シンデレラ
これは。もしもの話を想像した童話の物語り。
いらしゃい。ここは童話の話が集まる場所だよ?
どんな童話が良い?
え?オススメは何?だって。う~んじゃあこれが良いかもしれないね。
シンデレラ・・・君達の世界では、このような内容だったはずだ。
『昔、とある家に意地悪なお母さんと。調子にのっている姉が二人。最後に働き者の少女。がいました。
ある日。その家族は、お城のパーティに招待され少女以外の三人が行くことになり、少女は行くのを強制的に諦めさせられた。
そんな時。一人の魔女がその少女に「かぼちゃの馬車」や「ガラスの靴」などを差し出してその少女は、無事。パーティに行けました。』
途中までだと。こんな内容だったはずだと思う。
けれど。現実にそんな事はありえない。だってこれは・・・僕の造り出す現実と空想を掛け合わせた。夢のような物語だもん。
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「シンデレラ?貴女。本当に舞踏会には、参加しないの?」
「はい。お母様。私は家で仕事をしています」
私には…それしかない。と、考えた事もある。私の周りは凄く暖かく、優しい愛に満たされている。
事実、お母様は優しい。ご飯は美味しいし、洋服も買ってくれる。
「えー。シンデレラがいないとつまらない。どうして行かないの?」
「その日は、用事が入っているので。すいません」
としか言いようが無い。一番上の姉に本当の事を言ってしまったら。全てを悟られ、恥ずかしい気持ちになる。とてもとても恥ずかし…気持ち。
「ふん。行きたくないって言ってるんだから。行かせなければ良いのよ。だけどシンデレラ、火の元には注意しなさい。貴女は私達家族の一員何だもの」
2つ上の姉は、私にとっては凄く好きだ。ちゃんと私の心配もしてくれている。ありがとう、お姉様。
「はい。お家の事は気にせず。ゆっくり羽を伸ばしてきてください。」
「うふふふ。えぇ、本当にありがとうねシンデレラ」
ポーン。 ポーン。と柱時計が十二時の鐘をならしている。それを聞いた一番上の姉はハッと気付いていた。
「お母様。もうそろそろ時間も時間だし。お城に行きましょ」
「そうね。じゃあシンデレラ。火の元には気を付けてね?怪しい人が来たら扉を開けないでね?合言葉も忘れないでね。」
「分かりました。お母様。行ってらっしゃいませ。」
そしてお母様達は、とても美しいドレスを身にまとって。外で待っているお城行きの馬車に乗り、ゆっくりとお城に向かっていった。
「…ふぅ。さて、彼が来る前に。少しは片付けて起きましょうかね」
彼が来るのは大体、一時間後。片付けてした後にクッキーでも焼いて待ってましょうか。
「さ、片付けを開始しましょう」
まずは、二階から窓を開けてからサッと箒で埃を取って。それからテーブルや棚、床を水拭き。これにかかった時間は五分くらい。いつもは姉様達が手伝ってくれるから、三分位で終わるけど。私もまだまだね。
「次ぎは、階段をやって。一階は…リビングと台所だけで良いかしら」
ま、彼の事だから。お世辞でも綺麗だねって言ってくれるのだけれども。
「はっ。いけない。早く片付け…掃除を終わらせて。クッキーを焼かないと」
まずは、階段も箒で埃を取ってから。手すりの部分を水拭きしてから。階段を拭きましょう。
その後は、基本は二階でやっていたのを一階でやってから。クッキー作りを開始しましょうかね。
「さて、さっさとやっちゃいましょう」
シンデレラは、急ぎで掃除を終わらせて。クッキー作りを始めた。そして彼が来る予定の時間になる頃には、クッキーは焼き上がる直前までになっていた。
「もう、そろそろね。…駄目よ私。緊張してはいけません。緊張したら。彼に馬鹿にされてしまう」
コンコン。扉の方から扉を叩かれた音がする。
「もう来たのね。合言葉を言って下さい。魔女はなに好き?」
「かぼちゃ好き。だろ?開けてくれ」
「えぇ、分かったわ。…こんにちは。時間通りに来たのね?相変わらず暇人な事。」
「君だって。クッキーを焼きながら待っててくれるなんて。危うく勘違いしてしまうところだったよ。」
いつも寝癖がある茶色の髪の毛。真っ直ぐ私を見てくれる黒い瞳。190㎝位の高身長。外見はかっこいいのに、地味な服を着てくる貴方。彼だ。私が待っていた、周りの暖かい人の中に入っていて。異性では、最も私に近付いてくれる彼。
「さぁ。上がってちょうだい。クッキーも丁度焼けたのよ」
「じゃあ。お言葉に甘えて。お邪魔しますよ、シンデレラ。」
「もう。お母様達もだけど、いつまでその名前で呼ぶの?」
シンデレラの名前は、昔。彼と一緒に遊んでいた頃。この家の裏側にある、倉庫の中で遊んでいたら。いつの間にか洋服は倉庫の中に保管していた灰まみれでお顔にも灰が付き。『灰まみれ姫』との事で。シンデレラ…酷い話しでしょ?
「でも…気に入っているのだけれどもね」
「ん?何か言った?」
「いいえ。何でも無いわ。今からお茶を入れるけれど、紅茶でいいかしら?」
「大丈夫だよ。じゃあお願いする」
えぇ、貴方が私を頼ってくれる事。それが、私の生き甲斐。貴方が私の所に来てくれる事が私の元気の源。貴方が他の女の元に行っても良い。その瞳が私の方に向いてくれさえすれば何でも良いのだわ。
「ねぇ、シンデレラ。叔母さんとお姉さん達は?今日は一人なんだね。」
「お母様達は、お城主催のパーティに参加するから、貴方が来る一時間前に出ていったわよ。」
「お城主催?それは、いくらなんでも有り得ないと思うよ?」
「…え?何で?」
それはどういう事なのだろう。手紙はお城に一緒にもって来てください。と、書かれていたらしく。手紙は、今は手元にない状態。
「理由は、今の王は人間不信何だよ。何でも、王は親しき友人に裏切られ、命を狙われたらしい。だから、わざわざ人を大勢呼んでパーティを開催する何て、有り得ないだろ?」
「そ、それじゃあお母様達はどうなる…」
「王の命令に逆らった者は誰だ!私は王直属の騎士。王に逆らった反逆者を捕らえに来た!」
扉を蹴り破られる。鉄の鎧をまとった大男がズカズカと入り込んで来る。
「反逆者?おい、おっさん。それって誰の事だ」
「小僧。命が惜しければ今すぐにその女からはなれるんだな。そいつが王の命令に逆らった反逆者なのだからな!」
「え?待ってください。何故そのような事になっているのですか?」
騎士の後ろには、馬に乗っている騎士達が大勢いるのは、チラッと隙間から見えるから分かるけど、何故こうなったのかは、私も意味が分からない。
「お前は、王主催の舞踏会に行くのを止めた。つまりそれは王の命令に背いたと言う事だ!よって、お前を捕まえて地下牢に入れ、一生奴隷として働いてもらう!」
「ふざけんなよ!王は親しき友人に裏切られ、命を狙われて人間不信になったはずだぜ!何故パーティを主催する!」
「うるさいぞ!お前らこいつら二人を取り押さえて城に連れていき地下牢にいれておけ」
「キャ!な、何するのよ。止めなさい!」
私達は大男の後ろからゾロゾロと出てくる騎士達に腕を捕まれ、必死に抵抗するが、やはり相手は騎士。力では私達は負ける。
「くっそ!離せよ!その子を離せ!捕まえるのだったら俺だけにしろ!」
「フッ!男としては、中々の心構えだが。そのような事を言う前に力でこの状況を切り抜けてみよ。お前ら、こいつらを馬車に入れて、サッサと城の牢にぶちこめ!」
「ハッ!」
そして私達二人は、騎士たちに連れて行かれ城の地下にある牢に送り込まれた。
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「うっ…ぐす…何で?何でこんなことになってしまったの」
私は只、泣くことしか出来なかった。暗くてじめじめした肌寒い牢の中。手の自由も足の自由も奪われ、お母様に買ってもらった服も汚してしまい。私の中にある心は、恐怖 絶望 で呑み込まれていってしまっている。
「お母様に会いたい。お姉様達に会いたい。…彼に…会いたい。ねぇ…助けてよ。私は貴方に会いたいの!」
叫んでも。喚いても。泣いても。苦しんでも。音は反響するだけで、誰も助けにこない。当たり前だろう。理由は少女がここに連れてこられてから。五日間はたっている。
食事の時は手の自由が解放され。シャワー代わりに、心優しい一人の騎士が、コッソリ持ってきてくれる濡れタオルで体を拭く。
「…誰か。助けてよ」
「シ…デレ…ラ……何処だ?」
あぁ。いよいよ私の耳までおかしくなったらしい。彼の声が聞こえる。
「シン…レラ……何処の…牢だ?」
「え?本当に彼なの?」
今の私は、半信半疑。彼の姿が見えないからだ。
「シ…ンデ…レラ………ここか。や…と、見つけ…た」
「あ、あぁ。嫌、いやぁ!」
牢の前に出てきたのは彼だ。正真正銘の彼の姿…では、なくなっていた。
彼の脚は足首から切断されており。彼の顔には青い痣。彼の腕には切傷、刺し傷。火傷の後。それはとても醜く、残酷な姿だった。
「待って…ろよ。……今、出して…やる」
彼は牢屋の中に入り、私の手足を自由にしてくれた。
「鬼ごっこはもうおしまいか?小僧。」
彼のすぐ後ろに、血の滴った。剣を持ったあの時の騎士がいる。
「だ、駄目。彼をこ、殺さ…ないで。」
「…ン…レラ。何を…やってい…るんだ?逃げ……るぞ。」
「な、何で?私の…声が聞こえないの?」
大男が手に持っていた灯りで彼の顔近くまで照らすと。彼の耳から血が流れていた。
彼はその明るさで大男に気づくと。少女を庇うように大男の前に達、膝立ちで立つ。
「シン、デ…レラに……手を……出すな!」
「駄目。止めて…止めなさいよ!お願い!彼を殺さないで!」
「無駄だな。小僧は脱獄者だ。それは変わり様のない事実」
そう言うと。大男は、紙とペンを取り出し。彼の目の前で書かいた文章を読み上げる。
「小僧。チャンスをやろう。ここでお主が死ねば女を助けてやる。だが。死ぬのが嫌だったら。女を殺す。どっちかを選べ」
「…決まって…るだろ。俺を殺せ!…煮るなり焼くなり…ずきにしろ!…だけど…シン、デレラには、指一本…触れるな!」
「待って!止めて!私が死ぬ。私が死ぬから!彼を殺さないで!」
殺さないで。心からそう思った。だけど現実は上手く行かない。
大男は、またも紙とペンを取り出し書いた文章を読み上げる。
「良いだろう。お前には一瞬で楽になれるよう首を切り落としてやる。男に二言は無いか?」
「無い!」
「良く言った!小僧!」
「止めてぇ!」
ザシュ。
この音だけが私の心に一番響いた。
灰色の床は、真っ赤で暖かい赤色に染まり、その上に落ちていった私の大切で…大好きな彼の頭。
それを見た後の行動は、以外と早かった。彼の着ていた真っ赤に染まっている服を破り、頭をその服で包み込み私の胸に当て。大事に抱えながら出口に向かって走る。
大男は、私の事を追いかけて来なかった。
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外に出て2ヶ月。私と彼は、森にあった小屋を見つけそこに静かに暮らしている。
風の噂では、人間不信になっていた王は、暗殺され。舞踏会に招待されていた人達は半数以上が亡くなられており。私のお母様もその中にいたと言う。
お姉様達には、あれから一回しか会っていない。その後の行方は不明。
「ほら、見て。外にある花壇の花達が可愛く咲いているわ。」
「………。」
「ほら、見に行こう。大丈夫だよ。邪魔者は私が殺すからね?私、あれから剣術とか体術とかいろいろ覚えたのよ!だから、見に行こう」
お姉様達の事はどうでも良い。今は、二人だけの幸せな時間を過ごすんだもん。
「ずっと。ずぅぅっと。一緒だよ?ね。私だけの王子様」
少女『シンデレラ』は、生首だけとなった彼を持ち。死ぬまでこの生活をすることになった。
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いやぁ。美しくもせつないお話しだったね。
これが君達の世界で言う『死ネタ』なのかな?まっ。そんな事はどうでもいっか。
まぁ気に入ったらまたここに来てみると良い。
ただし、僕がいたらの話しだけどね。それじゃあね。またのご来店を楽しみに待っているよ。
さようなら。じゃあね。




