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迷い込んだその先は  作者: KING E
4/6

意味わかんない


「大崎さんは葉月さんと仲が良いんですか?あっすみません202号室の吉村陽菜です。」


そう尋ねる吉村さん。


「どうも。大崎誠といいます。葉月さんお隣なので挨拶をする程度ですよ。」

どうも挨拶をする程度のようだ。

「201号室の朝比奈です。これから葉月さんの104号室尋ねますがご一緒にいかがですか?」

「私は警察から連絡が来るかもしれませんので部屋で待機しておきますよ。」

「誠君、警察から連絡きたら教えてなぁ」


次に向かった104号室。葉月さんはすぐに出てきた。

「昨日雨が降ったから現場が休みだったんだわ。というか今日は休みじゃなくても現場に到着できなかったがな!はっはっはっ!」

葉月さんはガテン系の気のいいおっさんだった。笑い方が豪快だ。


「葉月さん、ちなみにこの現象は確認されました?道向かいが急に森になってますけど。」

「おう、見た見た!ちょっと散歩したけど、結構先まで森が続いてたから途中で引き返したけどよ。」

「森の中に入られたんですか!?」

「おう。ただ入るならちゃんとした格好してかないと危ないぞ?かなり先まで続いているみたいだしな。あと、詳しくはないが植物は見たことがないものばっかりだったぞ。」


サクッと確認をされたみたいだ。勇気あるなぁ。


「警察来るんだろ?なら部屋で待機しとくわ。電話つながるなら何も問題ないだろ。」


確かにそうだ。会社にも、ましてや警察にも電話することができた。これは外界と隔離されているという状況ではないということだ。ただなぜ森になってしまったのか謎なままだ。




これで、1階の住人は確認が取れた。残りは2階の204号室だ。


「204号室は真紀ちゃんだぁ。あのー、つめを綺麗にする仕事しとるよ。今日はいるかどうかわからんねぇ。」とトミばあちゃん。


つめを綺麗、あぁネイリストか。オレはゴテゴテしたつめはあんまり好きじゃない。だって家事ができなさそうじゃないか。家庭的な女の子が好み。彼女?おりませんよ?


204号室のチャイムを鳴らす。トミばあちゃんにさせるとドアをガンガン叩くから物騒だ。


「は~い」


中から出てきたのは明るい茶髪をセミロングにしたキレイめなお姉さんだ。オレの見立てが間違っていなければ25~26歳くらいじゃなかろうか。


「こんにちわ。201号室の朝比奈です。こんな状況なので全世帯回ってるのですが何かお変わりありませんか?」

「こんな状況って、何のことですか?」

「外をご覧になっていませんか?道向かいの住宅街が突然、森になってしまっているんですが…。」

「森?なんのことですか?私、さっきスーパー行って帰ってきましたけど、何も変わったところありませんでしたよ。・・・あの、大丈夫ですか?」


ん?どういうことだ?スーパーから帰ってきた?


「すみません。私、202号室の吉村陽菜です。飯塚さんいつ頃お帰りになりましたか?」

「5分くらい前ですよ?それが何か?」


おかしいぞ?


5分前といえば、オレたち3人は葉月さんの104号室を訪ねていたときだ。2階に上がるためには104号室の前にある階段を使わなければ上がることができない。104号室の玄関先で話をしていたから階段を使ったらわかるはずなのだが・・・。そもそも森を見ていないとはどういうことだ?現に森は目の前に広がっている。


「一度道向かいを見てください。森になっているでしょう?」

「え・・・えっ!!なにこれっ!!私帰ってきたときこんなことなってない!!どういうこと!?」


これは、何か演技をしているわけでもウソをついてるようでもなさそうだ。

飯塚さんはちょっとパニックに陥っている。


「はぁ!?えっちょっと待って!頭が追い付かない!なんで?そもそも道がなくなってるし、どうゆうこと!?意味わかんない!ベランダから出ろってこと!?」


・・・ベランダ?


「飯塚さん、ベランダから出るってどうしてですか?」

「え?だって玄関から出ても道がないんだったらベランダから出るしかないじゃない。ベランダからは裏庭通って道に出れそうだし・・・。」


オレは自分の部屋に戻ってベランダを確認した。


飯塚さんの言っていた通り、いつもの見慣れた風景がそこにある。しかし2階から降りるのは危険だ。どうにかならないものだろうかと考えながら、204号室の飯塚さんの部屋に戻る。



戻ってみると、そこには大崎さんが合流していた。






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