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世界渡りの少年  作者: 憧れる妄想
第一世界 最終章 本当の敵
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『ブーストアイ』との今まで




「・・・出来ることは全部やったな」


バルシムとの決戦を翌日に控えた慎也。宿のベットの上で最終チェックをするとともにこの3日間の成果が載った冒険者カードを見る。


「むらかみ しんや

 レベル49 ランクB   ランクB

 攻撃力 135  

 魔力 129

 防御 114

 俊敏性 122

 メモリースキル 青き絆        」


「あとはここに『ブーストアイ』があれば完璧だな」

『俺がなんだって?』

「うお!?」

(急に現れんなよ!夜遅いのに思わず声上げちまっただろ!)

『悪いな。あまりにも真剣そうにそのカードを見たたもんだから・・・ほう、あの時よりかなり強くなったじゃねえか』

(あの時?)

『まさか忘れたわけじゃねえだろうな?ゴブリンウォーリアーのことだ』

(ああ!たしかにあの時の俺と比べたら今の俺って結構成長してんのか)

『あの時のお前はまだ新米中の新米で、レベルも大したことなかったな』

(そうなんだよな。マジであの時お前の協力がなかったらゴブリンウォーリアーに殺されてたわ)


そう思い、慎也はあの時のことを思い返す。









VS大柄のゴブリン 覚醒せし目 を参照。


(・・俺はエテラさんと生きて帰る!)

『貴様のその強い清き意志、俺の力で可能にしてやろう』

(何だ今の?幻聴か?)

『幻聴ではない、現実だ。『ブーストアイ』と唱えろ。そうすれば、貴様次第で生きて帰ることができるぞ』

(『ブーストアイ』?って唱えればいいのか?なんか胡散臭いが、今はこれしかねえか)

「『ブーストアイ』」









(・・思えば、あれが全ての始まりだったのかもな)

『俺もそう思えてきたわ。あと、今だから言うがあの時のゴブリンウォーリアーは他の奴よりかなり弱い個体だったぞ』

(マジで?それじゃあもし少しでも強い個体だったら・・)

『あの時にあの世行きだったな』

(ですよねー。運良くてよかった)

『そんでまあ、それから少しして、あの2人に会ったな』

(ライルとリアか。たしかゴブリンウォーリアーに襲われてるところを俺が助けたんだよな)

『あの時のお前は結構勇敢だったぜ。あんだけの死闘を繰り広げたゴブリンウォーリアーに『ブーストアイ』無しで挑むんだからな』

(今思い返すとあの時の俺馬鹿だったな)

『まあその馬鹿さのおかげで2人が助かったんだけどな。そしてそれからさらに時が経ち、お前ら3人はオークどもに襲われた』

(そうだな。そしてオークに攫われたリアを助けるために、俺は1人でオークたちの巣に向かって、オークキングと対峙したんだよな)


慎也はオークの洞窟でのことを思い返す。









VSオークキング 10秒の賭け を参照。


「何勝手に・・・リアを連れて行こうとしてんだ」

『おいおい何言ってんだ。こいつが自分の意思で俺に着いてきてんだ』

「そうですよ慎也さん!私が私の意思で奴隷になるって決めたんです!」

「じゃあ何で、お前は泣いたんだ?」

「え?」

「お前の意思で奴隷になるんだったら、何でお前は泣いたんだ?」

「それは・・」

「・・・10秒だ」

「え?」

「10秒で、この勝負に方をつけて、お前を助けてやる」

『10秒でお前が死ぬの間違いじゃねえか?』

「言ってろ。すぅー・・・・・『ブーストアイ』!」









『正直あの時なんで勝てたのか俺にもわからんな』

(おい待て待て。お前あの時さ、俺が勝てると信じてるみたいなこと言ってなかったか?)

『あれ半分冗談だったぞ』

(はぁ?)

『いやだって、てめえとオークキングの実力差が天と地ほどの差がだったからな。お前が勝ってあの娘と逃げてるの見てかなり驚いたぞ』

(お前マジふざけんなよ)

『まあ勝ったしいいじゃねえか。そんで続きだが・・』

(逃げたなお前)

『それから少しして、お前とエリシアをきっかけに戦争が始まったんだよな』

(ああ。ほんとグラドスやばかったよ!手負いでもあんなに強いとか反則だろ!)

『でも結果はお前の勝利じゃねえか』









大切なもの を参照。


「見せてやる、俺の全力を!『ブーストアイ』!」

『『ブーストアイ』だと!?』

「慎也、お前使えるようになったのか?」

「いえ、まだ借り物ですよ」

『ふ、だがその程度じゃまだ俺には勝てねえよ!』

「んなもん俺が1番わかってる。だからこそ!俺はさらに強くなる!」

(力を貸してくれ!イム!)

『うん!』









『あれはあのスライムに感謝だな』

(イムがいなかったらあれ普通に負けてたね)

『てか前々から聞こうと思ってたんだが、お前がグラドスと戦った時に使ってたあの"黒いオーラ"って何なんだ?』

(黒いオーラ?何の話?)

『もしかしてお前覚えてねえのか?』

(覚えてない?・・・・あーなんか思い返してみれば、イムが殺された直後からイムが俺に語りかけてきたところまでの記憶がねえな)

『おおちょうどそこだ。お前が黒いオーラを使ってたの』

(マジか。何も覚えてねえ・・)

『なんか1つでもいいからねえのか?』

(んー・・・あ、1つだけあるわ)

『お、なんだ?』

(なんかイムが話しかけてくる直前に、変な何かに飲み込まれそうになったんだよな)

『変な何か?』

(俺が覚えてんのはそれだけだな)

『・・・まあ結論から言うと、お前は黒いオーラがなんなのかはわからないんだな?』

(ああわからん)

『わかった。あとお前の仲間もいつか同じ質問をするだろうから、今と同じこと言っとけよ』

(りょーかい)

「ふぁ〜・・」

『明日はとうとうバルシムとの決戦なんだ。さっさと寝ろよ』


そう言うと『ブーストアイ』は消えていった。


(それもそうだな。寝るか)


冒険者カードをリュックに入れてベッドに横になる慎也。そしてゆっくりと眠りについたのであった。




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