質問と謎
強面イケメンさんの肩にのり、ドアをくぐるとそこには長い紅色の髪の毛を後ろで一つにまとめた素敵なお兄さんが立っていました。
「お帰りなさい、旦那様。」
執事さん…かな?
わ、目が合っちゃったよ…やっぱり執事さん(仮)フリーズしちゃってるし。当たり前の反応だけど傷つくなぁ。
でも、すぐ元に戻ったのはすごいと思う。このイケメンさん結構長い間固まってたからね…。
「後で説明する。今はみのがしてくれ。」
イケメンさんがそう言うと、執事さん(仮)は小さくため息をついて必要なものを聞いてきた。
「紅茶を。」
「…精霊用のサイズのほうがよろしいですか?」
「ああ、たのむ」
そんな会話を横で聞きながら猫を観察していると、話が終わったみたいでイケメンさんが歩き出した。
しばらくすると、1つのドアの前にたどり着いた
「ここが俺の部屋だ。」
と、一言言ってから部屋に入っていった。
部屋に入ると目に入ったのは大きな机と椅子、そして応接用と思われるソファとテーブルだ。
その時、後ろからノックの音が聞こえて、イケメンさんが対応する。
「入れ」
「失礼します。紅茶をお持ちしました。」
その言葉のあとテーブルに紅茶と小さいソファとテーブル、小さい紅茶が置かれた。
まあ、私から見れば小さいほうがぴったりのサイズなんだけどね。
それはいいとして、靴を脱げ、と言う指示があったので靴を脱ぎ手に持つ。すると、思いのほか優しくテーブルの上に下された。イケメンさんがソファに座ったので、私もソファに座る。
沈黙が落ちる。
「あー、とりあえず自己紹介しておこう。」
しゃべり始めたのはイケメンさんだった。
「リュナス・ロイ・ジィルバァー、帝国の騎士団長をやっている。」
長い名前だ。どこが名字なのか全然分からない。
分からないことは聞くに限る。
「どこが名前ですか…?」
「…ロイが名前だ。お前は何と言う?」
「私は如月瑠奈です。ルナ、と呼んでください」
「そうか。ではルナとやら。質問に答えろ。」
なんか突然威圧的になったなあと思いつつ、答える。
「何ですか?」
思いもよらない質問が降ってきた
「何故、精霊王と契約出来ている?」
「はい?何でそのこと知ってるんですか?」
「俺には王の位のつく精霊が見えるんだ。」
なんてことだ。じゃあシュウナは見えているのか。
少し考えた後、私は全て教えることにした。騎士団長さんというのと、私を見てフリーズしたもののきちんと対応していたところから信用における人物だと判断した。
「じゃあ騎士団長さん、私はあなたのことを信頼した上で全部話します。」
こうして、私は今わかっている事を話始めた。