納豆勝負一戦目
とりあえず水戸駅で朝食をとることにした俺は朝マックのセットに納豆が付いていたり、NewDaysのおにぎりとサンドイッチに納豆がラインナップ入りしているなど、朝食を選ぶだけで、ここが納豆でやばい世界だとわかった。
とりあえずマックで朝食をとることにした俺は、ハッシュドポテトと納豆を席で食べていた。ポテトと納豆なので、あまり食べ合わせは良くないが、健康にいい気はする。
その後はとりあえず水戸駅を一通り情報を集めるために調べた。
そして、俺のいた水戸駅にはなかった店を見つけた。
(納豆勝負水戸駅店)
なんだここ?よく分からないが、手紙にあった納豆勝負という単語が店名にあるため
とりあえず入店してみた。
若い女性の店員がいた。
「いらっしゃいませ!勝負ですか?それとも観戦ですか?勝負であれば1000円観戦なら500円となっております。納豆カードをお持ちであれば、どちらも無料で行うことができます。カードはお持ちですか?」
納豆カード……?
そんなもの持っているわけがない。とりあえず500円払って観戦するか。
「とりあえず観戦でお願いします。」
俺が500円を店員に渡そうとした瞬間
その500円が納豆カードになっていた。
「カードを確認しました。このカードは……。まさか茨城県民!?しかも勝負経験も0!」
店員の態度が変わった。
「失礼しました。あなたはとりあえずこの先の勝負スペースで納豆勝負をしてください。この店のルールのようなものなので…。」
ルール?納豆勝負はよくわからないからとりあえず観戦したいんだけど……。
「とりあえず早く彼と納豆勝負をしてください。この店のルールなんですよ。弱そうなカード持ちが来たら彼と勝負するのが。早くしてください。手荒な真似はしたくないですから。」
彼?納豆勝負をする?そういう雑魚狩りみたいなのが、この茨城では普通なのか。
それなら情報を集めるついでに納豆勝負を
するのもありかもしれない。
そして俺は勝負ブースに行った。
「待ってたよ!茨城県民で勝負経験0!最高のカモがここに来てくれて嬉しいよ!」
なんかハイテンションな奴が目の前にいる。中学生くらいだろうか。
「僕は四天王候補の坂東 豆也 (ばんどう とうや)みんなからは、イーストって呼ばれてる。この水戸駅店で最強の納豆料理人で、
四天王候補なのさ!」
この茨城のことをまだよく知らないので説明してもらえるのはありがたい。とりあえずイーストにもっとこの茨城のことを聞いてみるか。
「これから最強の納豆料理人と勝負するってのに余裕そうだな!いいか今からこの勝負ブースで僕と君で納豆勝負をするのさ!」
「納豆勝負は30分〜1時間の中で時間を決めて、この場に用意される食材と納豆を合わせた料理を3人の公式審査員に審査してもらって、票が多い方の勝ちなんだ!つまり君は今から僕に負けて、僕は四天王への挑戦権を得るってことさ!茨城県民のポイントは高いからね!」
なるほど。要はイーストは四天王候補で
俺に勝てば四天王への挑戦権が手に入る。
用意された食材で納豆を調理してそれで
票の多い方が勝ちか。
「わかった。じゃあ納豆勝負しようか。四天王候補のイースト!」
「なんか余裕あって腹立つな!勝負経験も0の茨城県民が!普通は僕を相手に納豆勝負
したくないから逃げ出したりするのにな!」
そして勝負ブースに食材が運び込まれ始めた。観客も入ってきた。四天王候補というだけあってブースが満員になっている。
食材は結構多い。野菜、肉、魚はある程度揃っている。調味料も一通りあるし、米は炊いてある。食パンやうどん、パスタの乾麺なども用意されている。これなら納豆料理を作るのに困ることはない。
納豆は数種類用意されているらしい。
パックのものから藁納豆まで用意されている。
店員がブースの真ん中に立った。
「これより納豆勝負を始めます!制限時間は1時間!先に料理のできた方から審査開始です!双方の料理の審査が終わったら審査員3人の審査結果がブース上方のモニターに
表示されます!ではイースト、水戸洋一
調理開始してください!」
15分後
イーストはもう調理を終えたらしい。
俺が何を作るか考えている間にもう審査が
始まっていた。
「僕が作ったのは!この納豆キムチチーズご飯だ!審査よろしく!」
納豆キムチチーズか。最強の組み合わせだ。発酵食品のコンボだ。不味いわけがない。ご飯がすごい進む最強コンボだ。
だが……。
作る料理は決まった。たしかにあのコンボは最強だが、納豆料理ではないだろう。
もともと俺のいた現実の茨城でよく作っていたあの納豆料理で行くとするか。
残り20分
俺の料理が完成した。審査員のところに持っていくとするか。
「そんな料理で僕に勝てると思ってんの!?米を使わないとか何考えてんの!?納豆料理だろ!米使わないとか勝負捨ててるだろ!」
うるさいなイースト。こんな奴が本当に四天王候補なのか?この料理茨城なら普通に作る人は多いはずだが?
「僕は茨城県民じゃないからね!北海道から来たのさ!魅力度トップの都道府県から
な!僕は納豆四天王になれば大金がもらえるから納豆勝負を続けてきた!けどさぁ!
この茨城でそんな料理するやつ見たことないぜ!」
イーストは茨城県民じゃないのか。
なら知らなくても仕方ない。審査員なら
誰か知ってるはずだしな。
俺はうるさいイーストを無視して
審査員の前に料理を置いた。
審査終了
3-0で俺の勝ちだった。
審査員曰く「この料理は納豆勝負において
めったに見ない料理だ。これを食べた後では、納豆キムチチーズご飯はただの手抜き料理に思える。君の勝ちだ。」
イーストはすごくショックを受けていた。
「おかしい。勝負経験0のやつに負けるなんて。僕は納豆四天王になるはずだった。経験0のやつに四天王候補が負けるなんておかしい……。」
とりあえず俺は四天王候補のイーストに
勝った。そして店員が近づいてきた。
「おめでとうございます!水戸さん。
あなたは勝負経験0から四天王候補を倒しました。これにより、四天王候補のポイントと勝負経験0のボーナスを合わせて、あなたは四天王挑戦権を獲得しました!」
四天王挑戦権……。
イーストが俺に勝ったら手に入るやつか。
イーストが俺に近づいてきた。
「ふざけるな!僕が納豆四天王に挑戦するはずだったんだ!あんな料理が美味しいわけない!茨城県民だから実は審査員と知り合いで、審査員に八百長を持ちかけたと……、」
イーストが全て言い切る前に後ろから
3人に押さえつけられた。
「私たちの審査は絶対だ。そこに一切の不正が絡むことはない。」
そう言うと審査員はイーストから離れた。
「君の料理は面白かった。水戸君。
納豆パスタを納豆勝負で作る人はかなり珍しい。この納豆勝負で用意されている米は茨城県産の米ですごく美味しい。だからパスタを選んだ君はとても面白い。四天王挑戦権期待しているよ。」
初めての納豆勝負が終わった。
俺は四天王候補のイーストを倒し、
四天王挑戦権を手に入れた。
とりあえずそろそろお昼だ。
イーストから情報と四天王挑戦権をもらった。とりあえず拠点に戻るか。




