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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
物語は次世界へ
110/211

最後は仲間と共に




「・・・ん」

「慎也!」

「うっせえよライル。急にでかい声出すな」


あの後、メリエヌスに戻された慎也は救護室で目覚めた。そこには心配そうに見るライルとリアの姿があった。


「慎也さん、体の調子は?」

「いや全然大丈夫だぞ」

「ほんとか?ったく急に俺たちの前で倒れるからヒヤヒヤしたぜ」

「悪い悪い。ちょっと神に呼ばれてたんだ」

「・・・マジ?」

「マジ」

「ま、まあ何はともあれ、無事でよかったです」

「あ、そうだ2人とも。悪いんだけどさ、ギルドの中にいる人でいいからバルシムを倒したメンバーを集めてくれないか?」

「いいけどなんでだ?」

「・・大事な話がある」

「!・・わかった。リア行こう」

「うん!」


"大事な話"、"神に呼ばれていた"。その2つから慎也から何が話されるのか察したライルはリアを連れて救護室を出て行った。









そしてそれから数分が経ち救護室にはライル、リア、ハーツ、エテラが集まっていた。


「それで慎也、大事な話ってなんだ?」

「ああ、実はな・・」


それから慎也はメリエヌスに話された今後のことを4人にそのまま話した。


「・・なるほどな。つまりお前とのお別れはもう間近ってわけか」

「そうなりますね・・」

「いつかこの日が来ると思ってましたが、いざ来るとなんというかこう・・・寂しいですね」

「そうですね・・」

『・・・』

(いや気まず!どうすんのこと雰囲気)

「・・・よっし決めた!!」

「!?ライル急にでっかい声出すなよ。てかさっきも言った気が・・」

「慎也!残りの3日間、俺たち9人の言うことを聞いてもらうぜ!」

「はあ!?」


ライルの突然の提案に慎也だけでなく他の者もかなり驚く。


「ライル!?急に何言って・・」

「だって慎也がこの世界を出て行ったら俺たちはしばらく、もしくは永遠に慎也と会えないんだぜ?なら最後の3日間くらい俺たちの好きにさせてもらわねえと!」

「待ってそれ俺に拒否け・・」

「まさか拒否するとか言わねえよな?」

「うっ・・!」

「・・たしかにライルさんの言う通り、その3日が過ぎれば私たちは慎也さんとお別れ。ただいつも通りに日常を過ごしてその時間を費やすのもいやですしね」

(まあエテラさんの言うこともわからなくはないけど・・)

「私はライルに賛成!最後くらい慎也さんを好きにしたいよ」

「・・ハーツさん?ハーツさんはさすがに・・」

「慎也・・・3日間、覚悟してろよ」

「うそーん!」

「さあ4体1だ!大人しく言う通りになったらどうだ?」

「・・はぁ、わかったよ」

「よっしゃ!それじゃあ慎也は明日の朝8時にギルドに来てくれ!」

「それじゃあ俺は仕事が終わり次第、このことを他の奴らに伝えるわ。お前らも見かけたら頼むぞ」

「「「はい!」」」

「てことで解散!慎也も動けるなら自由にしていいぞ」


そう言うと4人は急いで救護室を出て行き、明日の準備へと取り掛かった。


(なんかめんどくせえことになったな・・・でもまあ、最後くらい付き合ってやるのも悪くないか)


仲間たちと一緒に過ごせる最後の時間。そういう意味で慎也はそう思うのであった。









(・・たしかライルが言うにはこの時間にギルドに来いだったよな)


翌日。ライルに言われた通り慎也は朝8時にギルドに入ったが、中にはライルたちの姿は無かった。


(来る時間を間違えたとか・・・いや、間違いなく8時だな。あっちから言っといて遅刻とかは勘弁してくれよ)


仕方なく慎也は適当な椅子に座り、誰かしらが来るのを待つ。するとその瞬間、慎也は後ろから何者かに肩を叩かれる。


(やっと来たかラ・・・え?)


ライルが来たと思った慎也は後ろに振り返るがそこにはライルではなく・・


「1日目の最初の相手は僕だよ。慎也君」


そう言って慎也にウィンクするアイクがいた。









これはライルたちが救護室を出て数時間後のことである。ライルたちによってハーツの部屋に集められたエリシア、レイル、アイク、ミリユ、ディードはライルたちから慎也から聞いた話と自分たちがすることを話した。


「なるほど、話はわかった。たしかに慎也といれる時間が残り3日だというのに、このままいつも通り過ごしてしまうのも面白くないね。私は賛成だよ」

「僕も賛成かな。まだ慎也君とやりたいことがあるしね」

「私も賛成です!プライベートで慎也さんと一緒に何かすることってあんまなかったので楽しみです!」

「これで3人は良しか。エリシアさんはどうですか?」

「・・そうですね。この世界を去って以降も慎也さんには自由があることですし、最後くらい私たちの我儘に付き合ってもらいましょうか」

「エリシアもオーケーだな。ディード、お前はどうだ?」

「俺はお前らと違って、そこまであいつといるわけじゃないからな。どっちでもいいぜ」

「じゃあ賛成ってことで。それじゃあみんな!俺がくじを作ったから1人1枚引いてくれ!」


そう言うとハーツは真ん中のテーブルに9枚の折り畳まれた紙が入った箱を置く。そしてそこから各々紙を引いていき、最後の1枚をハーツが引いた。


「その紙には1から9の何かしらの数字が書かれてる。そんで1から3の紙を引いた奴らはその番号順に明日慎也の相手だ。そんな感じで4から6は明後日、7から9は最後の日だ。わかったか?」

「わかりましたー!」

「それじゃあみんな紙を開いてくれ!」


ハーツがそう言うと皆は自身の引いた紙を開いていった。









「・・とまあこんな感じで僕が1番になったわけ」

「なるほど?それでアイクさんは俺と何をするんですか?」

「それはもちろんクエストだよ!慎也君と2人で戦ったことがないからね!」

「・・たしかに言われてみればそうですね」

「でしょ?てことでクエストはもう受けてあるから、さっそく行くよ!」

「あーはいわかりました」

(こんなのが3日続くのか?大丈夫か3日後の俺?)


今の自分より未来の自分の心配をする慎也なのであった。




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