物語は次世界へ
第一世界でこんなかかるとはなぁ(俺がくそサボりまくったのが原因)。
3ヶ月で一世界完結って速度になんねえか・・・うん無理だな。
いろいろとあった最後の3日間も終わり、ついにお別れの日を迎えた慎也たち。そんな慎也たちは朝方の誰もいないギルドに集まっていた。
「ついに来てしまったねえ〜」
「それレイルさんが言うんですね」
「あれ、もしかして慎也君言いたかった?」
「いや別に全然」
「茶番はその辺にしとけお前ら」
「いいじゃないですかハーツさん。今日が最後になるかもしれないんですし」
「・・・まあそれもそうか」
「そういえば慎也君?レイルさんとふざけてるのはいいけど時間的には大丈夫なのかい?」
「あー・・・たしかに時間指定とかはありませんでしたが、次の世界のために早めに行ったほうがいいんですかね?」
「神たちからしたら出来るだけ早く行ってほしいと思うぜ」
「んーまあたしかになぁ。仕方ねえ、名残惜しいが行くか」
そう言って慎也はギルドの出入り口の扉へと歩きドアノブに手をかけた。
「慎也さん!」
すると後ろからエテラが慎也を呼び止める。
「頑張ってくださいね!私たち待ってますから!」
「!」
「おー声援みたいなもんか。なら俺も・・・随分とお前には引き離されたが、お前がいない間にうんと強くなってやるから、楽しみしとけよ!」
「慎也さんが帰ってくるのお待ちしてますから!」
「全てが終わらしたらまた皆さんでクエストに行きましょうね慎也さん!」
「土産話楽しみにしてるよ慎也君!」
「この世界のことなら私とレイルに任せてください!」
「私もか!?と言いつつ、慎也君がいつ戻ってきていいようにちゃんと守らせてもらうよ」
「帰ってきた時にお前がエテラさんに相応しいかちゃんと見定めてやるから覚悟しとけよ!」
「それはお前が決めることじゃないだろディード・・・とまあそういうことだから、安心して行ってこい慎也。この世界は俺たちに任せろ」
「・・・そうですか、わかりました。この世界のこと任せました」
そう言って慎也は再度ドアノブに手をかけ、扉開けて後ろに振り返りながらこう言った。
「それじゃあ、行ってきます!」
そう言って慎也はギルドから出て行った。
『・・・』
慎也がいなくなったギルドにしばしの沈黙が流れる。そしてその沈黙を破ったのはハーツだった。
「・・よし、それじゃあみんな自分の仕事に戻るぞー」
「よくこの雰囲気で言えたねハーツ君」
「いやだって俺たちがこうやって落ち込んでたら慎也も安心して行けねえだろ?それにもうすぐギルド開ける時間だし」
「それもそうですね。それじゃあ私も準備します」
「んじゃ俺たちは一足先にクエスト行こうぜリア!」
「そうね!慎也をあっと驚かせるんだから!」
「お、そういうことなら僕たちもついてっていいかな?」
「4人のほうが効率がいいですしね」
「ふぅ、それじゃあ俺もクエストに・・」
「おい待てディード」
「あ?なんだよ?」
「お前の昨日の攻撃のせいで時計塔の鐘が少し壊れてんだ。それで謝罪やら修理やらあるから来い」
「はぁぁぁ!?」
戻ってきた皆の日常(?)。その光景をエリシアとレイルは微笑ましく見ていた。
「みんな、いつも通りだね」
「・・・」
「ん?どうかしたかいエリシア?」
「・・今思えば、この光景も慎也さんが作ってくれたんだなと思いまして」
「ふふ、たしかにね。彼がいたから生きている人はたくさんいる。てかむしろ私たち全員助けられてないかい?」
「たしかにそうですね。慎也さんがいなかったらエテラさんやライルさんたちは死んでましたし、ハーツさんやアイクさんたちもあの戦争でグラドスに殺されていました。そして私も永遠に囚われ続けるところでした」
「私も、慎也君がいなかったらドラゴンにやられてたし、ディードも一生目を覚ますことはなかっただろうね」
「ほんと、慎也さんには感謝してもしきれませんね」
「ああそうだね」
「・・・」
「・・・」
「・・ねえレイルさん?」
「ん?どうかしたかい?」
「私、今日はとても気分が良いのでレイルさんにきてる依頼、少し手伝ってあげますよ」
「ほ、ほんとかい!?いやー助かるよ!まだ20個近くあるから困ってたんだ!」
「受ける依頼に制限つけましょうよ。はぁ、それじゃあ行きますか」
「ああ!」
そして2人も、共に笑いながら"慎也の作った日常"へと入って行った。
(・・・ついに、この世界ともお別れか)
慎也がこの世界に来た時に目覚めた始まりの場所。平原にポツンっと立った1本の木の下に展開されている魔法陣を目の前に、慎也はこの世界での思い出に浸っていた。
(思えば、この世界には1年もいなかったのにいろいろなことがあったな)
スライムであるイムとの出会い。
『名前がないと色々と面倒だしこの機会に名前ぐらいつけてやるか!うーん・・・よし!これからお前の名前はイムだ!』
エテラとの出会い。そして『ブーストアイ』との出会い。
(俺は・・・絶対にエテラさんと生きて帰る!)
『貴様のその強い清き意志、俺の力で可能にしてやろう』
ライルとリアとの出会い。
『俺の名前はライル、よろしくな慎也!』
『私はリアといいます。よろしくお願いします、慎也さん』
ハーツとの出会い。
『俺の名前はハーツ。ここのギルドマスターをやっている、よろしくな』
エリシアとの出会い。
『私の名前はエリシア。よろしくお願いしますね、慎也さん』
オークキングとの戦い。
『10秒で、この勝負に方をつけて、お前を助けてやる』
『10秒でお前が死ぬの間違いじゃねえか?』
『言ってろ』
アイクとミリユとの出会い。
『僕の名前はアイク、Bランクの冒険者でレベルは39だ、よろしく』
『あんまりみんなを引っ張るとかそういったことは自信ないんだけど・・』
イムとの別れ。
『イムが・・・俺を庇って死んだ?』
『お前さえいなければぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
グラドスとの戦い。
『なぜだ!なぜ立てる!?』
『そんなの、決まってる!仲間を守るためだっ!!てめえなんかに、今ここでやられるわけにはいかねえんだよ!!』
『っ!人間風情がぁぁ!!!』
レイルとハーツとの出会い。
『私はレイルという者だ』
『レイル?もしかして・・』
『そのもしかしてだ。私は巷で剣姫と呼ばれているよ』
『俺の名はディード、ランクは冒険者の中でも上位、Aランクだ』
竜との戦い。
『俺は諦めません!ここで諦めたら仲間を、ハーツさんを失ってしまいます!』
そして、バルシムとの戦い。
『いくぞバルシム!』
『来い!村上慎也!』
この長いようで短い期間の中、慎也はいろいろな経験をした。仲間との出会いや、魔物との戦闘。その中には辛いことや悲しいこともあった。しかし慎也はそれを乗り越えて今こうして立っている。
(・・もう思い残すことはない!行くぞ、次の世界に!)
その決意を胸、慎也は魔法陣へと入った。すると魔法陣は光出し、その光が消えるとそこに魔法陣と慎也の姿はなかった。
はいここまで読んで頂きありがとうございました!
さて、第一世界が終わり、次の世界へと行くんですが、第一世界で出た謎をまとめました!
①バルシムの言っていた"あの方"とは?
②"あの方"の目的とは?
③そして慎也がバルシムと同じ力を使えたわけとは!?
他にもあるかもしれないが今目立ってるのはこれらだね。もちろんこの謎たちは物語が進むにつれて解明されていくぜ!
あ、あと1章の『理由』と『痛感して決心する』の最後をちょっと編集したからよかったら見てね。
それじゃあこの辺で!質問とかはもちろん受け付けるぜ!




