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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
物語は次世界へ
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2日目 レイル編

夏休みまでに終わらせると意気込んでいた時期も俺にはありました。




2人が買い物に駆り出されて数時間後。ディードの時間は終わり、慎也は次の相手であるレイルのところに来ていた。


「・・まさかのここでレイルさんですか」

「まるで私じゃ嫌みたいな言い方じゃないか」

「実際嫌ですよ?ただでさえさっきのあれでちょっと疲れてるのに、そこに戦闘狂のレイルさんですから。嫌な予感しかしませんよ」

「何やら失礼な単語が1つあったが、聞かなかったことにしてあげよう。それにしてもさっきの戦いは凄かったね。あのドラゴンとの戦いから慎也君が成長しているのを感じれて私は嬉しいよ」

「あなたは俺の師匠か何かですか」

「私的には君との師弟関係も良いと思ってるよ」

(ちょっと何言ってるかわかんない)

「それよりもレイルさんは俺と何をするんですか?あ、面倒なことはやめてくださいね」

「その点は大丈夫だよ。慎也君なら呑み込みも早いだろうし」

(なんか嫌な予感が・・)

「では教えよう。私たちがやるのは・・・レイルとドキドキ!武技練習講座だ!」

「・・・は?」









「てことでここら辺でやろうか」

「わーお唐突」


誤って周りに被害が出ないよう、2人は街を出て開けた草原へと来た。


「さてと、それじゃあまずは・・」

「あのーちょっと待ってください?」

「ん?どうしたの?」

「いやこの講座やる必要あります?」

「うむ、まずはそこからか。いいだろう説明してあげよう」

「お願いしまーす」

「理由は2つ。1つ目は、慎也の武技が弱すぎることだ」

「えー?」

「正しく言えば、慎也君が習得してる武技が弱すぎるところだね」

「いや『トルネードトラスト』は強いですよ?」

「そんなことは分かっている。問題はそれ以外の武技だ。今自分が何を習得しているのか言ってみなさい」

「えーっと『ハードスラッシュ』に『スラッシュカッター』、あとは、『ツインスラッシュ』と・・・あ、あと『斬連波』もですね!」

「はぁ・・」

(なんかため息つかれたんだけど)

「いいかい慎也君?『斬連波』はともかく、それ以外の武技は最弱と言われる武技たちだよ?それでこれからどうやって戦っていくつもりだい?」

「そこは魔法と『トルネードトラスト』でカバー・・」

「その考えが2つ目の理由に繋がるんだよ。君はこれからいろんな世界をまわって行く上で、もちろん様々な敵と戦って行くわけだが、その中に魔法を無効化してくる敵が出てきたらどうするつもりだい?」

「そ、それは・・」

「まさか、『トルネードトラスト』を連発するとか言わないよね?たしかに火力は高いけど魔力の消費が大きいから、そう安易と連続で放てるものじゃないよあれは」

「うっ・・」

(ま、まあたしかにレイルさんの言う通りだな)

「・・・うむ、納得していただけたみたいだね。てことではいこれ」


そう言ってレイルは慎也に一冊の本を渡す。その中は慎也がこれまで習得したスキルや、魔力が足りずにスルーしてきたスキルがびっしりと記載されていた。


「これで気になった武技を習得するがいい。今の君ならレベル5は無理でもレベル4のスキルなら余裕で習得出来るだろう」

(まあ良い機会だし真面目にやるか)


レイルに促され、慎也は本を開きレイルとディードが使っているのを見たスキルを習得していく。


(げっ、『ライトフラッシュ』に必要な魔力足りねえや。そんだけ強い武技ってことか)

「終わったかい?」

「ええまあ」

「それで何を習得したんだい?」

「とりあえずは『岩壊斬』に『空裂斬』、あと『グランドブレイク』と『暴風剣』ですね」

「・・・君は第2のディード君になるつもりかい?」

(それはやだな)

「まあいいや!それじゃあ現人類の中で最強の剣士であるこの私が、直々に指南してあげよう!」

「自分で言うんですねそれ」

「事実だしね。てことでまずは『岩壊斬』からだ!」

「へーい」


こうしてレイルの武技練習講座が始まった。









「とりあえずまずは『岩壊斬』がどういうスキルなのかからいこうか。慎也君わかるかい?」

(たしかディードさんが使う時は特別なことは起こらずにただ殴ってただけだし・・)

「一撃を強化するスキルですか?」

「そう!そしてこのスキルは『ハードスラッシュ』の上位互換でもある!」

「でしょうね」

「てことで慎也君、防御の体勢を取るがいい」

「え?」

「今から私が無強化の攻撃と『岩壊斬』を使った一撃を放つから、違いを身をもって感じてくれ」

「えぇ・・・はぁ、お手柔らかにお願いしますよ」


渋々了承した慎也は剣を抜き守りの体勢に入った。そしてそれを見たレイルは魔力を込めずに慎也に剣を振った。


「っ!」


さすがはレイルと言うべきか、通常攻撃でもそれを受けた慎也は想像以上の威力に少し後ろに飛ばされる。


(力つっよ!普通でこれか!)

「それじゃあ次は『岩壊斬』を・・」

「ちょっと待ってくださいレイルさん。流石に自分を強化しないと受けれる気がしないので」

「んー・・・まあいいか」


先程の攻撃で危機感を持った慎也は『ブーストアイ』を発動させて自分を強化し、レイルの攻撃に備える。


「そんじゃいくよ慎也君!『岩壊斬』!」


そう言ってレイルは強化された剣を慎也に勢いよくぶつける。その瞬間、先程の倍くらいの衝撃が慎也に伝わり、慎也は剣だけでなく足にも魔力を込めてそれを受け切った。


「分かったかい?『岩壊斬』がどれほどのものか?」

「ええまあ。てかちゃんとレイルさん手加減しましたよね?」

「ああもちろんだとも!」

(の割りには結構強かったけど。もしかして俺が弱いだけか?)

「では次に『暴風剣』といこうか!」

(大丈夫かなこの講座。不安になってきたわ)


そしてそれからもレイルによるスキルの練習講座は続くのであった。




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