VS剣の王バルシム 絆と憎しみ
待たせたなみんな!いろいろと確認しながらやってたらくっそ時間かかってしまった!そしてなんと今回は驚異の1万文字越えだ!だがその分今までのやつの中で1番の出来だと俺は思ってる!
さあ慎也たちとバルシムの戦いの結末をその目で読んでくれ!
慎「いくぞバルシム!」
バ『来い!村上慎也!』
そう言うと2人は互いに自信の剣に魔力を込め、互いが互いに斬りかかり剣と剣がぶつかり合う。
慎(っ!やっぱり何度ぶつかって一撃が重い!一瞬で
も気を抜いたら潰されそうだ)
バ『どうした!?力が足んねえぞ!』
慎「ぐっ!」
レ「ならこれはどうかな!」
力で押されて慎也の剣に後ろからレイルが剣を重ねて自信の力を加える。
レ「いくよ慎也君!」
慎「はい!」
慎・レ「「はああああ!!」」
バ『っ!』
2人は同時に力を入れてバルシムを押し飛ばす。するとさらにそこに追撃するように無数のレーザーがバルシムに放たれて命中し、いくつもの小爆発を起こす。
エ「今です2人とも!」
レ「休ませる暇は与えないよ!」
バ『おらあああ!!』
慎・レ「「っ!」」
レイルが斬りかかろうと走り出した瞬間、バルシムが衝撃波を放って慎也とレイルもろとも爆煙を払い飛ばす。
慎(衝撃波だけでこれってやべえだろ・・)
デ「合わせろよてめえら!『岩壊斬』!」
ア「了解!『獣滅槍』!」
バルシムに右から斧を振るディード、左から槍を突き出すアイク。しかし2人の攻撃を、バルシムは斧を大剣でガードし、槍の先端を掴んで防ぐ。
バ『2方向からならいけると思ったか?』
ア「いいや思ってないよ!」
デ「今だガキ!」
ラ「うおりゃあああ!」
ディードの合図と共にライルが高く飛び上がり、真正面から斬りかかる。躱そうとするバルシムだったが、左右は2人に邪魔をされて動けないでいた。
バ(こいつの槍を掴んでる以上後ろにも飛べねえな。
なら・・)
ア「え、ちょ、マジ?」
バルシムは腕に力を入れ、アイクごと槍を持ち上げて向かってくるライルに勢いよくぶつける。
デ「はあ!?」
バ『次はお前だ!』
デ「っ!」
ディードの斧を押し返し、ディードが仰け反ったところにバルシムは大剣で追い討ちをかけ、ディードを斬り飛ばす。
ミ「『ドラゴンフレイム』!」
バ『チッ』
慎也たちは攻撃の手をやめない。今度はミリユの放った2体の炎の竜がバルシムに向かっていく。しかしそれもバルシムには効かず、容易く斬り消される。
慎(簡単にはいかねえか!)
バ『どいつもこいつも弱えな。弱者なりに一斉にかか
ってきたらどうだ?』
レ「ならそうさせてもらうよ!」
そう言いながら斬りかかるレイルだが、それもバルシムには容易くいなされる。
ハ「意思疎通もしてねえのに身勝手すぎるだろあい
つ。『トラストレイン』!」
エ「まあそれがレイルさんですから。『マルチレーザ
ー』!」
慎「でもあの人の身勝手さに振り回されて今まで退屈
しなかったのも事実ですがね。俺も行くか!」
ハーツの数十本の矢、エリシアの無数の光線、それらと共に慎也はバルシムに斬りかかる。
バ『そんなもんまた衝撃波で・・』
レ「やらせると思うかい?」
バ『だろうな!』
バルシムは腕に魔力を込めて大剣を振る速さを上げ、レイルと慎也の攻撃を受け流しながら、次々と向かってくる矢と光線をいなしていく。
慎(マジィ!?今のでもダメか!)
バ『おいおい終わりか?なら俺からもいくぞ!』
そう言うとバルシムは一瞬でレイルを大剣でぶっ飛ばし、慎也を足払いで倒し、腹部を踏みつける。
慎「ぐっ!」
バ『刺すならどこがいいかなぁ。胸か?頭か?それと
も豪快に首をはねるか?』
エ「慎也さん!『エアブラスト』!」
ミ「『ドラゴンフレイム』!お願い間に合って!」
ハ「『ホーミングアロー』!」
バ『遅えよ!』
3人は慌てて攻撃を放つが、バルシムはすでに大剣を振り下ろそうと振り上げていた。
慎(くそが・・!)
バ『じゃあな、村上し・・』
リ「『フレイムボム』!」
バ『うおっ!?』
バルシムが大剣に魔力を込めた瞬間、いつの間にか近距離にいたリアの渾身の魔法を喰らい、バルシムは爆発の衝撃と爆風で吹っ飛ばされる。そしてその方向からは3人の放った攻撃が向かってきており、バルシムは咄嗟に大剣でガードする。そして3人の攻撃と激突したバルシムは爆煙に包まれた。
慎「げほっ、げほっ!悪いリア、助かった」
リ「私たちは仲間なんですから!助け合いですよ!」
バ『だああああああくそ!!』
慎・リ「「!」」
魔力の波動を放って爆煙を払い、怒声を上げるバルシム。
バ『あのガキとお前魔力少なすぎて気付きずれえんだ
よ!雑魚がでしゃばんな!』
慎(ライルとリアのことだな多分)
デ「よそ見してんじゃねえ!」
そう言ってディードがバルシムに斬りかかるが、簡単にガードされ体を蹴り飛ばされる。
エ「『グランドルート』!」
バ『っ!チッ!』
自身の真下から飛び出してきた木の根っこをバルシムは咄嗟に後ろに飛んで躱す。それに続いて次々と根っこが地面から飛び出してき、バルシムに向かっていく。
バ『めんどくせえな次から次へと!』
ア「それがエリシアさんの強みでもあるからね!」
バ『っ!』
向かってくる根っこの影から突然現れたアイクの攻撃をバルシムは尋常じゃない反応速度で躱し、アイクに大剣を振る。しかし2人の間に根っこが割り込んできたことにより大剣はアイクではなく根っこを斬った。
ア「あぶな!」
バ『チッ!』
ア(見た感じエリシアさんがこれを出せるのは残り1
0本ちょっとかな。充分だ!)
ア「エリシアさん!僕のことは気にせず攻めちゃって
いいよ!」
エ「わかりました!」
アイクの言う通りにエリシアはアイクに気をつけずバルシムへと根っこを放っていく。それをアイクは躱しながら休みなくバルシムに攻撃を仕掛けている。しかしアイクに出来てバルシム出来ないはずもなく、バルシムは根っこを躱しながらアイクの攻撃を捌きながら自らも攻撃を仕掛けているため、アイクの体には次々と切り傷ができていく。
ア(・・まずいねこれ。エリシアさんの援護があるか ら押せると思ったんだけど・・)
バ『そろそろ致命傷でも・・・っ!』
ア(!・・ナイスだエリシアさん!)
バルシムが大剣を振ろうとしたところエリシアは根っこで大剣を持つ腕にぶつけて一瞬の隙を作る。その隙を見逃さずアイクはバルシムの胴体に『獣滅槍』を打ち込む。鎧が邪魔をして直接的なダメージはあまり与えられなかったものの、衝撃でバルシムは後ろへとぶっ飛ぶ。
バ『チッ、小癪な真似を・・・っ!?』
バルシムが飛んでいく先に待っていた1本の根っこ、それによってバルシムは背中を突かれて前にぶっ飛ぶ。そしてさらに前の地面から飛び出してきた根っこに腹部を突かれてバルシムは斜め上にぶっ飛ばされる。それを見たアイクはすぐさま上に飛び上がり、槍に魔力を込める。
ア「このチャンス、逃さないよ!『デビルライ
ン』!」
ハ「俺たちもいくぞミリユ!『ホーミングアロ
ー』!」
ミ「はい!『アクアファイヤ』!」
ハーツの放った3本の矢とアイクの放った紫色の光線がバルシムに触れた瞬間爆発し、バルシムは地面に体を打ちつけられる。そしてさらにそこにミリユは複数の水の球で追撃する。
ア「今のはちょっとは効いたと思うんだけどな・・」
バ『ああ。ちょっとは効いたぜ』
ア「っ!?ぐはっ!」
いつの間にか後ろに回っていたバルシムに気付いた時にはアイクは体を斬りつけられ、吐血してその場に倒れる。
バ『これで1人目ぇ!』
ハ「アイク!」
ハ(マジかよ。あれ喰らってすぐに体勢を立て直して
アイクを倒すとかチートだろ!)
バ『人の心配をしてる場合か?』
そう言ってバルシムは一瞬のうちにハーツの後ろに回り込み、大剣を振る。
ハ(しまっ・・・・・ん?)
しかしその攻撃はハーツには届かず、1本の浮遊する剣に防がれる。
バ『これは・・!』
レ「させないよバルシム!」
ハ「悪いレイル!助かった!」
バ『やっぱりお前か!』
ハーツを無視してバルシムはレイルに斬りかかる。それをレイルはなんとか剣でガードする。
バ『チッ・・・!後ろか!』
前がレイルに塞がれたところに慎也とライルがバルシムに後ろから飛びかかり剣を振る。それに気づいたバルシムは上に飛び上がり、剣に魔力を込める。
慎(あ、やっば)
バ「『グランドブレイク』!」
バルシムは3人に向けて光線を放つ。3人は咄嗟に後ろに飛んで直撃は回避するが、地面に触れたことによる爆発で3人はふっ飛ばされる。
慎(直撃は無理だったか。まあ今のが当たるんだった
らここまで苦労はしないか・・・っ!)
エ「まだまだ行きますよ!」
バ『チッ!』
バルシムの着地を狙って後衛の4人が一斉に攻撃を放つ。それをバルシムは魔力を込めた大剣を振って衝撃波を放って全て打ち消した。
エ「ハーツさん、矢は大丈夫ですか?」
ハ「ざっと10本しか残ってねえ。エリシアは?」
エ「私も、せいぜい『エクスプロージョン』が1発放
てるくらいですね」
ハ「マジか。ミリユは?」
ミ「私も残りわずかです」
エ(私たちがここまで消費してるのですから、バルシ
ムもそろそろ限界が来てると思うのですが・・)
バ『俺はここだぜ?よそ見してていいのか?』
エ・ハ・ミ「「「っ!?」」」
バ『おっらぁ!』
一瞬で3人との距離を詰めたバルシムは3人を別々の方向に蹴り飛ばし、ミリユを追って行く。
ハ(まずい!ミリユ!)
バ『これで2人・・・』
リ「『フレイムボム』!」
バ『っ!チッ!やっぱまずはお前からだ!』
横からリアが放った魔法によりバルシムは爆発でぶっ飛ばされる。そしてバルシムは標的をミリユからリアに変え、足に魔力を込めて一瞬でリアの目の前に移動する。
リ「っ!『フレイ・・」
バ『遅い!』
リ「かはっ!」
バルシムはリアに魔法を発動させる前に腹部を蹴り上げ、胴体を斬り体を飛ばす。
ラ「リア!!てめえ!」
慎「待てライル!1人で行くな!」
ラ「『ハードスラッシュ』!」
リアがやられたことによる怒りに身を任せ、ライルはバルシムに斬りかかる。しかしライルの攻撃はバルシムの身についている鎧に弾かれてしまう。
ラ「っ!?」
バ『わざわざやられに来てくれてありがとなぁ!』
バルシムはライルの顎を蹴り上げ、ライルの体を大剣で斬りつけてぶっ飛ばす。
慎「ライル!」
バ『次はあの弓使いを・・』
デ「『岩壊斬』!」
バルシムがハーツの方に体を向けた瞬間、横からディードが勢いよくバルシムに斬りかかる。しかしバルシムはそれを容易くガードしてしまう。
バ『そういえばお前もいたな』
デ「くっ!」
バ『先にお前をやるか!』
デ「っ!?」
ディードの斧を押し飛ばしバルシムは一撃、また一撃とディードの体を鎧ごと斬っていく。そして最後にバルシムはディードの胸を大剣で勢いよく突き、ディードを勢いよく突き飛ばす。
ハ「ディード!くそ、『トラストレイン』!」
バ『無駄だ!』
ハーツはバルシムに矢の雨を降らせるが、バルシムが放った魔力の波動によって全て落とされてしまう。
バ『弱い弱い!それで攻撃したつもりかぁ!?』
レ「なら私はどうかな!?『空裂斬』!」
バ『っ!』
レイルの放った斬撃をバルシムは魔力を込めた大剣で真っ二つに切断する。
バ『次はお前からだな。『ライト・・』
ハ(!あれは!まずいレイル!)
バ『・・フラッシュ』!』
レ「っ!?」
一瞬でバルシムはレイルとの距離を詰め、その大剣をレイルに振る。
レ(・・・あれ?痛くな・・っ!)
レ「ハーツ君!!」
ハ「がはっ!」
しかし攻撃を受けたのはレイルではなく、レイルを守ろうと盾になったハーツであった。そしてハーツはそのまま前のめりに倒れ・・
ハ「・・・っ!」
・・そうなところを足で無理やり支え、素早く矢を3本取り出して弓に魔力を込める。
ハ「この距離なら躱せねえだろ?」
バ『っ!?お前・・!』
ハ(一か八かの賭けだ!)
ハ「『ドラゴントラスト』!」
本来1本の矢で放つ高威力の武技を、ハーツは3本で放って、3本の竜の矢でバルシムに攻撃する。2人は至近距離だったため、バルシムはその攻撃をもろに喰らってしまい、かなりの距離をぶっ飛ばされた。
レ「ハーツ君大丈夫かい!?」
ハ「・・・悪りぃ、俺もここらで退場だわ」
そう言ってハーツはその場に倒れた。
バ『あーいって。今のはヒヤッとしたぜ』
レ(ハーツ君。君の頑張りは無駄にしないよ!)
レ「いけるかい?慎也君」
慎「もちろんです!」
レ「それじゃあ・・・いくよ!」
そう言うとレイルはバルシムに斬りかかり、それと同時に慎也もバルシムに斬りかかるが、バルシムには剣を容易く受け止められてしまう。しかしそれでも2人は攻撃をやめず、バルシムに交互に剣を振り攻めていく。
バ(・・・こんな長期戦でも剣の腕は衰えないか。こ
れも絆の力というやつなのか?)
バルシムは2人に、とくに慎也に謎の懐かしさを感じ、吐き気を催すと共にどこか孤独感を感じていた。
バ(今の俺には絆は無い。あるのはこの世界への憎し
みのみ。普通のやつからしたら、こいつらは正義
なのだろう。だが憎しみは俺にとっての正義だ。
なら・・!)
バ『お前らに勝って・・俺の憎しみを正義してや
る!』
慎・レ「「っ!?」」
バルシムは自身の決意を表明させ、それと同時に2人を勢いよく斬り飛ばす。
エ「レイルさん!慎也さん!」
ミ「『ドラゴンフレイム』!」
ミリユの放った2体の炎の竜をバルシムはあえて躱さず、魔法はバルシムに触れた爆発する。しかしバルシムはそれをもろともせず、爆煙から飛び出してミリユに急接近する。
ミ「しまっ・・」
バ『まずはお前だ』
そう言ってバルシムはミリユの体を杖ごと斬り上げ、腹部を蹴り飛ばす。
慎「ミリユさん!」
エ(こうなったら出し惜しみは無しです!)
エ「『エクス・・!」
バ『させねえよ!』
エリシアに魔法を発動させる暇も与えず、バルシムはエリシアに急接近し、杖ごとエリシアの体を斬り飛ばす。
慎「エリシアさん!」
レ「残りは私たちだけか」
バ『お前らにはこれだ!』
そう言ってバルシムは上に高く飛び上がり、大剣に魔力を込める。
バ『喰らえ!『スラッシュレイン』!』
慎「っ!ここでか!」
バルシムから放たれる斬撃の雨。それを2人はなんとか捌いていくが、さすがに体に限界がきているのか、2人は所々負傷してしまう。
レ「はぁ・・はぁ・・」
レ(さすがにキツイね。このままじゃ私も慎也君もい
ずれ・・)
バ『これで終わりだ!『グランドブレイク』!』
レ「っ!?まずい・・・っ!?」
『スラッシュレイン』の後に休みなくバルシムは光線を2人に放つ。咄嗟にレイルは躱そうとしたが、脚が思うように動かず転倒してしまう。
慎「レイルさん!早く俺の手を!」
レ(たとえここで慎也君の手をとっても間に合いそう
にない。なら・・!)
レ「慎也君、あとは任せたよ」
慎「え・・」
そう言ってレイルは手から魔力の塊を放ち、慎也を突き飛ばしてバルシムの攻撃の射線から無理やり出す。
慎「レイルさん!!」
慎也の叫び虚しく、レイルはそのまま光線に呑まれて大規模な爆発が起こり、爆風で慎也はふっ飛ばされていった。
慎(いって!レイルさんは・・・・っ!)
立ち上がり顔を上げた慎也の視界に入ったのは、バルシムに敗れ血まみれになって倒れた仲間たちの姿であった。
慎「あとは、俺1人か」
バ『ああそうだ。お前1人だ』
慎「っ!」
声がした方に慎也は顔を向ける。そしてそこいたのは余裕の笑みを浮かべているバルシムであった。
バ『俺相手によくもまあここまで頑張ってぜ。ま、そ
れも無駄だったがな』
慎「何が無駄だ!まだ俺がいる!」
バ『はあ?お前1人に何が出来る?まさか俺を倒せる
とか言わねえよな?』
慎「ああそうだよ!」
残り僅かな体力で慎也はバルシムに斬りかかるが、バルシムには簡単に躱されてしまう。
慎「くそ!」
バ『絆の力がどうたらとか言ってるから、こうなるん
だよ!』
慎「ぐはっ!?」
バルシムは慎也の顎を蹴り上げ、体を斬り飛ばす。
慎「まだ・・だ!」
バ『はぁ。ならこれでどうだ?』
そう言ってバルシムは魔法陣を出し、そこから剣を取り出して猛スピードで投げて・・
慎「ぐあああ!!」
慎也の左腕に突き刺した。慎也は痛みのあまり声を上げて苦しみ、思わず剣を落としてしまう。
バ『これで本当に終わりにしよう』
そう言ってバルシムは慎也に歩み寄って行く。慎也はなんとか剣を拾い上げて向かってくるバルシムを睨む。
バ『さあ、終わりだ。安らかに眠れ』
そう言ってバルシムは大剣を振り上げる。
慎(ここで終わんのか?ここで、俺は負けるの
か?・・
いや!負けらんねえ!)
バ『あばよ』
そう言いバルシムは慎也に大剣を振り下ろす。しかし慎也はそれをなんとか受け流し、力を振り絞ってバルシムに突進する。それは当たったが、バルシムには少し後ろに押される程度であった。
バ『無駄な抵抗を・・・あ?』
ピキピキ、と自身の下の方から音がし、バルシムは気になって下を向く。するとなんと慎也たちの攻撃を何度も受けても耐えていた自身の鎧にヒビが入っていたのだ。
バ『なんでヒビが・・・っ!』
慎「『エア・・ブラスト』!」
バルシムに追い打ちをかけるように慎也は魔法を放ち、バルシムをふっ飛ばす。
バ『お前いきなり撃ってくるんじゃ・・・・っ!?』
それは突然起こった。バルシムが立ち上がった瞬間、慎也の『エアブラスト』に耐えられなかったのか、とうとうバルシムの鎧は砕け散り、地面に落ちた。
バ『なんで鎧が壊れ・・・・ぐはっ!?』
そしてそれは連鎖のごとく起こった。今度はバルシムの口から血が吐かれ、バルシム自身も何が起こっているのかわからないまま吐血していた。
バ『何が起こって・・』
慎「・・・やっぱり、無駄じゃなかった」
バ『お前、何をしやがった!!』
慎「俺はただ普通に攻撃をしただけだ」
バ『んなわけねえだろ!お前ごときの攻撃で俺の鎧が
砕けるはずが・・!』
慎「・・・"ダメージが蓄積していた"、って言えばわ
かるか?」
バ『っ!?』
そう。バルシムはこの戦いで何度も慎也たちの攻撃を受けていた。バルシムは鎧に身を包んでいたが、それでも無効化とはいかず、少しずつだが慎也たちの攻撃でダメージが蓄積されていたのである。そして先程の慎也の『エアブラスト』がきっかけでそれが爆発し、鎧は砕け、バルシムの体はそのダメージに耐えれず吐血したのである。
慎「お前、さっき俺たちの頑張りが無駄だとか言って
たな?だが今こうして、お前にダメージを与えて
る!みんなの頑張りは無駄じゃなかったんだ!」
バ『・・なるほどな。しかし、だ・・』
吐いた血を手で拭いながらもバルシムは余裕の笑みを絶やさない。
バ『俺が有利なのは変わりない!俺に血を吐かせた程
度で勝ち誇ってんじゃ・・』
慎「・・魔力、もう限界なんだろ?」
バ『・・バレてたか』
慎「バレるも何も、あんだけめちゃくちゃに使ってた
らどんなに強いやつでも切れるだろ」
バ『まあお前の言う通り、今の俺には魔力はほぼな
い。だから最後は・・・』
そう言ってバルシムは左手を突き出し、右手の大剣を刃の先端を前に向けながら後ろに引き、大剣に魔力を込め始める。
バ『これで決めてやるよ』
慎「!・・お前その構えは!」
バ『避けたきゃ避けていいぜ?まあその場合、こっか
ら一直線上にある自然も、街も、人も、全て俺
の"『トルネードトラスト』"が破壊することにな
るがな』
慎「くっ!」
慎(やるしかねえ!)
腹を括り慎也もバルシムと同じ構えをとり、剣に体内の魔力を全て注ぎ込む。
バ『勝負は見えてるのに、馬鹿だな』
慎「うるせえ、いくぞ!バルシム!」
バ『ふ、ああ!』
慎・バ「『『トルネードトラスト』!!』」
両者同時に剣を勢いよく突き出して風を纏う黄緑色の光線を放ち、ぶつかり合う。しかし同じ武技である以上、勝負を決めるのは使用者本人の実力。慎也の『トルネードトラスト』は徐々にバルシムに押されていく。
慎(っ!『グランドブレイク』より比べ物にならない
ほど重い!これがあいつの『トルネードトラス
ト』ってわけか!)
バ『おいおいどうしたぁ!?もしかしてこのままやら
れるつもりかぁ!?』
慎(このままじゃ押され切られる!)
このまま終わる。そうバルシムは思っていた。そして慎也自身も諦めかけていた・・
エ「1人でダメなら、2人ですよ慎也さん」
その者はそう言うと慎也の右に立ち、魔力を込めた両手を突き出す。
バ『っ!お前は!』
慎「エリシアさん!」
エ「私たちは仲間なんですから!負けそうな時は頼っ
てくださいね!『エクスプロージョン』!」
エリシアがそう唱えると両手の前に橙色の魔法陣が現れ、そこから炎を纏った橙色の光線が放たれる。その光線は慎也の『トルネードトラスト』と捻れるように組み合わさり、バルシムの『トルネードトラスト』とぶつかり合う。
バ『っ!くっ!』
慎(これならいける!徐々にこっちが押せて・・)
バ『まだまだぁ!!』
慎・エ「「っ!?」」
少し押せていた2人だったが、バルシムがさらに込める魔力を上げ、再び押し返していく。
慎「また、急に!」
慎(まだこんな力を!2人じゃダメだってのか!?)
?「・・エリシア、横失礼するよ」
エ「え・・?」
2人がピンチの中、その者は颯爽と現れ、エリシアの右に立って剣を魔力を込めて雷を纏わせ、その剣をその状態で後ろに引く。
バ『!お前その構えは!』
?「いくよ!『トルネードトラスト』!」
その者が放った『トルネードトラスト』は2人と違い黄緑色ではなく金色の光線で、エリシアの魔法と同じく、捻れるように慎也たちのに組み合わさり、バルシムの『トルネードトラスト』とぶつかり合う。それによって再び慎也たちがバルシムを押して行く。
バ『俺の『グランドブレイク』をもろに受けて生きて
るとか不死身かよ!』
エ「レイルさん!無事だったんですね!」
レ「あれくらいじゃ死ねないよ!任せるとか言っちゃ
ったけど、さすがに仲間に丸投げってのは出来な
いしね」
慎「てかレイルさんいつの間に『トルネードトラス
ト』を!?」
レ「あれ?言ってなかったっけ?あの竜の戦いから帰
った後すぐにエリシアに在処を聞いて習得しとい
たんだ」
慎「全く聞いてませんよ」
バ『くそがぁぁぁぁ!!!』
慎・エ・レ「「「っ!?」」」
バルシムの怒りの咆哮。それと同時にバルシムの『トルネードトラスト』が膨張して威力が上がり、3人と同じ威力になる。
バ『何が絆だ!そんな仮初めのもん、俺がぶっ壊して
やる!』
両者共に全力で魔力を注ぎ込み、相手に負けないように踏ん張り続ける。しかしそこで最悪の事態が起こった。
エ「・・・すみませんお2人とも。そろそろ魔力
が・・!」
レ「乱入したところ悪いんだけど、私もやばい」
慎(俺も、魔力が!)
とうとう慎也たちの魔力が無くなりかけているのだ。それによって再び慎也たちはバルシムに押されてしまう。
慎「ぐっ!やばい、魔力が・・」
ラ「魔力が足りないなら! 」
リ「私たちのを使ってください!」
その声と共に、3人の背中に2つずつ手が付けられ、それを通して3人の体に魔力が流れ込んでくる。3人は慌てて後ろに振り向く。
慎「ライル!リア!」
エ「ハーツさん!ミリユさん!」
レ「ディード君にアイク君まで!」
皆満身創痍だが、それでもなんとか立ち上がって自身の残り僅かな魔力を3人に全て注ぎ込んでいる。
ハ「エリシア!俺とミリユのことは気にせず魔力を使
い切ってあいつをぶっ倒せ!」
ミ「魔力なんてこの戦いが終わればいくらでも回復出
来るんですから!」
エ「・・ふふ、そうですね。ではお言葉に甘えさせて
もらいますよ!」
デ「レイル、わかってるな?俺の魔力をやってんだか
ら負けんじゃねえぞ!」
ア「魔力はガンガン使っちゃっていいよレイルさ
ん!」
レ「任せたまえ!枯らす勢いで使わせてもらう!」
ラ「慎也、任せたぞ。俺らの分も頑張れ!」
リ「慎也さんなら絶対に出来ます!」
慎「ああ任せろ!」
慎(バルシム。お前ならこれをただの数の暴力と言う
かもしれない。でもな、"絆"がなかったらこの状
況にはなんねえんだよ)
慎「バルシム!これが俺がこの世界で築いた絆の力
だ!いくぞみんな!」
皆(慎以外)『はい!(ああ!)(おう!)』
皆『はあああああああ!!!』
慎也の合図と共に6人は一斉に3人に魔力を注ぎ込み、3人はそれを各々の攻撃に注ぎ込み、威力を上げてバルシムを押していった。
バ(・・・何が、絆だよ。くだらねえ。くだらなすぎ
て反吐が出る)
今もなおバルシムの中にある世界への憎しみは絶えない。しかし慎也たちを目の前にしてバルシムはもうすでに諦めていた。
バ(この世界はゴミだ。自分の利益のために仲間だと
か絆だとか言ってる奴しかいない。そん中で本物
の絆とか仲間が見つかるはずもねえ。だが村上慎
也、今お前が俺を追い詰めているその力が本物の
絆だと言うなら・・!)
バ『村上慎也ぁ!!!!』
慎「!」
バ『お前がそいつらを!仲間を信じると言うなら!絆 を信じると言うなら!証明してみせろ!全ての世 界を救って、お前の仲間との絆は本物だと言うこ
とを!!"あの世の"俺に証明してみせろ!!』
慎「・・ああ!!わかった!!」
バ『!・・ふ!」
慎也の答えを聞いたバルシムは笑みを浮かべて大剣を放り投げて、両手を横に大きく広げる。
バ『誇れお前ら!お前らは!かつて世界最強であった
男、バルシムを倒して世界を救った英雄だ!!』
その言葉を最後に、バルシムは慎也たちの攻撃に呑まれていった。
バ(・・・エル。もしお前が地獄にいるってんなら待
ってろ、今行くからな)
それを最後にバルシムは慎也たちの攻撃に呑まれながら体が灰と化し消滅した。