ここどこ?
初投稿です。
「ここ…どこ…?」
私こと、如月瑠奈は見覚えのない草原?に立っていた。
そして目の前には自分がつけていたはずの指輪が、手のひらほど大きなサイズで目の前に転がっている。
いったいどういうことだ。
私はさっきまでの事をぼんやりと思い出し始めた。
8月の日照りが降りそそぐ中、バイト先に向けて歩く。
「暑いなあ…」
私はそうつぶやき、カバンに入ったペットボトルに手を伸ばす。
が、携帯に着信が来たことでそれを断念する。
一体誰だと思いつつ携帯を見れば、中学生の時の親友だ。何かあったのかと思い、電話に出る。
『もしもし瑠奈?』
『そうだけど何かあったの?』
『今度同窓会しようっていう話になってね、まだ細かいことは決まってないけど瑠奈と連絡取れるの私だけだし、先に伝えとこうと思って電話したの。』
『そうなの?わざわざありがとうね。』
『いいよいいよ!日付が決まったら連絡するけど、都合悪い日とかある?一応参考にするけど…』
『別にないよ~。決まったら連絡ちょうだい?』
『オッケー!わかった!あ、じゃあもうすぐデートだから切るね?瑠奈も早く彼氏つくりなよ?急に電話してごめんね!ばいばーい!』
『はーい。じゃあねー』
電話を切り、少し急ぎつつ考えた。
中学校卒業して5年も経ってないだろう!それに彼氏はまだいらない!余計なお世話だ!と。
いや、騒ぐのが好きだからか?
そんなことを思っているうちに、バイト先が見えてきた。今日はローファーだけど、走るか!と気合を入れる。
そして走り出した瞬間、おもいっきりこけた。
その瞬間、真っ白な光に包まれて、私は意識を失った。
こんな感じだった気がする。
私ははっと気が付き、胸元を探る。そこにいつもの感触を見つけ安堵が広がる。
これは両親の形見で、中に物をいれることができるようになっている。まあいわゆるロケットペンダントみたいなものだ。
ふと思ったのだが、なぜ指輪は巨大化してもこれはそのままなのだろう。
考えても答えは出なさそうなので、ゆっくりと周囲を見渡す。
すると、ところどころに自分より二回りほど小さな少女と少年が居る。
10歳位だろうか?
それ自体はいいのだが、背中に透き通った羽が生えていた。
一回落ち着こう。目をつむって深呼吸をする。目を開けたらそこはバイト先に向かっている途中だ…と念じながら目を開ける。するとそこには
さっきより近くに来ていた少女(羽根付き)が目の前にいた。
正直めちゃめちゃびっくりした。人の顔が近くにあったことにも驚いたが、女の私から見てもドキッとするようなどちらかといえば可愛らしい美貌に驚いた。
そんなことを思っていると、少女がこちらに話しかけてきた。
「誰?」
こっちのセリフである。
「あなたこそ、だれ?」
とりあず、聞き返す。
「あたし?あたしはシュウナよ。それで、あなたはだれなの?」
「ええと、私は如月瑠奈」
「きしゅるぎ???」
「きさらぎ、だよ??もしかして、発音できないの?!」
「そうみたい。」
なんてことだ。名前を呼ばれるのは若干の抵抗がある。でもまあ、しかたないか。
「じゃあ、瑠奈って呼ぶといいよ」
しぶしぶ許可を出すと、シュウナは花が咲くように笑った。
「わかった!よろしくね!ルナ!」
「うん、よろしくね。ところで、いくつか聞きたいことがあるんだけど?」
「なに?何でも聞いて!何でも答えちゃうよ!!」
テンション高いなあと思いつつ、聞いてみる。
「とりあえず、ここどこ?」