうだし)

『オォォ!』

(!後ろか!)

「おらよ!」


慎也は後ろから斬りかかって来たガイコツの剣をしゃがんで躱し、そのまま足払いでガイコツを転ばし、魔力の込めたかかと落としでコアである宝石ごと頭蓋骨を壊す。


(・・まず1体か。こりゃ先が思いやられるな)


ガイコツが消滅したことを確認し、慎也は後ろから向かってくるガイコツたちに向かって走り出す。


(とりまコア壊すのは後だ。まずは身動きが取れない状態にするか)

『オォォォ!』

(・・そうだいいこと思いついた)


慎也は斬りかかってきたガイコツの剣を自身の剣で上に弾き飛ばし、ガイコツの手から離れた剣を空中でキャッチし、2本の剣でそのガイコツの体を縦に真っ二つにする。


(1回二刀流やってみたかったんだよな。そんじゃいっちょ気合い入れるか)

「『斬連波』!」


両手の剣に魔力を込めると、その剣たちを同時に3回振り、それぞれ3つずつ斬撃を放ち、合計6つの斬撃が向かって行く。それによって最前列にいたガイコツ6体の体が2つに切断された。


「さーてお次は・・」

『『オォォォ!!』』

「お前らじゃい!」


足に魔力を込め、2体のガイコツの間を猛スピードで通り抜けてその際に両手の剣でその2体のガイコツの体を斬り裂く。


『オォォォォォ!!!!』

(わーおめっちゃ来るやん。仕方ねえなぁ)


同時に複数体で飛びかかって来たガイコツたちを見て、慎也は片手の剣を上に投げ、その空いた手の平をそのガイコツたちに向ける。


「いくぜ。『スラッシュストーム』!」


そう唱えると慎也の手から風の球がガイコツたちに放たれる。そして、その風の球がガイコツたちのうちの1体に当たった瞬間、風の球が破裂してそこから何個もの風の斬撃が360度全方位に放たれる。その斬撃たちは飛びかかったガイコツたちの体を斬り裂き、さらには慎也にも襲い掛かった。


(これ自分にも来るから使いづらいんだよな)


『スラッシュストーム』の扱いに困りながら、慎也はちょうど落ちて来た剣をキャッチして、その剣で斬撃を捌き切る。


(てか今のでかなり倒せたな。あとは10体くらいか?)

『オ、オォォ』

「どした、来ねえのか?なら俺から・・」

『オォォォ!』


慎也が剣を構えた瞬間、怯えたように残りのガイコツたちが全速力で慌てて逃げて行った。


「・・逃げんのかい」

(まあいい好都合だ。鈴川の方に行くか)


床を這って動いているガイコツたちを放置して慎也は3階へと上がった。









「おーい!鈴川ー?」

「こっちです村上君!」

(お、いたいた。てかあいつコアも壊したのか?)


3階に上がり怜と合流した慎也は、3階にガイコツがいないことに少々驚く。


「ガイコツはやったのか?」

「ええ。化け物というほど強くありませんでした」

「お、おうそうか」

(ガイコツたちって一般人でも勝てるレベルだったのか?)


慎也が怜の驚きの返答に困惑していると、1階に銃を持った警察官が入ってくる。それを見た慎也は怜をしゃがませて3階から顔を出す。


「来んの遅えよ警察!」

「お、お前は!」

「今回の騒ぎも貴様の仕業だな!?」

(今回もってなんだよ今回もって)

「違えよ。それよりさっさとそいつら片付けてくれねえか?」


そう言って慎也は1階に残した半身のガイコツたちを指差す。


「こ、こいつら動いて・・!」

「そいつらの頭の中にある宝石壊せば死ぬから!それじゃあと任せたわ!」

「あ、待て!」

「うわ!こいつら掴んできた!」

「くっ、まずはこいつらの処理だ!」


ガイコツたちの処理を始めた警察たちに軽く手を振り慎也は怜を連れて階段に向かう。


「どこから逃げるおつもりですか?」

「ん?屋上から」

「・・あなたなら出来そうですね。ですがさすがの私でも屋上から降りたら死にますよ?」

「ちゃんと俺が背負うよ」

「・・わかりました」

(それでいいのか)


↓↓↓↓移動中↓↓↓↓


そして屋上についた2人。慎也の背中に怜が乗り、慎也は屋上についた柵から少し距離を取る。


「それじゃあ行くぞ鈴川」

「いつでも」

「しっかり捕まっとけ!」


そう言って慎也は怜を背中に乗せたまま助走をつけて柵を飛び越えて屋上から飛び降りた。


(うっわ怖っ!ジェットコースターよりえぐいぞこれ!)

「・・・」

(鈴川めっちゃ無表情じゃん。怖くねえのか?・・・っとそろそろ備えるか)


足にありったけの魔力を込めて衝撃に備える慎也。そしてその結果慎也は無事着地に成功するがその地面に大きなひびが入った。


「ふぅ・・」

「降りますね」

「あーはいはい。ちなみに鈴川、今のとジェットコースターどっちが怖い?」

「・・私としてはどちらも怖くありませんでしたよ」

(そういう面でも強いのかよこいつ)

「そんなことより、見つかる前に早く帰りましょう」

「へいへい」


慎也はサングラスを外し、怜と共に身を隠しながらショッピングモールから離れて行った。











「・・あ」

「ん?どうかしたか?」

「・・剣道の道具、買うの忘れてました」

「・・そういやこの買い物ってそれ買うためのやつだったな」

「まあまた空いた時間に買いに行きましょう」

「それもそうだな」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ